Blackmagic Design、2014 NAB Showにて、新製品各種発表


 Blackmagic Designは、2014 NAB Showにおいて、現地時間4月7日、DaVinci Resolve 11を初め、各種新製品の発表を行った。今回、発表されたのはメジャーアップデートとなるDaVinci Resolve 11、ATEM 2 M/E Production Studio 4K、ATEM Camera Controlアップデート、Blackmagic Smart Videohub 12×12/20×20、6G-SDI/Ultra HD対応のMini Converterシリーズ、DeckLink SDI 4KおよびDeckLink Studio 4K、12G-SDI対応、Teranex Expressなど。このほか、デジタルフィルムカメラBlackmagic URSAおよびライブ中継用カメラBlackmagic Studio Camera、35/16mmフィルムをUltra HD解像度でリアルタイムスキャニング可能なCintel Film Scannerなども発表されている(Blackmagic URSABlackmagic Studio CameraCintel Film Scanneについては、別途記事を参照のこと)。

■DaVinci Resolve 11
 メジャーアップデートであるDaVinci Resolve 11には、デュアルモニターのサポートや、JKLトリミング、オーディオクロスフェード、フルカスタマイズが可能なキーボードショートカットといった使いやすいプロ仕様ツールなど、編集がスピーディになる70以上の新編集機能が追加された。

 まず、スプラインカーブの新キーフレーム編集機能が、編集タイムラインに組み込まれており、キーフレームは各クリップの真下に配置されているため、クリップの流れに沿って確認することが可能となった。また、タイムライン上でOpenFXプラグインを直接追加して動かせるだけでなく、プラグインをトランジションに使用することもできる。

 また、コラボレーティブ・ワークフロー・ツールでは、撮影が終わり次第、エディターと別のワークステーションにいる複数のカラリストが同じタイムラインを共有して、共同で作業を行うことができる。そのほか、今回強化された編集機能のひとつに、Apple Final Cut Pro Xとのラウンドトリップ機能の向上が挙げられる。これによりたがいのアプリケーション機能がより互換性の高いものとなり、プロジェクトの行き来がさらに簡単に行える。

 カラーコレクション機能もアップグレードされており、フォトグラファー撮影経験のあるユーザー用にデザインされた新しいRAWイメージおよびカラーグレーディングコントロールが搭載されている。また、カメラRAWパレットは、ハイライト/シャドウリカバリー、中間トーンディテール、カラーブースト、サチュレーション、リフト、ゲイン、コントラストにも対応した。

 新しいクローンツールでは、メディアドライブ、メモリーカード、カメラパックを、複数の保存先に同時にコピー可能となり、すべてのコピーはチェックサム検証されるため、ビット単位で正確なソースメディアのデジタルコピーを得ることができる。

 また、スタンダードカラーチャートを含むショットを分析して基本となるグレーディングを自動作成する、自動カラーチャートカラーバランスツールも搭載された。この機能は、異なる照明条件でショットが撮影されていて、露出や色温度が異なっていても問題なく機能し、スクリーン上のグリッドをカラーチャートに重ねるだけで、自動的にグレーディングが行われる。

 なお、DaVinci Resolve 11は、6月よりすべてのDaVinci Resolveユーザーに無償で提供されるほか、新機能の多くは、DaVinci Resolve Liteでも使用することができるとのこと。
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/dvres/

ATEM 2M/E Production Studio 4K
 20系統の6G-SDI入力、SuperSourceレイヤーエンジンなどの多彩な機能を搭載した、2M/EベースのUltra HDライブプロダクションスイッチャー。各入力系統には、フレーム同期機能が付いているほか、クロマキー、トランジション、DVE、メディアプール、ダウンストリームキーヤー、オーディオミキサー、2系統のMulti View出力、そして6G-SD IおよびHDMI 4Kインターフェースなど、プロ仕様のスイッチャーに求められる機能が搭載されている。

 また、MacおよびWindowsに対応したATEM Software Controlパネルが含まれており、ラップトップおよびデスクトップコンピューターからスイッチャーを完全にコントロールできるほか、同ソフトウェアは、トランジション、キーヤー、内蔵オーディオミキサー、スイッチャー設定もコントロールできる。なお、従来型のハードウェアコントロールパネルを使用したいユーザーは、ATEM 1M/E Broadcast Panel、あるいはATEM 2M/E Broadcast Panelを追加することも可能となっている。

 同製品では、シームレスなマルチレイヤーを実現するため、4系統のアップストリームキーヤー、2系統のダウンストリームキーヤーに対応している。アップストリームキーヤーは、独立したクロマ、パターン、シェイプ、リニアキーイングに対応。これらのキーヤーはSuperSourceプロセッサーから独立しており、SuperSourceでさらに5レイヤーを使用することも可能となっている。

 なお、同製品はすでに出荷が開始されており、価格は¥41万6800(税別)
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/atemps4/

