キヤノン、業務用フルHDビデオカメラXF205の発売を発表


 2014年7月16日追補

 キヤノンは、業務用フルHDビデオカメラXF205の発売を発表した。同製品は、XF105/XF100の上位機種に位置付けられる。2013年6月に発売されたXA25/XA20でも採用されているズームレンズ、CMOSセンサー、映像処理プラットフォームを搭載することで、XF105/XF100より基本性能を大幅に向上しながらも、小型・軽量ボディーを実現している。

 また、高い操作性の実現とともに、ネットワーク接続機能も拡充されており、ニュースやドキュメンタリーなどの放送コンテンツの制作や、結婚式などのイベント映像の制作など、幅広い撮影現場での運用が可能となっている。

■業務用機としてブラッシュアップされた各種機能・性能
 有効画素数291万画素 1/2.84型CMOSおよび、広角26.8mm相当からの光学20倍ズームレンズレンズなど、光学系に関しては、XA25/XA20と同等の仕様となっているが、レンズリングに関しては、最上位機種のXF305/XF300にも採用されている、独立した3本のレンズリングが採用されている。フォーカス/ズーム/絞りを個別に操作できるほか、各リングに段差を付けた土手形状の採用により、ブラインド操作時の誤動作を防止することが可能となっている。

 また、ズームリングの操作に対するズームの追随性も、XF105/XF100と比較し、約181%の高速化が図られている。これにより、20倍とズーム倍率が上がったにもかかわらず、変わらぬ使用感を実現している。なお、ズーム速度は、3段階で切り替えることもできる。

 このほか、業務用ENGカメラによく見られる、ゲインとホワイトバランスのスイッチに独立のトグルスイッチを採用、使用頻度の高い機能を任意の位置に割り当てることができるアサインボタンを13個搭載、レンズキャップ着脱の手間が軽減されるバリア付きレンズフードの採用など、実際の運用に即した、使い勝手の向上も図られている。

 音声周りに関しては、内蔵ステレオマイクによる2chとXLR端子による外部入力2chの4ch記録が可能となっており、リニアPCMの音声(16ビット/48kHz)で記録される。また、それぞれのチャンネルごとに独立ボリューム設定が可能となっている。これにより、2chを内蔵ステレオマイクで周辺の音を録音しておきながら、レポーターのピンマイクで1ch、インタビューを受ける人のマイクで1chを使用するなどの運用も行える。

 加えて、同製品の大きな特徴の1つとして、回転グリップの採用が挙げられる。グリップ部が15°ごとに最大120°まで回転することができるため、ハイアングルからローアングルまで、さまざまな撮影状況で安定したカメラ保持と撮影が可能となっている。回転グリップの軸部分には、アルミダイキャストを使用されており強固な強度を有している。

■多彩な記録方式に対応
 記録メディアに関しては、メイン記録用のCFカードスロット2基に加え、SDカードスロット1基が搭載されている。2つのCFカードには、放送局などにおいて標準的なファイルフォーマットといえるMXFファイルを、SDカードにはMP4記録や静止画記録が可能となっている。2つのCFカードにMXFファイルを、SDカードにMP4ファイルを記録と、最大3枚の記録メディアに同時記録も可能となっている。また、同製品は、常時記録機能も搭載しているため、MXFでの記録中、MXFのスタート・ストップ操作にかかわらず、常時記録設定時間中のすべての映像をMP4で同時に記録し続けることができるため、映像の撮り逃しを防止することも可能となっている。

 このほか、あらかじめ機能を割り当てたアサインボタンの操作により、CFカードへMXFで記録しつつ、SDカードへ必要な部分だけ切り取って記録することも行える。これにより必要な部分だけ切り出した映像を、速報用の3Mbps(640×360)でSDカードにMP4記録し、後述するFTP転送機能を用い、いち早く転送することなども可能となっている。

 なお、MXFモードでの記録において、最大5倍のファーストモーションと最大0.4倍のスローモーション撮影にも対応している。

■即時性の高い撮影現場にも対応するネットワーク機能の拡充
 Wi-Fi対応の無線LAN接続(2.4GHz帯域および屋内では5GHz帯域)が可能なほか、新たにEthernet LAN端子を搭載することで、安定性やセキュリティーレベルの高い有線接続も可能となっている。これにより、海外での撮影やスタジオでの撮影など、撮影状況に応じてネットワーク接続方法を選択することができる。

 スマートフォンを初めとする携帯端末やPCなどと、同製品を無線もしくは有線接続し、端末からInternet ExplorerなどのWebブラウザーを使用することで、カメラの遠隔撮影や遠隔設定が可能なBrowser Remote機能も搭載されている。これにより、カメラ本体から離れた場所でのカメラ操作やクレーンを使った撮影などが可能になるほか、Browser Previewを使用することで、端末からWebブラウザーで映像の再生も可能となっている。

 また、スマートフォンなどの携帯端末に専用アプリケーションCameraAccess plusをインストールすることで、カメラの遠隔操作や撮影映像のライブ視聴が可能となっており、MP4モードで撮影したMP4データ(640×360、1.5Mbps)の映像は、自由にPCやモバイル端末など他の端末へ転送が可能(リアルタイムプロキシ転送)となっている。

  • 外形寸法:幅144×高さ158×奥行264mm(レンズフード、マイクホルダーユニット、アイカップ、グリップベルトを含まず)
  • 質量:約1560g(本体のみ)、約1960g(レンズフード、バッテリーパック、アイカップ、CFカード、SDメモリーカード含む)
  • 発売:2014年7月24日
  • 価格:オープン(市場推定価格¥45万前後)
  • 問い合わせ先:キヤノンお客様相談センター TEL 050-555-90004
  • URLhttp://cweb.canon.jp/prodv/lineup/xf205/index.html?xadid=videoa1404

同カテゴリーの最新記事