Zunow 4KワイドコンバージョンレンズWFK-95〜ラージセンサー4Kハンドヘルドカメラに最適


 Zunowより、0.8倍ワイドコンバージョンレンズ「WFK-95」が2月12日に発売されている。AG-DVX200向けとして開発された同製品は、Inter BEE 2015のパナソニックブースに参考出品されていたものの完成版である(写真1、2)

 AG-DVX200に最適な0.8倍コンバージョンレンズ

 パナソニックの4KカムコーダAG-DVX200は、ラージセンサーでハンドヘルドという大変野心的な構成であるが、現時点で2つの泣きどころを残している。1つは4Kモード時の画角の狭さであり、もう1つは1mという最接近撮影距離である。

 AG-DVX200の広角端の画角は、FHD(フルHD)のときは35mm換算で28mmと魅力的なのだが、4K60pになると37.5mmまで狭くなるので、アクティブな撮影では現代カムコーダーの標準的な30mm程度の引きは欲しくなる。
 ここでハンドヘルドカメラではコンバージョンレンズの出番と成るのだが、4Kとラージセンサーという光学的な壁をクリアーする製品は既製品にはなく、パナソニックも純正品の製造を断念していた。

 また、AG-DVX200ではワイド側では結構寄れるのだが、テレ側ではここ一番寄りたいときに寄れずストレスを感じてしまう。筆者がENGを使い出したころ、当時の標準ズームの最接近撮影距離も1mであった。これはテレビ番組ではまったく足りず苦労した。それからENGズームの最接近撮影距離は0.8mになり、最近では0.6m程度になったので、特に意識せず使えるようになった。やはり、もう少し寄りも欲しいところだ。

 WFK-95は、これら画角と最接近撮影距離の問題点を解決できるワイドコンバージョンレンズとなっている。また本機は、Zunowの前身、帝国光学工業がZunowブランドを使い始めて80年を記念した200本限定生産品で、デラックスタイプのラバーフードとレンズポーチが付属する(写真3)

 4K&ラージセンサー対応ながら小型軽量

 WFK-95の質量は500gであるが小型なのでずっしりガラスが詰まっている印象だ。全長が35mm程で驚くほどの薄さである(写真4、5)。本機を使用するときは、標準のバッテリーでなくラージバッテリーのほうが重量バランスはいいと思う。

 ラージセンサーでは1/3インチ光学系と比べて大きな外径まで光線が通るのでゴーストが発生しやすいのだが、WFK-95には新開発の低ゴーストマルチコーティングが採用されているため、逆光などで発生するハレーションはほとんどなくなっている。
 主な仕様は下記のとおり。

■WFK-95の主な仕様
倍率:0.8倍
撮影距離:約0.65m〜∞

マウント:72mm、P0.75 

口径:95mmφ

質量:約500g(WFK-95本体)

フィルター:127mm、P0.75(付属フードに取り付け)

 WFK-95を装着すると、仕様では最接近撮影距離が約0.65mになるとあるが、本機の装着分全長が長くなっているので、筆者の感覚としては0.7mくらいの感じである。

 常時装着で使用できる性能

 写真7はAG-DVX200のFHDで撮影した広角端28mm相当の画面である。4Kでもこのくらい広ければ申し分ないのだが、4K/60pではWFK-95を装着しても写真8(30mm相当)が精一杯である。写真9は4K/24pでの広角端で24mm相当になり、かなり余裕をもって撮影できるだろう。

 FHDでWFK-95を装着すると写真10のようにグンと広くなるが、このときにO.I.S.(手ぶれ補正)を使用すると、広角端でケラレる場合があるので注意が必要である。

■AG-DVX200へ取り付け時の焦点距離(35mm換算)
・UHD(Ultra HD)/60p:30〜390mm

・UHD(Ultra HD)/30p:25〜325mm

・4K/24p:24〜312mm

・FHD(フルHD):23〜299mm(OIS使用時にワイド端でケラレを生じることがあり)

 WFK-95を装着しても中心で4Kの解像度があることは当然であるが、周辺域でも色ずれがなく良好に結像している。写真11(WFK-95なし)、写真12(WFK-95装着)はグリッドフレームでディストーションを比較したものである。破綻が感じられないので、しばらくすると装着しているのを忘れている。常時装着で使用できる性能である。

 常時装着するとなれば、望遠端の性能も重要だ。写真13はWFK-95なしの望遠端、写真14はWFK-95を装着した望遠端の画像である。
 従来のワイコンは広角側は良くても望遠側で明らかに性能が劣化するものが多かったが、WFK-95は充分な解像度がある。

 このWFK-95は、AG-DVX200のほか、フィルター径が72mmのパナソニックカメラAJ-PX270、AG-AC160A/AC130Aなどにも使用できる。さらにソニー4KカムコーダーPXW-Z100にも良好に使用できた。総じて、従来のワイコンのイメージを覆すZunow 80年に相応しい優れた製品といえよう。

価格:¥9万5000(税別)
発売:2016年2月12日
問い合わせ先:フォノン TEL 03-3844-6403
URLhttp://www.phonon.co.jp


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