キヤノンが、EOS C100 Mark IIなど、CINEMA EOS SYSYTEMの新製品を発表


 キヤノンは10月22日、CINEMA EOS SYSYTEMの新ラインナップとして、EOS C100の後継機となる「EOS C100 Mark II」を初め、好評のDUAL Pixel CMOS AFを標準搭載した「EOS C300 (AF)」、さらに超望遠&高倍率のCINE-SERVO LENSである「CN20×50 IAS H」を発表した。

 EOS C100 Mark IIは本体のみのほか、EF24-105mm F4 L IS USMが付属したレンズキットも販売。また、CN20×50 IAS HについてはEFマウントの「CN20×50 IAS H/E1」とPLマウントの「CN20×50 IAS H/P1」が用意されている。

 EOS C100 Mark IIとEOS C300 (AF) の大きな特長は、これまで有償でのサービス対応(¥5万5000/税別)となっていたDUAL Pixel CMOS AFを標準搭載したことだ。特にEOS C300 (AF) については、それ以外の変更点はなく、今後EOS C300のEFモデルはEOS C300 (AF) に切り替わっていく形となる。

 この有償サービスは、EOS C100は今年2月から、EOS C300は今年5月から始まっているが、現状で約半数のユーザーが利用しており、DUAL Pixel CMOS AFは使える便利な機能として評価されている。

 新ラインナップのカメラはすべてオープン価格となっているが、予想実勢価格は、EOS C100 Mark II(本体のみ)が¥55万(税別、2014年12月下旬発売予定)、EOS C100 Mark IIレンズキットが¥62万(税別、2015年2月上旬発売予定)、そしてEOS C300 (AF) は¥125万(税別、2014年10月22日発売)。

 またCN20×50 IAS Hは、EFマウントモデルとPLマウントモデル共に¥810万(税別、2015年4月下旬発売予定)となっている。

 これら新製品は、11月19〜21日まで幕張メッセで開催されるInterBEE 2014に出展される。キヤノンは、このInterBEEにおいて、展示会場でのブース出展だけでなく、国際会議場にセミナールームを設置し、CINEMA EOS SYSYTEMの事例セミナーや4Kワークフロー検証セミナーなどを開催する予定となっている。

EOS C100 Mark II〜映像表現と機動力を強化したEOS C100の正統進化モデル

 CINEMA EOS SYSYTEMのエントリー機として位置づけられるEOS C100は、イベントやウェディング撮影、ローバジェットの映画/映像制作など、業務用途を中心に多く使用されている。

 その正統進化モデルとして開発されたEOS C100 Mark IIは、よりワンマンオペレーションが容易となる操作性の向上や機動力の強化に加え、新映像処理プラットフォームの搭載により基本画質の向上も図られており、ニュース取材やドキュメンタリー撮影、企業VP制作などの利用にも期待できる仕様となっている。

 大きな強化ポイントは下記の3点。 

・AF機能の充実
・「DIGIC DV 4」の搭載による画質/機能の向上と60p対応
・ワンマンオペレーションを容易にする操作性の向上

■AF機能の充実

 ワンマンオペレーションをより現実的なものにするAF機能として、EOS C100 Mark IIでは、DUAL Pixel CMOS AFが標準搭載され、また新たに顔検出AFが追加された。

 DUAL Pixel CMOS AFは、高速読み出しのために1画素を2つのフォトダイオードで構成しているEOS C100 Mark IIのCMOSセンサーの特長を活かして、1画素から2つの画像信号を検出し、位相差AFを行って、すべてのEFレンズでコントラストAFによる高速なピント合わせを実現する機能。

 画面中央でのAFにはなってしまうが、AFロック機能を活用することにより、置きピン撮影やフレーミングの変更も可能だ(AFロック機能はアサインボタンに割り当て可能)。

