パナソニックLUMIX GH4~4K動画撮影に対応したミラーレス一眼


 パナソニックがようやく動いた。ここ数年来の4Kカメラ市場で鳴りを潜めてきた日本のガリバーが、ついに4Kカメラを発売した。同社デジタル一眼カメラLUMIX GHシリーズの最上位機種となるLUMIX GH4(DMC-GH4)である。とにかく、小型・軽量のミラーレス一眼で「4K解像度の動画を内部収録してしまおう」というやる気に満ちたカメラだ。

 そしてこのGH4にはオプションとして業務用のインターフェースユニットAG-YAGHGが用意されており、SDI×4による4K出力やXLR音声入力にも対応可能である。このインターフェースユニットは単体売りもされているが、同梱モデルがAG-GH4Uという型番で、業務用デジタルカメラとして販売されている。

 今回は、このAG-GH4Uを発売前の段階で試用することができたので、動画機能に絞って感想をまとめたいと思う(写真1)

ミラーレス一眼による4K動画記録

 まず、GH4の動画撮影について整理してみたい。

 GH4では4Kのほか、フルHD撮影も可能である。動画記録方式はMOVまたはMP4、フルHDの場合はAVCHD ProgressiveやAVCHDを選択することもできる。音声記録方式は、MOVがリニアPCM、MP4はリニアPCMまたはAAC、そしてAVCHD ProgressiveとAVCHDがDolby Digitalとなる。

 4K撮影時の画質設定は、4096×2160/24pのシネマ4Kと、3840×2160/23.98p, 24p, 25p, 29.97pのUltra HDから選択可能だ。圧縮は共にH.264のIPB方式、ビットレートは100Mbpsである。

 また、MOV/MP4(リニアPCM)でのフルHD撮影時(1920×1080/23.98p, 24p, 25p, 29.97p, 50p, 59.94p)では、圧縮方式とビットレートを選択できる。All-Intraの200Mbps とIPBの100Mbpsもしくは50Mbpsだ。4Kはもちろん凄いことなのだが、フルHD解像度でのALL-Intraの200Mbpsにも注目である(写真2)

 撮影機能の面でも、2〜96fpsまでの可変フレームレート撮影(記録方式や画質設定により制限あり)やシネライクガンマの搭載(写真3)。HDMIの映像出力は本体記録中でも可能で、しかも8ビット4:2:2と10ビット4:2:2で選択することができる(カメラ本体でのSDメモリーカード記録は8ビット4:2:0)。

 ただし、10ビット4:2:2出力時にはカメラでのSDメモリーカード記録は不可能となるので注意が必要だ。4K撮影時にHDMI出力を1080pへ切り替えることもできる。

 そのほかにもゼブラパターンやフォーカスピーキング、マスターペデスタル調整、カラーバー表示(SMPTE/EBU/ARIB)、タイムコード対応、シンクロスキャン撮影、タイムラプス/ストップモーション撮影など、ほぼ動画カメラと呼んで差し支えない内容が盛り込まれている。

 そして、オプションのインターフェースユニットAG-YAGHGとの組み合わせで、さらにその機能は拡張される。カメラ本体からのHDMI出力を受け、Quad Link 4K(SDI×4)による外部出力が可能となるのだ。また、XLR音声入力(LINE/MIC/+48V切り替え、2ch)、音声マニュアルボリューム、レベルメーターを搭載し、外部タイムコード入力(BNC×1)やDC12V電源入力にも対応できるようになる(写真4〜7)

本体記録の各モードをチェック

 実機(GH4本体のみ)を初めて手にしたときの感想ー。軽い。決して冗談ではない。実は、筆者はこれまでGHシリーズで撮影したことがなかった。普段手にすることの多いEOS 5D MarkⅡと比べて、なんと軽いことか。さっそくぶらりと桜が満開の目黒川を散策、撮影した。レンズはトキナーの11-16mm T3 CINEMA LENSを使用。

