赤坂テクニカルカフェ・第2回:Let’s introduce the UP SIDE


 ビデオαでアップサイドの記事を執筆させていただくことになってから久しくなるが、Webサイトに舞台を移してからは本稿が2回目の機会にあたる。まだまだ初めてお目にかかる読者の方々も多いことだろう。

 そこで、これは弊社について知っていただく良いチャンスだと考え、今回はアップサイドの紹介をさせていただきたいと思う。しばしお付き合い願いたい。

First of All

 アップサイドは、テレビドラマ、映画、CM、PVなどを手がける撮影技術プロダクションとして数名の有志が集い創設され、現在ではテレビドラマ、CM、PVのオフライン編集、カラーコレクション、オンライン編集、MA、パッケージングまでの一貫した仕上げを行い、映画のプリグレーデイングを行えるポストプロダクションも構えている。

 所在地としては、東京都港区の赤坂に本社事務所とポストプロダクション、元赤坂に機材室、大泉東映撮影所内に機材分室を置いている(写真1)。

 メンバーとしては、撮影監督、カメラマン、DIT、VE、撮影助手で構成された “撮影部” と、技師クラスが集まった “照明部”、そのほかスケジュール管理、営業、経理、業務の “デスクチーム”、そして“ポストプロダクション” ではオフラインエディター、オンラインエディター、カラリスト、編集助手、MAオペレーターが所属している。

Our Motto is Challenge!

 アップサイドの社訓は、ずばりチャレンジの一言。「さらなるチャレンジが新たなスタンダードを確立していく」という信念の下に、常に新しい技術や機材を探求しさらに研究していくことで、より良質で確かな撮影技術を身につけるよう日々勤しんでいる。

 その姿勢を語るにも、まずはアップッサイドの中核を担う撮影部について触れていこうと思う。

 筆者も所属する撮影部は、フリーの撮影部と同じ構成を軸としているので、カメラマン(またはDOP)、チーフアシスタント(またはDIT/VE)、セカンドアシスタント、サードアシスタントで1つのチームとなっている(写真2)

 撮影部のメンバーはそのポジションを問わず、カメラマンや撮影監督を目指していける育成方針なので、VEやDITだから専門職という概念はもたず、そのポジションをチーフアシスタントとして据えることで、露出管理、色管理、データ管理、ワークフローの確立などのスキルを習得していくように目指している。もちろんDITやVEの専門職を目指して、よりプロフェッショナルなスキルを身につけていくこともできる。

 このような撮影部の編成によって、VEベースを使用しカメラ本体をリモコンで調整するスタイル、DITベースでオンセットグレーディングを行うスタイル、露出計の計測でライティングバランスを整えていくフィルム撮影のようなスタイルと、さまざまなバリエーションを用意することを可能にし、作品に最適な撮影方法を確立していくことができるのである。

 また弊社では自社の保有する機材を買い足していくことは行っていない。なぜなら機材会社と年単位の契約を結び提携していくことで、作品に合わせた機材を用意することができるからである。作品ごとに撮影プランはあるもので、プランに合わせた機材構成を選択できるという自由度は、フリーの撮影部ならいざ知らず、撮影プロダクションが持ち合わせているのは特色であると思う。

 その稀有な環境は、機材屋が扱う最新の機材を扱える恵まれた環境を生み出し、撮影部の向上心、探究心を向上させる大きな要素となり、継続的なスキルアップに繋がっているのである。

UPSIDE POST PRODUCTION CENTER

 アップサイドのポストプロダクションは、5つのオフラインルーム、オンラインルーム、グレーディングルーム、試写室、2つのMAルームで構成されている。
 概略になるが仕上げの一例を通して部屋の説明をしていこう(図1)

アップサイド ワークフロー0925

 撮影素材は、まず社内の100Tバイトのサーバーにバックアップデータをアーカイブ(フロー①)、素材がLogやRAWの場合はDaVinci Resolveを使用してLUTを当てて現像、それらすべての素材を中間コーデックとしてDNx 220xまたはProRes 422 HQにトランスコードする(フロー②)

 ここで変換されるデータサイズはプロキシなどではなく、グレーディングや本編集でも扱えるサイズで作成されている。Media ComporserやFinal Cut Pro7、Premiere Pro CCを使用したオフライン編集は、HDの場合マスターデータをそのまま扱うことが可能なので、オフライン後の素材データの取り扱いをシンプルかつ効率的にしている(フロー③、写真3)

 オフライン作業を終えAAFなどの編集データを基に、Davinci Resolveでのグレーディング(写真4)、Avid DSでのオンライン編集を行い(写真5)、テープ吐き出しとMA用ProRes 422 LT書き出し(フロー④)、MA作業(写真6)を終えた作品を試写室(写真7)でプレビューするといったワークフローである。

 グレーディングルームの運用例を挙げると、ピクチャーロックのかかった作品のグレーディングを初め、現場の撮影部によるプリグレーデイング、クランクイン前に作品のトーンを決めるLookテスト、日々の撮影素材の現像およびトランスコードなどにも使用していて、また外部からグレーデイングルームを使いたいといった要望にも柔軟に応えている。

 社内にポストプロダクションがあるということは撮影部とポスプロがスムーズな連携をとることを可能にし、いち早くワークフローの打ち合わせやシュミレーションが行えたり、つぎつぎに登場する新たなコーデックの検証なども行えるといった多くの利点がある。これらのことはポストプロダクションと撮影部を互いに相乗して高め合うことにつながり、頼もしい信頼関係を築きあげている。

 以上、簡略な説明になってしまったが、筆者の思うアップサイドの魅力をまとめさせていただいた。弊社ホームページ(http://www.upside-web.jp)では、現在まで扱ってきた作品なども掲載しているので、ぜひご覧いただきたい。詳細は書けないが4K制作を見据えた10Gビットイーサネットなどのインフラ整備も構想しているので、今後のさらなる弊社の挑戦を見守っていただければ幸いだ。

 新しい環境に飛び込む事は勇気とエネルギーを使う。ただし、そこに向かっていく楽しさを知っている方は、一度弊社を訪ねていただけるとうれしい。そこには共に刺激しあい高めあえるような出会いが待っていると確信している。


About 深澤 雄壽

株式会社 アップサイド 撮影部 所属

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