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技研公開2010開催

NHK放送技術研究所は、5月27~30日までの4日間にわたって、「技研公開2010」を開催した。同所は、今年で開所80年を迎え、今回の技研公開は通算64回目となる。今年度はテーマを「技研80年 さらなる未来へ」とし、実際の放送現場でも活用されている番組技術とあわせ、最新の成果合計44項目の展示を行った。
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5月27~30日までの4日間、東京都世田谷区 NHK放送技術研究所にて開催

ここでは、数多く出展された技術展示の中から、毎年着実に進化を続けるスーパーハイビジョン関連技術に絞って紹介する。

スーパーハイビジョン関連技術

・スーパーハイビジョンシアター

スーパーハイビジョンシアターでは、例年どおり、フル解像度3板式プロジェクター、22.2マルチチャンネル音響システムによる、スーパーハイビジョン(以下、SHV)コンテンツを披露。「スポーツ&ステージ」をテーマに、オーケストラ、東京マラソン、NHK杯フィギュア、NHK紅白歌合戦などの映像を上映し、SHVによる緻密で迫力のある映像で、パブリックビューイングの可能性を示した。

また今年度は、新たに開発された、フル解像度3板式SHVカメラ(後述)によるロケ映像も上映。撮像、表示ともフル画素機材を用いたデモは今回が初となる。

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スーパーハイビジョンシアターでは、フル解像度3版式プロジェクター、22.2マルチチャンネル音響システムによるSHVコンテンツを上映

・スーパーハイビジョン フル解像度カメラ

昨年度、試作機として展示された3300万画素撮像素子を用いたSHVフル解像度カメラは、今回、信号処理機能の追加により高画質化が実現されている。昨年外部に接続されていた伝送装置は小型化され、カメラヘッドに内蔵。撮影時の運用性も向上し、完成版として披露された。

また、異なるズーム比やアイリス、フォーカスにも対応する色収差補正技術を開発、信号処理によるリアルタイム補正を可能にしている。さらに、ファインダー映像に合焦範囲を示す補助信号を付加することで、これまでビューファインダーでは困難だったピント調整を、カメラマンが容易にできるようになっている。

今後は、本カメラを使用してさまざまなSHVフル解像度映像を撮影し、さらに色再現範囲やダイナミックレンジを拡張したSHV映像パラメーターの検討へ向け、信号源となるカメラの開発を進めていくとしている。

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SHVフル解像度カメラ。昨年外部に接続されていた伝送装置は小型化され、カメラヘッドに内蔵されている

・SHV高効率映像符号化装置

同所では、SHV放送の実現を目指し、映像信号を圧縮する符号化技術の研究も進めている。SHV高効率映像符号化装置は昨年も展示されたが、今年度はハードウェア符号化ユニットが、従来の30pから、新たに開発した60p対応の装置へ変更された。これにより毎秒60フレームのSHV映像を、時間分割することなく処理することが可能となり、映像の時間相関を最大限利用した効率のよい圧縮を行うことができる。またユニット自体の数も16式から8式構成となっており、よりコンパクト化を実現した。

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SHV高効率映像符号化装置。ハードウェア符号化ユニットが、従来の30pから新たに開発した60p対応の装置へ変更

・SHV用22.2ch音響の家庭導入を目指した研究

音声面での研究、開発として、今年度は、家庭で22.2ch音響を実現する方法をいくつかみることができた。

ひとつはスピーカーをより設置しやすくする方法として開発された、高分子膜を用いた軽量なプッシュプル型のスピーカー。これは、電圧をかけることにより変形するゴム状の柔軟な高分子素材である、「電場駆動型エラストマー」の伸縮性を利用したもの。プッシュプル型構造(2枚の膜を互いに逆方向に伸縮させ振動板を動かす方式)を採用することで、シート状の電場駆動型エラストマーを安定した張力で保持でき、薄い膜厚を利用することができるという。単一のスピーカーから80Hz~15kHzまでの周波数帯域を再生することが可能。

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高分子膜を用いた軽量スピーカー。単一のスピーカーから80Hz~15kHzまでの周波数帯域を再生することが可能

ただ、実際の家庭において22.2chものスピーカーを設置することは現実的とはいえない。そこで、少ないスピーカー数でも擬似的に22.2chと同様の臨場感の音響を楽しむことができる技術も考案されている。今年の展示では、22.2ch音響のスピーカー位置から左右の耳の位置までの音の伝搬特性を計算することで、3.1chあるいは8.1chのスピーカーで22.2ch再生を再現する技術が紹介されていた。

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少ないスピーカー数でも擬似的に22.2chと同様の臨場感の音響を楽しむことができる技術も展示された

NHK放送技術研究所のSHVにおける研究・開発目標としては、2020年、21GHz帯衛星を用いたフルスペックSHV信号での試験放送の開始が掲げられている。今後は、家庭用100型級フラットパネルディスプレーの開発や制作フォーマットの検討、放送方式の研究、開発などを進め、標準化へ向けて取り組んでいくようだ。

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