池上、マルチプラットフォーム ルータ&制作スイッチャーMuPS seriesを発売


 

 池上通信機は、スタジオサブや中継車などの番組制作システムの中心となるルーターおよび制作スイッチャーなど、次世代のシステム機器として、共通モジュールで多種多様な機器が構成できるMulti Platform Switcher System .MuPS(マップス)seriesの販売を開始する。同社によると放送局を初め、プロダクション、CATV、公共施設、学校などへ積極的に販売を展開していくとのこと。

 近年、番組制作技術の高まりとともに、映像制作システムは大規模化・多機能化と簡単操作・高信頼性の両立が求められている。MuPS seriesでは、共通モジュールで大規模ルーターや多機能制作スイッチャー、各種信号変換機器を構成できるマルチプラットフォームという仕組みを採用。それぞれモジュールを共通化しているため、各種設定や機器の状態監視が集約でき、視認性・操作性にも優れている。

 さらにソフトウェアの割り付けにより、共通モジュールにさまざまな信号変換機能を付加することも可能。多くの入出力、M/E、キーヤーを装備し、高度な番組制作にも十分に対応可能となっている。また、クロスポイント回路や制御系統、電源の2重化など、冗長系の充実も図られている。

 入出力は、3G-SDI、HD-SDI、SD-SDI、DVB-ASIに対応しており、各信号は自動判別してリクロック処理を行う。全出力系統にAVDL機能を内蔵、送出系統として使用することができるほか、入出力部に、アップコンバーター/ダウンコンバーター/音声マルチプレックス/音声デマルチプレックス/フレームシンクロナイザ/ー映像合成/マルチビューワーの各種変換機能を付加することも可能となっている。

 制作スイッチャーでは、構成により、動画2時間の収録、静止画8000枚の保存が可能。複数のMuPS series棚板で構成されたシステムでも、MuPS seriesのすべてのモジュールに対し、装置内蔵のhttpによるWebアプリケーションを通して、一元的に設定を行える。また、入出力部への機能の割り付けは、GUIによる系統パッチ操作で行えるため、システム系統の変更や予備系統によるリカバリーなど、フレキシブルなシステムアップを実現。すべてのモジュールをSNMP(Simple Network Management Protocol)で管理、機器内の品質状態を遠隔監視することも行える。

 内蔵している基板、電源、空冷ファンは、すべてスロット構造のため、前面から挿抜可能で、交換時に背面のケーブルを外す必要がない。また、交換時は電源を落とさず挿き抜しが可能となっている。このほか、10U、6U棚板のルーターは、クロスポイント、制御/同期において、冗長系を構成することができ、ルーターリモコンは各種バリエーションが用意されているため、用途に応じて組み合せて使用することが可能。

 制作スイッチャーでは、最大6M/Eで、各M/Eに8キーヤーを搭載するなど、これまでにない大規模な映像制作系統を備えおり、制御連動をかけることにより、多系統の同時送出が必要なシステムにも十分に対応可能となっている。また、操作卓は最大4台接続可能。6M/Eを複数の操作系に割り振ることができるため、特番などの複雑な映像制作現場でも、最大4名のオペレーターによる充実した番組制作が可能となっている。また、4M/Eを連動することにより、4Kにも対応する。

  • 予定価格:MuPS-4000大型ルーター;¥1439万(本体のみ)(10U、144入力 144出力/AVDL機能付き)、MuPS-4000大型制作スイッチャー;¥3574万(10U、144入力 54出力、4M/E(最大6M/Eまで拡張可能)、4DFE、8DSK、静止画メモリー、大型4M/E操作卓)
  • 納入開始時期:2014年4月
  • 問い合わせ先:池上通信機・営業本部 放送システム営業統括部 TEL 03-5748-2201
  • URLhttp://www.ikegami.co.jp/products/broadcast/index.html

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