 撮影は本体記録でフレームレートをすべて24pとし、解像度は4096×2160、3840×2160、ALL-Intraの1920×1080。この3モードで順番に撮り重ねていった。なお、MOVとMP4で画質に違いはないとの情報をメーカーからいただいていたので、記録フォーマットはMOVで固定した。またガンマについては、CineLike Dで固定している。

 撮影モードの設定など、頻繁に使うと思われるメニューはデフォルトでFn2ボタンにアサインされている。3.0型有機ELモニターの視認性は小さいながらも充分(写真8)。特に拡大フォーカスが非常に見やすく、頼りになる。露出はヒストグラムでチェック。カメラにNDフィルターは搭載されていないのでシャッタースピード100、絞りはT8〜11の間をいったりきたりとなった。

 GH4はアスペクト比4:3の4/3型LiveMOSセンサーを搭載しており、有効画素数は1605万画素(4608×3486)である。しかし、4K動画を撮影する際には、ピクセル等倍で記録されるのでクロップが生じる。センサー幅をフルで使うHDよりも、シネマ4KやUltra HDのほうが画角が狭くなるので、最初は少々戸惑うかもしれない(写真9〜11)

 素材を持ち帰り、PCにインジェスト。4Kでもビットレート100Mbps、フルHDのALL-Intraでも200Mbpsなので、ファイルサイズはかさばらない。Adobe Premiere Pro CCで読み込むと、驚いたことに、4Kの素材がフル解像度の状態で普通に再生できる(図1)。その軽快さに感動し、映像をじっくりチェックした。

 GH4とともに借用したパナソニックの31型4KモニターBT-4LH310でフォーカスを確認。ピンがはずれていないか半信半疑だったのだが、問題なかった。
 映像の質感としては、少々「固いかな」といった印象を受けるが、それもLOG素材と比較しての印象。非常にコントラストの強い風景を撮影したのだが、明部と暗部の情報が想像していたよりも残っていた。カラーグレーディングした映像のBefore&Afterを参照いただきたい(写真12、13)

抜群の機動性で軽快な4K動画撮影

 GH4の売りは、なんといっても小さな筐体だ。その機動力と操作性をより具体的に確認すべく、弊社マリモレコーズのメインカメラマンにも使ってもらった。

 ゴリラポッドとの組み合わせで外国人モデルと都内各所を移動しながら撮影。レンズはトキナーの11-16mm T3 CINEMA LENSとSLR Magicの35mm T1.4 CINE lenzの2本。今回の一連の撮影ではパナソニックの純正レンズが手元になかったため、オートフォーカスの性能を確認することはできなかった。

 スタッフ3人とモデル1人、計4人で電車移動しながらの撮影は実に軽快(写真14、15)。カメラマン以外はほぼ手ぶらというお手軽さだ。ちなみに、バッテリーの持続力は素晴らしい。およそ40分の素材を撮影したにもかかわらず、残量メモリーでは1/3しか減らなかった。これは大変心強い。

 撮影後のカメラマンの感想は「フォーカスがとても合わせやすい。持っていてまったく疲れない」とのこと。普段、RED EPICやソニーNEX-FS700などで撮影することの多いカメラマンの感想だけに実に納得。

 筆者はオーバー4Kの最大の課題はフォーカシングだと感じてきた。解像度が増せば増すほどフォーカスはシビアになり、さらには昨今流行の35mmフルサイズやスーパー35mmといった大判センサーともなれば、ますます被写界深度は浅くなっていく。GH4の4/3というセンサーサイズは、映像がぼけすぎずフォーカスをそこそこ合わせやすいという面で、4K動画では塩梅が良いのではと感じる。

価格:オープン(AG-GH4U;市場推定価格¥30万前後) 
発売:2014年4月24日 
問い合わせ先:パナソニック システムお客様ご相談センター℡0120-878-410 
URLhttp://panasonic.biz/sav/gh4u/

後日発売予定の電子書籍版「月刊ビデオα」では、インターフェースユニットAG-YAGHGを組み合わせた10ビット4:2:2出力と本体記録の比較など、GH4のさらに詳しい内容を、テストレポートとして掲載予定です。


About 神保 貴行

株式会社 マリモレコーズ 所属

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