アイ・ディ・ケイ、HDMI/DVI機器向けデジタルビデオアナライザGF-100を発売


 近年、民生機器はもとより、プロ用のビデオ制作機器にも各種HDMI対応製品が数多くリリースされている。プロの現場では、トラブルは御法度であり、常に各種機材の動作チェックは欠かせない。また、万が一なんらかのトラブルが生じた際にも、迅速にその原因をつきとめ対処する必要がある。当然、普及が著しいHDMIに関しても、そういったチェック機構が求められている。

 つい先日、上記のような需要に応える形で、ビデオやPC、HDMIの映像信号を分配/延長/コンバートする機器を主に開発・製造・販売しているアイ・ディ・ケイから、HDMI/DVI機器向けデジタルビデオアナライザGF-100が発売となった。今回、同社の技術部の方に同製品の詳細を伺う機会を得たので、その様子も含め同製品の詳細をお伝えしたい。

 前述のとおり、GF-100 はHDMI/DVI機器向けのビデオアナライザである。カメラや各種プレイヤーなどHDMI信号を出力するソース機器、モニターなど信号の受け取り側となるシンク機器それぞれの個別試験のほか、ケーブルの伝送路試験およびソース機器とシンク機器間のDDCモニターが主な機能となっている。

 ちなみにDDCとはソース機器とシンク機器の間でEDIDやHDCPに関する情報をやり取りする規格のことで、EDIDにはモニターの許容解像度や色深度、走査周波数や型番などの情報が含まれている。ソース機器がこの情報をシンク機器から受け取ることで、ソース機器が出力する映像や音声信号をモニタの実力に応じて決定し、シンク機器は正確に表示することができる仕組みとなっている。

 上記の機能のうち、まずソース機器試験機能では、ソース機器からのHDMIケーブルをGF-100の背面部に搭載されたソース試験端子に接続し、トップメニューで[SOURCE STATE]を選択するだけで、映像では解像度、フレームレート、HDCPの有無、色深度、色空間、アスペクト比など、音声ではフォーマット、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数などの情報が、即時表示されチェックすることができる。

 また、シンク機器試験機能では、ソース機器試験同様、背面のシンク試験端子にHDMIケーブルを接続することで、解像度や色深度、色空間、音声フォーマット、スピーカー配置などシンク機器のスペックが表示される。なお、シンク機器試験機能では、テストパターンの出力も可能となっており、カラーバーやグレースケール、クロスハッチ、ストライプなどのテストパターンをシンク機器に表示できるほか、音声チャンネルごとのスピーカーテスト(1000Hz、400Hz、80Hz、40Hz)が可能なテスト音声の出力も可能である。

 つぎに実は一番重要なのではと思う、ケーブルの伝送路試験だが、こちらも非常に簡単で、トップメニューで[CABLE TEST]を選択し、ソース試験端子とシンク試験端子に、ケーブルの両端を接続するだけで、ケーブルの状態をチェックすることができる。なお、すでに敷設されたケーブルなど両端を一カ所に集めることが難しい場合は、同製品を2台用意することで同様の試験を行うことができる。

 最後にDDCモニター機能だが、背面部に搭載された2つのDDCモニター端子に、ソース機器/シンク機器をそれぞれ接続することで、EDIDやHDCPプロトコルの通信状態が表示され、その状況をチェックすることができる。また、常に発生するわけではないトラブルをチェックするために、チェック状況のログを内蔵メモリーに保存する機能も搭載されている。これにより、一晩置いておいて翌朝、その間の状況を確認するといった運用も可能である。また、Ethernet経由でPCに接続しておけば、内蔵メモリーに保存できない容量のログでもPCのHDD容量が許す限り記録し続けることもできる。

 なお、上記の機能のチェック表示は、いずれもPCと接続することで、PC画面上に表示することもできる。本体のフロントディスプレー上でも充分確認できるのだが、より一覧性を重視する場合はこちらを選択するのも手である。考えられるケースとしては、さまざまな現場でチェックが必要な場合は本体のフロントディスプレーで、チェックする機器が固定されている場合は、PCを用いるといったところだろうか。

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 HDMI機器の普及にともない、さまざまなトラブルも増えてきていると聞く。そういった状況のなか、ローコストかつコンパクト、そして運用が非常にシンプルなGF-100は、いろいろな現場で重宝される製品という印象を受けた。実際に説明を受けている際も、ホットプラグに対応しているためまったく問題ないのだが、ソース/シンク機器ともに電源ONのまま無造作にケーブルが抜き差しされるたびに、昔ながらの感覚で『ビクッ!』となってしまう自分がいた。そしてそのあと、「実際の現場に必要なのは、この無造作に扱えることなのだろうなぁ」などと改めて感じた次第である。

 

  • 外形寸法:幅260×高さ53.5×奥行133mm
  • 質量:0.9kg
  • 発売:2014年8月1日
  • 価格:¥18万(税別)
  • 問い合わせ先:アイ・ディ・ケイ TEL 046-200-0764
  • URLhttp://www.idk.co.jp

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