パナソニック、放送用ハンドヘルドHDカメラAJ-PX270を発売


 パナソニックは、HD映像のネットワーク転送に対応したP2HDハンドヘルド カメラレコーダーAJ-PX270を発売する。同製品は、マスターグレードからネットワーク転送用の低ビットレートまでサポートするAVC-ULTRAと、microP2カードに対応。デザインも一新され、放送用ショルダーマウント型カメラの操作性を継承するなど、優れた操作性を実現したハンドヘルドHDカメラとなっている。

■AVC-ULTRAとmicroP2カードに対応
 AJ-PX270は、新開発220万画素1/3型MOSイメージセンサー×3による、1080/59.94p、1080/50pのプログレッシブ フルフレームレート撮影(4:2:2/10bビット)に対応し、標準装備の3G-SDI/HDMI端子から出力することが可能となっている(HDMIの出力は4:2:2/8ビット)。

 記録コーデックは、AVC-Intraに加え、低レートでフルHD(1920×1080、4:2:2/10ビット)記録可能なAVC-LongG 50/25を初めて搭載。またAVC-LongG12(4:2:0/8ビット)による長時間記録も可能なほか、AVC-LongG6(4:2:0/8ビット)によるフルHDプロキシー(MOV形式)とのデュアルコーデック記録を行うことで、ニュース速報などにHD映像を低レートでファイル転送することが可能となっている。

 加えてマスターグレードの高画質を実現するAVC-Intra200にも、近日発売予定の別売オプションにより対応する。

 従来のP2カードスロット1基に加え、ハンドヘルド型で初めてmicroP2ピーツーカードスロット2基が搭載されている。これにより、2基のカードスロットによる、リレー記録や同じファイルを同時記録するサイマル記録にも対応するほか、片方のカードをRECトリガーと連動させずに連続記録させバックアップ用途に使用できる記録機能にも近日対応予定とのこと(無償ファームウェアアップデート)。

■ネットワーク機能の搭載により、ニュース取材など速報性が求められる現場で威力を発揮
 AJ-PX270は、LAN端子を標準装備しており、前述のデュアルコーデック記録機能と組み合わせることで、さまざまな用途に使用できるネットワーク機能を搭載している。ワイヤレスLAN接続も、別売オプションのワイヤレスモジュールAJ-WM30でサポートしており、既存のモバイルルーターやテザリング機能付き携帯電話を介して、記録済みのHD映像(高ビットレートのメイン記録ファイル)や、同時に記録される低ビットレートのプロキシー映像(HD/SD)をファイル転送することが可能すである(FTPクライアント機能)。

 WWWブラウザーからアクセスできるHTTPサーバー機能も搭載しており、ネットワークに接続したPC/Mac、タブレット端末、スマートフォンから、プロキシー(AVC-Proxyファイル)の再生、プロキシーファイル クリップ情報のダウンロード、メタデータの表示・編集、メタデータ(ショットマーク/テキストメモ)の編集が可能となっている。また、カメラステータス、サムネール画像の確認、カメラのリモートコントロール(記録制御とタイムコード・ユーザーズビットのセット操作)も行える。

 ワイヤレスLANに加えて、通信キャリア各社から提供されている4G/3Gデータ通信モジュール(USBタイプ)にも対応する予定となっており、。上記のネットワーク機能が携帯回線を介しても可能となる。 さらに、2014年秋には、ファームウェアアップデートによりHDビデオストリーム伝送にも対応する予定とのこと。本機能によりメモリーカードに記録しながらライブストリーム伝送が可能になる。

■高解像度OLEDビューファインダーおよびQHD液晶モニター搭載を初め、使いやすさにこだわり、優れた操作性を実現
 AJ-PX270は、ショルダーマウント型カメラレコーダーの操作性を、ハンドヘルド型のボディサイズでどこまで実現できるかにこだわって設計されている。

 ニュース取材用に必要な光学22倍ズームレンズは、放送用レンズ同様にフォーカス、ズーム、アイリスの各リングが独立して装備。粘りとリブ形状にもこだわり、交換レンズに近い感覚のマニュアル操作が可能となっている。とくに微妙な操作を要求されるフォーカスリングには指の触れる方向と往復動作に配慮したウェーブ・ローレット形状を採用。

 ビューファインダーには業務用ハンドヘルド型で初めて、映像遅延も少なく色再現にすぐれた高解像度OLEDディスプレイ(約236万ドット、映像表示エリア約177万ドット)を採用。また、LCDモニターには、QHD IPS液晶パネルを搭載している。

 ハンドヘルド型として初めて、ショルダータイプと同じレンズ直下のフロントRECボタンが設けられ、とくに三脚使用時、レンズ操作からスムーズな操作で収録開始が可能となっている。同様に、フロントにオーディオ入力レベルボリュームを配置(ON/OFF・ch割り付け可能)や、3つのトグルスイッチ(DISP/MODE CHECK、GAIN、WHITE BAL)もハンドヘルド型として初の採用となり、ショルダータイプ同様の位置とデザインを採用するなど、収録中のブラインドタッチ操作に配慮がなされている。

  • 電源:DC 7.2V(バッテリー使用時)、DC 12V(ACアダプター使用時)
  • 消費電力:19.5 W(液晶モニター使用時)
  • 動作周囲温度:0〜40℃ 
  • 動作周囲湿度:10〜80%(結露なし) 
  • 質量:約2.2kg(本体のみ、フード、バッテリーおよび付属品を除く)、約2.6kg(フード、同梱バッテリー、マイクホルダー含む) 
  • 外形寸法:幅176mm×高さ171×奥行329mm(突起部を除く) 
  • 価格:¥68万(税別)
  • 発売:2014年3月
  • 問い合わせ先:パナソニック AVCネットワークス社イメージングネットワーク事業部 TEL 06-6901-1466
  • URLhttp://panasonic.biz/sav/p2/index_j.html

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