ATOMOS SHOGUN FLAME〜SHOGUNからの進化と、AG-DVX200との組み合わせ | ビデオ α

ATOMOS SHOGUN FLAME〜SHOGUNからの進化と、AG-DVX200との組み合わせ


 このところ、立て続けに新製品を発表・発売したATOMOS。2016 NAB Showで発表されたSHOGUN INFERNOはもちろん気になるが、ここでは、3月に発表され、出荷もすでに始まっているSHOGUN FLAME(写真1)について、初代SHOGUNからの改良点を確認していきたい。

 そしてさらに、撮影モードが多彩なパナソニックのAG-DVX200と、SHOGUN FLAME(および初代SHOGUN)との組み合わせを試してみたいと思う。

 SHOGUN FLAMEの進化したポイントは、大きく分けるとつぎの2点になるだろう。まず1つがユーザーの扱いやすさを向上させる改良、そしてもう1つがモニターに関するパワーアップである。

ユーザー目線で進化したSHOGUN FLAME

 初代SHOGUNでは取り付けることができるバッテリーは1つだけであったが、消費電力が思いのほか大きいため、撮影時に絶えずバッテリーの残量を気にしていたユーザーも少なくないだろう。

 しかしSHOGUN FLAMEでは、バッテリーを2つ取り付けることが可能となり、その2つのバッテリーを順次使用していくシステムとなった(写真2)。残量の表示も、2つのバッテリーと外部DC入力の合わせて3種類を、それぞれ個別に表示できることから、かなり安心して使えるようになったといえる。

 電源関連で言えば、外部DC入力のコネクターが背面に移ったことも、使いやすくなったポイントだろう(写真3)。初代SHOGUNでは、この外部DC入力コネクターが側面に配置されているのだが、たとえば電源を外部入力し、さらになんらかのHDMIケーブルも差しているような場合、SHOGUNの両サイドからケーブルが飛び出している状態となってしまっていた。

 また、SDIの入出力コネクターに関しては、初代SHOGUNでは本体背面の向かって右下に備わってるのだが、SHOGUN FLAMEでは背面下の中央寄りに移動している(写真4)。コネクター周りの形状も改良され、ケーブルの抜き差しが容易になったことがわかるだろう。

 ところで、SHOGUN FLAMEのBNCコネクターの数は初代SHOGUNと同じく3つなのだが、筆者はそのコネクターの配置に若干の違和感を感じずにはいられなかった。しかし、それが先日のNAB Showでの発表により、最新機種SHOGUN INFERNOへの布石だったことを知ったのは言うまでもない。

 記録メディアのSSDを収納するマスターキャディーについても、マスターキャディー自体は初代SHOGUNと同じものを使用するのだが、それを本体に差し込んだとき、初代SHOGUNでは若干の出っ張りが残っていたのだが、SHOGUN FLAMEでは本体側面と同じところまで差し込まれ、フラットな状態となる(写真5)

 このようなちょっとしたことでも、メディアが誤って抜けることを防いだり、メディアに衝撃が加わることを防ぐなど、メディアに対する安心感がかなり増した。

 そのほかにも改良された箇所はいくつもあり、ユーザーがより使いやすくなるポイントを中心に改良されていることがわかる。

パワーアップしたモニター

 もう1つの進化は、モニターのパワーアップである。これはズバリHDR対応になったことと、言ってもよいだろう。

 まずモニターの輝度が、初代SHOGUNの400nitから、SHOGUN FLAMEでは1500nitにパワーアップ、さらにモニターのビット数が8ビットから10ビットにパワーアップしたことから、このHDR対応が実現した。

 SHOGUN FLAMEの画面下にあるボタンのうち、右端にある黄色いボタンを押すと、写真6のようなメニューが表示される。このメニューによって、Atom HDRモードに切り替えることができるのだ。Atom HDRモードでは、すでに複数のカメラメーカーのLogガンマとカラースペースに対応しており、プリセットから選択できるようになっている。

 なお、モニターの輝度が上がるということは、それだけ消費電力が大きくなるということである。Atom HDRモードでの撮影時は、バッテリーの残量には気をつけておきたい。