 顔検出AFは、対応のSTM(Stepping Motor)レンズとの組み合わせで実現し、人物を画面中央に置かない構図でもAF撮影が可能となる。

 EOS C100 Mark IIの発売時に対応しているレンズは下記の4本となるが、今後発売のSTMレンズも対応していく予定となっている。

・EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
・EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM

 顔検出AFには、顔優先AFと顔限定AFの2モードが用意されており、顔優先AFでは顔検出があるときは顔検出AF、顔検出がないときはDUAL Pixel CMOS AFにより画面中央にAFされる。また、顔限定AFでは顔検出がないときにAFが作動しないモードとなる。

■DIGIC DV 4の搭載による画質と機能の向上

 EOS C100 Mark IIでは、CINEMA EOS SYSTEMのカメラとして初めて、「DIGIC DV 4」を搭載。また、EOS C500の2K RGB出力で用いているディベイヤーアルゴリズムを新たに採用している。

 これらの高画質・信号処理システムの採用によって、偽色やモアレ、ジャギーの発生を抑え、ISO102400の撮影でも大幅にノイズを低減した撮影が可能となったほか、待望の59.94p/50.00p動画記録にも対応している。

 また、EOS C100 Mark IIではAVCHDに加え、MP4での記録も可能となり、AVCHDは最大28Mbps、MP4では最大35Mbpsのビットレートを選択できる。MP4選択時には、最大40%のスローモーション、250%のファーストモーションび撮影も可能となった。

■ワンマンオペレーションを容易にする操作性の向上

 大きな操作性の向上として挙げられるのは、バリアングル有機ELモニターと大型EVFの採用だ。

 バリアングル有機ELモニターは、3.5型123万画素相当のパネルを搭載し、ヒンジ位置を横開きに変更。最大270度の開閉が可能となった。

 大型EVFはティルト式を採用し、最大68度のティルトが可能(ハンドル装着時は最大45度)。EOS C300と同形状の大型アイカップも付属しており、取り付けることができる。

 パネルは0.45型123万ドット相当で視野角は28.2度で、EOS C100の0.24型パネル(156万ドット相当、視野角21.82度)と比較して、体感面積で70%アップを実現している。

 そのほか、HDMI出力にCanon Log LUTを当て、Rec.709やワイドDRガンマに変換した状態で外部モニタリングが可能となったこと、無線ネットワーク(WiFi)対応、本体内蔵モノラルマイクの搭載など、細かな部分もブラッシュアップされており、操作性全般が底上げされている。

CN20×50 IAS H〜クラス世界最長焦点距離と世界最高倍率を実現

 CN20×50 IAS Hは、ドライブユニットを装着した大判センサー搭載カメラ対応レンズ「CINE-SERVO」の第2弾。前述のとおり、EFマウントの「CN20×50 IAS H/E1」とPLマウントの「CN20×50 IAS H/P1」がラインナップされている。

 最大の特長は、焦点距離50-1000mm、ズーム倍率20倍のスペックを有し、クラス最長焦点距離と最高倍率を実現していることだ。1.5倍エクステンダーを内蔵し、焦点距離を望遠端1500mmまで延長することもできる。

 また、広角から望遠までのズーム全域ではもちろん、画面の中心部から周辺部に至るまで4Kカメラに対応する高解像度を維持し、優れた光学性能を実現しながら、質量6.6kg、全長405.2mm(PLマウント)の小型軽量化によって高い可搬性も両立している。

 ドライブユニットは着脱可能で、装着時は12ピンレンズケーブルによるシリアル通信で従来の放送用ハンディレンズと同等の通信を行うことができる。標準のズームデマンドやフォーカスデマンドも使用可能だ。

 EFマウント仕様はEOS-LENS通信、PLマウント仕様はCookeの/i Technologyにも対応しており、さまざまな通信規格でカメラとの連携が可能となっている。

問い合わせ先:キヤノンお客様相談センター TEL 050-555-90006
CINEMA EOS SYSTEMホームページURLhttp://cweb.canon.jp/cinema-eos/index.html


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