Blackmagic Design、DaVinci Resolve 11パブリックベータ版公開


 Blackmagic Designは、2014年6月25日、DaVinci Resolve 11のパブリックベータ版をリリースしたことを発表した。同バージョンは、100以上の新しい編集/カラーグレーディング機能が追加されたメジャーアップデートとなっている。

 今回のアップデートでは、オンライン編集機能の大幅な向上、コンテクスト・センシティブ(状況依存型)トリミング、オンセット・ファイルクローン、フォトグラファースタイルのカラーグレーディングツール、複数ユーザーが同じタイムライン上で同時に作業が行える新しいコラボレーティブ・ワークフローなどが含まれている。

 なかでも編集機能は、デュアルモニターをサポート、JKLダイナミック・トリミング、オーディオクロスフェード、カスタマイズ可能なキーボードショートカットなどにより、プロ仕様のツールを使用したスピーディな編集が可能となっている。マウスの位置に応じてエディターが求める編集をリップル、ロール、スリップ、スライド、延長、短縮から自動的に判断することも可能となっており、これによりスイッチの切り替えに時間をかける必要がくなり、複数トラックのクリップを同方向または逆方向に同時にトリミングすることができる。

DaVinci Resolve 11の編集画面

DaVinci Resolve 11の編集画面

 編集タイムラインには、スプラインカーブのキーフレーム編集機能が組み込まれている。キーフレームは各クリップの真下に配置され、クリップの流れに沿って確認することができる。なお、タイムライン上でOpenFXプラグインを直接追加して動かせるだけでなく、プラグインをトランジションに使用することも可能となっている。

 このほか、強化された編集機能のなかで特徴的なものの1つに、大幅に改良されたApple Final Cut Pro Xとのラウンドトリップ機能が挙げられる。これは、互いのアプリケーション機能がより互換性の高いものとなり、プロジェクトの行き来がより簡単になったために可能となったもので、この機能を活かすことにより、Final Cut Pro Xユーザーがインディーズで撮影し、編集した映画をハリウッドのポストプロダクション施設に持ち込んでカラーグレーディングやフィニッシングを行うことも可能となる。

 つぎに機能強化されたカラーコレクション機能を見ると、フォトグラファー経験のある撮影監督用にデザインされたまったく新しいRAWイメージおよびカラーグレーディングコントロールの搭載が大きな特徴といえる。新しいCamera RAWパレットは、ハイライト/シャドウリカバリー、ミッドトーンディテール、カラーブースト、サチュレーション、リフト、ゲイン、コントラストに対応している。DaVinci Resolve 11では、画像加工ソフトのもつフレーム制限がないため、フォトグラファーはRAWイメージを高度にコントロールでき、広いダイナミックレンジから最大限のディテールをリアルタイムで引き出すことが可能となっている。

DaVinci Resolve 11

DaVinci Resolve 11のカラーコレクション画面

 また、オリジナルのデジタルカメラファイルを安全にバックアップ・保存できる。新しいクローンツールは、メディアドライブ、メモリーカード、カメラパックを、複数の保存先に同時にコピーすることが可能となっている。コピーはすべてチェックサムベリファイされるので、ユーザーはソースメディアからビット単位で正確なデジタルコピーを得ることができる。なお、この新しいクローンツールは無償のDaV inci Resolve Liteにも搭載しており、ラップトップにインストールして撮影現場で使用することも可能である。

 このほか、DaVinci Resolve 11は、強力かつ独自の自動カラーチャート、カラーバランスツールが搭載されており、ビデオ、RAW、さらにはフィルムまで、あらゆる種類のフッテージに対応している。新しいカラーマッチ機能は、カラーチャートを撮影したショットを分析することでベースとなるグレーディングを作成することができ、仮に異なる照明条件でショットが撮影されていて、露出・色温度が異なっていても問題なく機能する。

 なお、DaVinci Resolveのユーザーは、DaVinci Resolve 11のパブリックベータ版を同社のウェブサイトから無償でダウンロードすることができる。


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