 そのほかの基本性能は、メニューを開いてみても、初代SHOGUNからほとんど変わっていないと思われる。ということはSHOGUN FLAMEの記録フォーマットは初代SHOGUNと変わっておらず、つまり数多くのカメラと組み合わせ可能なことや、カメラ側のオリジナルデータよりも低圧縮の高画質データで記録でき、各種編集ソフトウェアとの親和性も保証されるということだ。

AG-DVX200の各種モードとSHOGUN FLAMEを組み合わせる

 SHOGUN FLAMEと組み合わせることで、映像制作において画質面と効率面で効果のあるカメラは、数多く存在する。その中から今回は、パナソニックのAG-DVX200と組み合わせてみることにする(写真7)

 というのもAG-DVX200は、SHOGUN FLAMEといろいろなモードや方法で組み合わせることができ、どの組み合わせ方であってもカメラ側でSHOGUN側のRECをコントロールすることができるからだ。

 しかしその反面、AG-DVX200の撮影方法によって設定が異なるため、少々難解なところもある。そこで今回は、撮影の目的ごとにAG-DVX200とSHOGUN FLAMEの設定方法を見てみることにしたい。

 なお今回説明する内容については、SHOGUN FLAMEだけでなく初代SHOGUNにおいても共通な内容である。そのためここから先は、SHOGUNという呼称にさせていただく。

■接続方法と画像サイズ
 まずはAG-DVX200とSHOGUNの接続方法である。これはHDMI(写真8)とSDI(写真9)の2とおりが可能で、業務用途で考えるとSDIでの接続が便利なわけであるが、残念ながらAG-DVX200のSDI出力は3Gまでとなっている。つまり6Gには対応されていないことから、1080/59.94pは出力可能だが、4K出力には非対応ということになるのだ。

 記録したい画像サイズがフルHDならばSDIで接続し、4K(UHD)のときはHDMIで接続すると思っていただくといいだろう。

 注意するのは、AG-DVX200がHDMIとSDIの両方を同時に出力できないことだろう。メニューの中の「出力設定」より、出力したい端子を選択する必要があるのだ(写真10)

 ちなみに4K(8ビット)モード時においても、出力先にSDIを選択することはできる。しかしそのときは、カメラ内部のSDXCカードに4Kサイズで記録し、SDIからはフルHDの映像が出力されることとなる。つまりSDI端子は、HDの外部モニターを接続する目的で使っていただければと思う。

 また4K(10ビット)モードの場合は、後ほど記すがSDメモリーカードには記録できず、さらにSDIから4K映像も出力されない。つまり選択しないようにご注意いただきたい。

■ビット数と記録方法
 記録したい画像サイズによって、AG-DVX200とSHOGUNの接続方法が決まれば、つぎはビット数と記録方法を決めることになる。

 AG-DVX200は、このクラスのカメラとしては珍しく、8ビットと10ビットという2つのビット数をもつカメラである。このわずか2ビットの差が、実際には256階調と1024階調という、実に4倍もの差があることから、10ビットは夕景などのグラデーションを表現したい撮影において、効果が絶大なモードとなる。

 しかし、AG-DVX200のシステム上の理由から、SDメモリーカード(写真11)で内部記録できるのは8ビットのみとなっている。
 つまり、8ビットでSDメモリーカードとSHOGUNの両方にダブル記録するのか、10ビットでより高画質にSHOGUNのみで記録するのかを決めることになる。

・8ビットで撮影(AG-DVX200内部のSDメモリーカードとSHOGUNに同時記録)
 8ビットで撮影するときは、AG-DVX200のメニューから、「システムモード」の中にある「出力ビット数」の項目で、「4:2:2(8bit)」を選択(写真12)、合わせて「記録フォーマット」の項目でSDメモリーカードに記録する映像のフォーマットを選択する。

 つぎにメニューの「出力設定」の中から、「SDIリモート」を「入」に、そして「リモート記録連動」も「入」にする(写真13)。さらにHDMIでSHOGUNと接続している場合には「HDMI TC出力」も「入」に設定する(写真14)
 そしてSHOGUN側の「TRIGGER」設定から、HDMI接続時は「HDMI」(写真15)を、SDI接続時は「Pana Type 3」(写真16)を選択していただきたい。