■ATEM Camera Controlアップデート
 ATEMは、今回の新しいアップデートによって、すべてのATEMプロダクションスイッチャーから、Blackmagic Studio Cameraをフルコントロールすることが可能になった。この新機能は、SDIプログラムフィードを介してカメラにコントロールコマンドを送信し、フォーカスやゲインなど多くの調整を行うものとなり、カメラに搭載されたほとんどの機能が、スイッチャーからコントロールできるのようになる。

 ATEM Software Controlに新たに追加された「Camera」ページには複数のCCUソフトウェアパネルがあり、これらを使って接続された各カメラをコントロールすることができる。また、ATEMのAux出力を使用したモニタリングでは、調整を行っているカメラからの映像に自動で切り替えることが可能となった。さらにクリエイティブなコントロールを行いたい場合は、CCUインターフェースをフルカラーホイール・カラーコレクション・インターフェースに拡大し、DaVinci Resolveと同様のインターフェースを使用して、カラーコレクションを行うことも行える。

 なお、今回のATEM Camera Controlアップデートは、2014年6月にATEMスイッチャーおよびBlackmagic Studio Camera用にダウンロードが可能となる予定。

■Blackmagic Smart Videohub 12×12&20×20
 同製品は、6G-SDIテクノロジーを搭載し、同一のルーターでSD、HD、Ultra HDの同時ルーティングが可能な、ミックスフォーマット対応の新しいルーターシリーズ。12×12モデルと20×20モデルがラインナップされている。なお同製品は、既存のBlackmagic Micro VideohubおよびSmart Videohub SD/HDルーターの代替え製品として位置付けられている。

 Ultra HDを含むミックスフォーマットに対応し、内蔵ビデオモニタリングおよびスピンノブルーターコントロールパネルを搭載されており、6G-SDIテクノロジーが搭載されているため、1台のルーターで、SD、HD、そしてUltra HDビデオを、あらゆる組み合わせで同時に接続/ルーティング可能となっている。また、フロントパネルには、内蔵LCDモニターおよびルーターコントロールを搭載が搭載されており、ユーザーは、ボタンやスピンノブ・コントロールを使って、フロントパネルからルーターのクロスポイントを直接入力することが可能となっている。

 なお、同製品は両モデルともすでに出荷が開始されており、価格は12×12モデルが¥14万5800(税別)、20×20モデルが¥20万7800(税別)となっている。
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/svh/

■6G-SDI/Ultra HD対応、Mini Converterシリーズ
 同社では、Mini Converterシリーズのアップグレードを行ってきていたが、今回、6G-SDIに対応し、SD/HD/Ultra HDのビデオフォーマットで使用できるMini Converterシリーズの新製品を発表した。今回発表された新モデルは、Mini Converter SDI to HDMI 4K、Mini Converter HDMI to SDI 4K、Mini Con-verter SDI to Analog 4K、Mini Converter SDI Distribution 4Kの4製品で、いずれも価格が¥3万980(税別)で、すでに出荷中である。
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/minic/

■12G-SDI対応、Teranex Express
 同製品は、世界で初めてマルチレート12G-SDIコネクターを搭載した放送用アップ/ダウンコンバーターとなっており、12G-SDI、6G-SDI、 G-SDI、HD-SDI、SD-SDI間での切り替えが可能であるため、既存のさまざまなSD/HD/Ultra HD機器との互換性を確保している。またこれらの機器間で178種類のアップ/ダウンコンバージョンを実現しており、変換はオーディオ、クローズドキャプション、タイムコードなどとともにフル10ビット品質で行われる。

 フロントパネルはこれまでのモデルと同一のもので、Teranexの他のモデルを使用しているユーザーにとっても移行が容易となっているほか、内蔵LCDモニターでは簡単にメニューを操作してライブビデオのソースフォーマットやフレームレートが確認できるため、外付けモニターを使用する必要がない。

 価格は、14万5800(税別)で、2014年5月出荷予定となっている。
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/texp/

■DeckLink SDI 4KおよびDeckLink Studio 4K
 新モデルのDeckLinkは、SD/HD/Ultra HDでの作業に対応した6G-SDIインターフェースが追加された。これらの新モデルは、Desktop Video 10のデザインに基づいており、RGBフレームバッファー、低遅延に対応しているとともに、これらの機能をサポートするソフトウェアと同時にキャプチャー・再生が可能となっている。また同製品は、SDKを同梱した優れたOEMカードでもあり、デベロッパーは、フレームバッファーにピクセルを直接書き込むことも可能となっている。

 なお、今回の新モデルは、既存のDeckLink SDI、DeckLink Studioモデルの代替製品となり、DeckLink SDI 4Kは、6G-SDI入出力、リファレンス入力、そしてRS-422デッキコントロールを搭載し、価格は¥3万980(税別)。DeckLink Studio 4Kは、SD/HD/Ultra HDに対応した6G-SDI、HDMI 4K入出力、アナログコンポーネント、コンポジット、s-Video、4chのバランスアナログオーディオ入出力、2chのAES/EBUオーディオ入出力、RS-422シリアルコントロール、リファレンス入力に対応し、価格は¥6万1980(税別)となっている。いずれも、すでに出荷が開始されている
URLhttp://www.blackmagicdesign.com/jp/dlink/


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