横浜関内・アダプターTry & Error・第1回〜EOSブリッジアダプター


 内蔵されたリレーレンズユニットは、指で摘み回転させることができます(写真8)。回転させることによって繰り出し量が変わり、バックフォーカスの調整ができるのです。無限遠を指標と丁度に合わせたり(写真9)、レンズにもよりますがズームレンズの引きボケを調整したりすることが可能です。ワイドに撮影できるのがフォーカルレデューサーの目的ですが、むしろこの副産物的な機能…バックフォーカスの調整が簡単にできることも大きな特徴といえます。

 なお、muk Focal Reducer MFT RJシリーズでのバックフォーカスを調整しているイメージをYouTubeに上げましたので、ご興味のある方はご覧ください。

B4レンズ用にレンズサーポートをプチ改造

 ミラーレス機やBlackmagic Cinema CameraにアダプターでB4 ENGレンズを装着する場合、レンズが重くマウントに負担がかかるため、必ずレンズサポートをリグで組み立てる必要があります。しかし、B4レンズはサーポートを受ける鏡胴部分も狭く、サーボユニットの取り付けが邪魔をしております(写真10)。

 エムユーケイカメラサービスでは、安価なレンズサーポート(muk Lens support)を削り、B4レンズに当てはまるように調整を行っています(写真11)。サーボユニットの取り付けネジが当たるので、その部分を削って逃がすことでB4レンズをまっすぐ支えられます(写真12)。元の部品が安価ですので加工もお気楽です(写真13)。

マウントアダプター導入例〜BMPCCにワイドレンズを!

 株式会社 万永(敬称略)のご依頼で、Blackmagic Pocket Cinema Camera にB4 ENGレンズを装着するため、フォーカルレデューサー内蔵アダプターFocal ReducerEOSB-MFT RJとB4-muk B4-BMCCEF RJを導入していただきました(写真14)。レンズは、5.5mmからのショートズーム、キヤノンHJ9×5.5Bです。2倍エクステンダーを掛けなくては像が足りませんが、フォーカルレデューサーでワイドを稼いでいます(写真15)。

 ワイド端を35mm換算で計算してみると、5.5×3×2×0.71=23.4、約24mm相当となります。計算の内訳は、
「レンズの焦点距離×1インチセンサーの換算値×2倍エクステンダ×フォーカルレデューサー=35mm換算値」
となります。

 マイクロフォーサーズより小さな1インチセンサーのBlackmagic Pocket CinemaCameraでも、かなり引きの画を得ています(写真16、17)。2倍エクステンダーのせいか周辺がわずかに甘くなるものの、仕事に十分使えるレベルの画質とのコメントをいただきました。

 なお、株式会社 万永には、本記事へ向けてのセットアップの写真公開をご了承いただいたこと。改めてお礼申し上げます。


小菅宗信

About 小菅宗信

マウントアダプターなど撮影機材の販売サイト「muk select」と、横浜関内にて実店舗の「エムユーケイカメラサービス」を営みつつ、日々ニッチな要望に応えるべく奮闘中。

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