 これで、AG-DVX200のRECボタン1つで(写真17)、AG-DVX200内部のSDメモリーカードとSHOGUNの両方に、同時に記録することが可能となる。

 なお、AG-DVX200が8ビットで起動していることから、外部出力されている映像信号も8ビットである。そのためSHOGUNに記録されているファイルは10ビットであっても、その中の情報量は8ビットとなるのでご注意いただきたい。

・10ビットで撮影(記録はSHOGUNのみ)
 10ビットで、より高画質に撮影するときは、まずAG-DVX200のメニューから、「システムモード」の中にある「出力ビット数」の項目で、「4:2:2(10bit)」を選択(写真18)

 つぎに「出力設定」の中にある「SDIリモート」は「入」だが、「リモート記録連動」は「切」にする(写真19)。さらにHDMIでSHOGUNと接続している場合には、先ほどと同様に「HDMI TC出力」を「入」に設定する。

 そしてメニューの「ユーザースイッチ」を開き、「USER1」から「USER12」のいずれかに、「AUTO REC」を割り当てる(写真20)
 SHOGUN側は8ビットのときと同じく「TRIGGER」設定で、HDMI接続時は「HDMI」を、SDI接続時は「Pana Type3」を選択していただきたい。

 これで、先ほど「AUTO REC」を割り当てたユーザーボタンを押すことで(写真21)、SHOGUNのRECコントロールが可能となるのだ。
 なおAG-DVX200のRECボタンは、あくまでも内部記録用のボタンであるため、10ビットのときはボタンを押してもRECトリガー信号が出力されない。そのため使うことができないのでご注意いただきたい。

■SHOGUNで非対応なAG-DVX200のモード
 AG-DVX200が搭載しているいくつかのモードの中には、SHOGUNが対応していないモードも存在する。

 まずはUHD 59.94pである。SHOGUNでは、4KはUHD 29.97pまでの対応であることから、AG-DVX200でUHD 59.94pを選択すると(写真22)、HDMIから出力されている信号をSHOGUNは受けることができない。

 そのとき、AG-DVX200のメニューから、「出力設定」の中の「HDMI UHD出力制限」を「29.97p」に設定すると(写真23)、出力される信号がUHD 29.97pとなるため、SHOGUNで受けることができるようになる。しかし、AG-DVX200のSDXCメモリーカードにRECを開始すると、HDMIの出力信号が1080/59.94pに変わってしまうのだ。


 そしてもう1つ、AG-DVX200では4096×2160のDCI 4K(24pのみ)にも対応している(写真24)。しかしSHOGUNはUHDのみの対応であることから、AG-DVX200でこの4K 24pを選択したとしても、SHOGUNで記録されるものはUHD 24p(写真25)となってしまう。


 このように、AG-DVX200とSHOGUNの組み合わせでは、いろいろな記録方法が可能となり、画質面と効率面の両方でとても効果のある組み合わせであることがわかるだろう。

 また、SHOGUNで対応できていないAG-DVX200のモードについては、先日のNAB Showで発表されたSHOGUN INFERNOにおいて対応可能となるのか、期待したいところである。

■SHOGUN FLAME同梱物
・SHOGUN FLAME本体
・マスター キャディ2(SSDケース)×5
・5200mAhバッテリー×2
・バッテリー チャージャー(高速充電対応)
・D-Tap-DCコネクターケーブル
・XLRコネクターケーブル
・USBドッキングステーション
・LANCスレーブ接続用ケーブル
・HPRC製カスタムキャリーケース(黄)
・サンフード
・クイッスタートガイド(簡易マニュアル)

価格:¥23万8000(税込)/ ¥22万371(税別)
発売:2016年3月

問い合わせ先:銀一 海外商品部 distribution@ginichi.com
       ATOMOS atomosjapan@atomos.com
URLhttp://www.atomos.co.jp/(メーカー製品情報)
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