パナソニックが、AJ-PX270の最新ファームウェアを無償提供開始


 パナソニックは、1月19日、放送業務用ハンドヘルド型カメラレーダーAJ-PX270に、AVC-Intra200コーデックとフルHD映像ストリーミング機能などを追加したファームウェアの無償ダウンロードサービスを開始した。

 AJ-PX270は、ショルダータイプに迫る高性能・操作性・運用性を小型軽量サイズに凝縮した、放送業務用ハンドヘルド型カメラレコーダー。AVC-Intra/AVC-LongG/AVC-Proxyのマルチコーデック記録に対応し、番組制作からネット転送を用いたスピーディーなニュース取材まで幅広い用途に応える。

AJ-PX270

 今回のファームウェアバージョンアップによって、対応コーデックにAVC-Intra200が追加されたほか、ネットワーク機能が大幅に強化され、iPad用リモートコントロールアプリも使用可能となった。

 これらの機能追加の多くは、AJ-PX270が発表された当初から予告されていたもので、特にAVC-Intra200へは別売オプションでの対応とされていたが、無償対応となっている。

AVC-Intra200コーデックに対応

 AVC-Intra200は、量子化10ビット、サンプリングレート4:2:2、ビットレート約200Mbps (1080/59.94i時)で、AVC-Intra100のビットレートを倍にし、非圧縮映像に迫る放送マスター用高画質を約1/5のデータサイズで実現したHDコーデック。高品位な素材のハンドリングや運用コストを大幅に圧縮して低予算でハイエンドの制作を行うことができる。

 今回のファームウェアアップデートでは、AVC-Intra200の撮影モードとして、
・1080/60i
・1080/50i
・1080/30pN(1080/29.97p over 59.54p)
・1080/24pN(1080/23.98p over 59.54p)
・1080/23.98PsF
・1080/25pN(1080/25p over 50p)
・720/60p
・720/50p
が加えられただけでなく、AVC-LongG50、AVC-LongG25、AVC-LongG12のそれぞれに、
・1080/30pN(1080/29.97p over 59.54p)
・1080/24pN(1080/23.98p over 59.54p)
・1080/23.98PsF
・1080/25pN(1080/25p over 50p)
の各撮影モードも追加されている。

ネットワーク機能の強化

 大幅に強化されたネットワーク機能では、ストリーミング機能により、記録中(プロキシ記録は不可)でもフルHD映像のストリーム出力が、有線LANや無線LAN、そして4G/LTE回線により可能(無線LAN接続にはワイヤレスモジュールAJ-WM30、4G/LTE回線の使用には通信キャリアが提供する4G通信データカード(USB接続タイプ)が必要)。

 たとえばニュース取材で収録中でも、速報としてストリーミング映像を本局にライブ配信することができる。画質が一定の固定モードと、ネットワーク環境に応じて圧縮率などを調整してビットレートを最適化するQoS(Quality of Service)モードを選択することも可能。

 また、「レック・デュアリング・アップロード」機能により、撮影済みクリップ(高画質映像音声データ、Proxyデータ)のFTPサーバーへの自動転送にも対応する。RECスタート・ストップボタンにより、記録終了後直ちに自動転送が開始され、つぎの撮影を開始しても前のファイルデータの転送動作は継続される。従来バージョンでは収録後手動転送が必用であったが、これによりカメラマンは撮影に集中することが可能だ。

 従来のようにメディアの配送を待つことなく編集作業に入ることができるので、緊急性の高いニュース素材の伝送や、海外での取材時に威力を発揮するだろう。

P2 ROPアプリによるワイヤレスカメラコントロール

 iPad用リモートコントロールアプリ「P2 ROPアプリ」により、iPadでカメラの画質設定、ズーム、フォーカス、録画開始・停止などのワイヤレスリモートが可能(無線LAN接続にはワイヤレスモジュールAJ-WM30が必要)。

P2 ROP

P2 ROPアプリにより、大きな数値と上下のタッチキーなど、見やすくわかりやすい表示で、設定や調整操作を手元で行える

 同アプリは、放送カメラ用ROP(リモートオペレーションパネル)やエクステンションコントロールユニット(AG-EC4G)同等の機能を備え、画質設定、ズーム/フォーカス、RECスタート/ストップなど、多彩なコントロール機能を装備。見やすくわかりやすい表示で設定・調整操作をワイヤレス接続により手元で容易に行える。

P2 ROP

P2 ROPアプリでは、収録済みのクリップのサムネール表示とプレビューができ、結果を確認しながら画づくりできる。メタデータの表示・編集も可能


 加えて、プロキシーブラウザーをアプリに内蔵。収録済みのクリップのサムネール表示とプレビューができ、結果を確認しながら画づくりできる。メタデータの表示・編集も可能。また、 AJ-PX270のほか、AJ-PX5000にも使用できる。

「P2 ROP アプリ」(iPad版)は、2015年1月末以降、Apple App Storeより無償で提供される予定となっている。

ファームウェアダウンロードWebサイトパナソニック プロフェッショナルAVサポートWEB
AJ-PX270詳細情報URLhttp://panasonic.biz/sav/p2/aj-px270/


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