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東京・赤坂の一角にひっそりと佇む「赤坂Technical Cafe」。
映像業界に身を置く一人の男が、業界の活性化を図るべくオープンさせた小さな喫茶店である。
さて、今夜も近所にある技術プロダクション「アップサイド」から、旬なネタを手みやげにカメラマンがご来店。なにやら、デジイチ話に花が咲いているようです .....
マスターいらっしゃい。
宮本こんばんは。会田さんから聞いてきたんですけど...。
マスターおっ アップサイドの人だね。待ってたよ。
宮本はじめまして、会田さんの後輩でカメラマンの宮本です。
マスターよろしくね。業界関係者は大歓迎だよ。
宮本業界人の集まる店だって聞いたんで、いま放送中の僕が撮影したドラマのポスターでも貼ってもらえたらうれしいなと思いまして。
マスター構わないけど、なんてドラマ?
宮本テレビ東京で毎週金曜日の深夜0:12から放送の「モテキ」っていうドラマなんです。
マスターしっかり宣伝するねぇ(笑) でも、それなら知ってるよ。LUMIX DMC-GH1で撮影したんでしょ、結構話題になってるよ。
宮本おかげ様でなかなか評判も良いんですよ。
マスターポスター貼ってくんなら、その辺の話を詳しく聞かせてもらいたいねぇ(笑)
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第2回:ドラマ「モテキ」撮影秘話!
..... 長く、長く、きびしく、休みもない、つらい撮影を無事に乗り越えて、やっとそう思えるというのが正直なところだけど、LUMIX DMC-GH1(以下、GH1)を使って本当に良かったですね。映像に関して周囲の反響が予想以上に大きく、その大半が好意的な意見だったんですよ。
GH1で連続ドラマを撮るということで、かなり注目されましたが、その理由はやはり、GH1は完全に民生機で価格も十万円弱とまさにエントリーモデルのカメラだったというところなんじゃないでしょうか。確かにそんなカメラでドラマを撮るって聞いたら大丈夫なんだろうかと不安に感じて注目してしまうでしょ。でも、GH1で撮ることに一番不安を感じていたのは間違いなく僕自身だったと思いますよ(笑)
もちろんカメラテストはやっているから、GH1の長所も短所も掴んでいたつもりだし、短所に対する対策も考えていたから、ある程度の計算はできてはいたんです。でも、GH1はあくまでも民生機で、しかもエントリーモデルのカメラだということは忘れてはいけない点で、カメラ自体の耐久性などにはとても不安を感じていたんですよ。当然、短時間のテストでは検証できない部分だし、クリップの不良などがどの程度の頻度で起きるのだろうか、1日に何十回というレンズ交換にマウントは耐えられるのだろうかと、不安だらけだったんです。
でも、解決しない不安をいつまでも抱えていても仕方がないから、思い切って考え方を変えてみたんですよ。GH1は民生機だから電気店に行けばすぐに手に入るんだ、もし壊れたら新しく買えばいいんだと。かなり楽観的だけど、とにかくそう考えて先に進むことにしたんです。まぁ結果的には、そのあたりの耐久性に関してはなんの問題もなかったんですけどね。
..... 実際の現場での運用ですけど、GH1は当然CCUなどが使えないので、現場でのカメラの映像調整はなるべくしないようにしたんです。でもGH1の映像の調整項目は意外とよくできているんですよ。「フィルムモード」という項目を選択することで、コントラストの高い設定、彩度の高い設定など、プリセットされた設定がいくつかあって、それを選べるようになっているんです。また、それとは別に色の調整もできるので、フィルムモードと組み合わせることでかなりいろいろな調整ができるんですよね。
GH1は再生時にしか映像を出力できないので、リアルタイムの映像をモニターに出して調整具合を確認するということができないんですね。現場ではカメラの小さなモニターだけで判断しなくてはならない。だから、現場での調整はなるべくしないようにと考えたんです。
そのかわりに、カメラテストでさまざまな場面を想定した調整をして、それらをマスモニでチェックしました。その中から使えそうな設定を記録しておいて、現場ではそれを再現するだけという方法にしたんですよ。この方法なら大きなミスにはつながらないと思うんですよね。もちろんロケーションでは刻々と変化する気象条件には対応できないので、カラコレは絶対に必要になるんですけどね。
具体的な調整内容は一概には言いにくいんですけど、GH1は標準の設定ではだいぶ黒が締まっているので、撮影条件に合わせてその辺りの見きわめが大事になってくるでしょう。それから、ディテールもかなり強めなので、撮影条件と使用するレンズなどによって考える必要があると思いますね。
それから絞りに関しては、やはり露出計を使ってます。GH1の液晶もかなり優秀なんですけど、昼間のロケーションではモニタリングの環境を整えるのはなかなか難しいので露出計を使ったほうがいいでしょうね。
あと注意することといえば、やはりフォーカスですかね。GH1のセンサーはフォーサーズなのでフルサイズのEOS 5D Mark IIほどではないですけど、深度はかなり浅いですよ。ルーズショットだからといって油断してると痛い目に会いますよ(笑)
フォーカスの確認には小さな液晶では限界があるので、現場にチェック用のモニターを用意しておくことをおすすめします。実際に「モテキ」の撮影にも17インチのモニターを現場に用意してました。いま思うと、忙しすぎてほとんど見なかったような気もしますが...(汗)
..... 撮影に関して細かなことを挙げたらきりがないんですけど、いまになって思えばデジイチでの撮影は撮影自体のハードルはさほど高くはないと思うんですよ。どちらかと言えば仕上げのほうがハードルは高いんじゃないですかね。映像にタイムコードがないし、音声は別で収録することになるので後で音の貼り付け作業が必要になったりといろいろあるので、きちんとワークフローを確立するということが非常に大事ですね。
ドラマ「モテキ」が実現できたのには、このワークフローを確立できたということが非常に大きかったんです。深夜ドラマという時間も予算もないなかでどうやって実現するのかと、なんども話し合いましたし、ワークフローのテストも行ったんですよ。そして、いろいろな方々の協力のもとにようやく「モテキ」は実現したんです。
ドラマ「モテキ」はたくさんの試行錯誤と多くの方の知恵と努力と睡眠時間(?)の上に成り立っていることを忘れてはいけないですね(笑)
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マスターなるほどねぇ...。デジイチでの撮影にはまだまだたくさんの壁がありそうだねぇ。その壁を乗り越えるために、多くの人の協力があったと。
宮本そうなんですよ。苦労は多かったけど、得たものがそれ以上だったんで、次回作でもぜひデジイチを使ってみたいと思ってるところですよ。デジイチでの撮影をさらにきわめてみたくなりましたね。
マスターそれはまた面白い話が聞けそうだねぇ。
宮本また来ますから、楽しみにしててくださいね。あと、ポスターお願いしますね。
マスターはいよ(笑) 楽しみにしてるから、またヨロシクねー。







