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DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第22回 卒業試験!! 問題1:ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う

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本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

開始から約1年半が過ぎようとしている本ブログ連載...そろそろまとめの時期かもしれません。何事も区切りは大事ですからね...

(編集部:A部)

某月某日 不幸のメール

さて、この連載もスタートしてからそろそろ1年半。私のDS力も、某編集室に忍び込んで、そこにあるDS実機を動かしたりと、かなり上がってきているようです。

がんばったからなぁ~。と感慨にふけっていたら、編集部のA部さんからメールがきました。

「こんにちは。S原さん。お元気でしたか。
S原さんは、お忘れかもしれませんが、S原さんに貸し出し中のDS AssistStationの返却期限が残り1カ月を切りました。S原さんもDSのオペレーションにはすっかり自信をつけたことでしょう。私としても、うれしい限りです。
そこでささやかですが、DSマエストロN岡さんにお願いしまして、卒業試験を用意してもらっています。モノには区切れが必要ですからね。
いまのS原さんの実力からすると、楽々クリアされると思いますが、ちょっとよろしくお願いします。じゃ」

『試験』ですか。この言葉、学校を卒業して何十年ぶりに聴きました。いやな予感はあったんですが、卒業試験とは...
やっぱりタダでDS借りてるから、逆らえないし...

某月某日 問題がやってきました

う~ん。
私の師匠から、とうとう問題が到着しました。これです。

卒業試験

以下の各設問において、それぞれに揚げたテクニックが、すべてDSで実現できることを証明しなさい。

問題1 ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う
  • テクニック1:上位トラックのクリップに対して、クリップエフェクトとしてカラーコレクションを適用
  • テクニック2:上位トラックのクリップ位置に、トラックエフェクトとしてカラーコレクションを適用
  • テクニック3:ツリーで合成し、上のレイヤーに対してカラーコレクションを適用
  • テクニック4:カラーコレクションを行ったクリップをGenerate Clipし、でき上がったクリップを上位トラックに合成
問題2 DS内でテロップを作成、シーケンスに編集する
  • テクニック1:上位トラックにGraphicエフェクトを適用し、テロップを追加
  • テクニック2:上位トラックに黒クリップを作成し、そこにGraphicエフェクトを適用し、テロップを追加
  • テクニック3:ツリーエフェクトの途中にGraphicエフェクトを適用し、テロップを追加
  • テクニック4:黒バックのテキストを作成してからGenerate Clipし、できたクリップを上位トラックに乗せる
問題3 マスクを作成する
  • テクニック1:Keyerで色を指定し、マスクを調整
  • テクニック2:Wipeエフェクトを複数組み合わせて、マスクを調整
  • テクニック3:Maskエフェクトでマスク範囲を描き、マスクを作成
  • テクニック4:Graphicエフェクトでマスク範囲を描き、マスクを作成

...う~ん。間違いなく試験問題ですね。これは。しかも1つの問題で4つも答をつくらなければならないなんて...。
DSマエストロのN岡さんらしい出題の仕方というか、なんというか。簡単には卒業させてくれないようですね。

某月某日 問題1

つまり、この卒業試験は、それぞれのテクニックを実践すればよいわけですよね...。
 それでは、順番どおり問題1から挑戦してみましょうか。

問題1 ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う
  • テクニック1:上位トラックのクリップに対して、クリップエフェクトとしてカラーコレクションを適用
  • テクニック2:上位トラックのクリップ位置に、トラックエフェクトとしてカラーコレクションを適用
  • テクニック3:ツリーで合成し、上のレイヤーに対してカラーコレクションを適用
  • テクニック4:カラーコレクションを行ったクリップをGenerate Clipし、でき上がったクリップを上位トラックに合成
答案
  • テクニック1:上位トラックのクリップに対して、クリップエフェクトとしてカラーコレクションを適用

まず、下図のようにDVEをトラックエフェクトとして作成したP in Pシーケンスをつくりました。

テクニック1は、このシーケンスの上位トラックのクリップにカラーコレクションをかければ完了です。

クリップエフェクトとしてカラーコレクションを適用するには、V2トラックのクリップを選択して、DSデスクトップ左端にあるカラーコレクションボタンを押してカラーコレクションツールを起動するのが一番簡単だと思います。


DSデスクトップ左端のカラーコレクションボタンを押してカラーコレクションツールを起動します

今回はカラーコレクションツールで、上位トラックのクリップをモノクロ化してみました。

もちろんエフェクトとしてカラーコレクションをメニューから呼び出す方法もありますが、それは次のテクニックに回します。

答案
  • テクニック2:上位トラックのクリップ位置に、トラックエフェクトとしてカラーコレクションを適用

こちらもテクニック1と同じP in Pからスタートします。

テクニック2は、上位トラックのクリップにコンテクストメニューから、"トラックエフェクト"としてカラーコレクションをかければ完了です。
エフェクトプリセットからカラーコレクションを選択し、クリップに適用します。


プリセットフォルダから"Color Correction.Preset"を選択し、クリップに適用します

テクニック1と同じように、P in P内クリップをモノクロ化してみました。

テクニック1とテクニック2は、サービス問題みたいなモノですね。

答案
  • テクニック3:ツリーで合成し、上のレイヤーに対してカラーコレクションを適用

エフェクトツリーですか...この連載がスタートしたとき、私はツリーがまったくダメでした...。が、いまはなんとかなりそうです。
P in Pをツリーで作成するわけですが、まず上位に来るクリップをV2に編集し、これをコンポジットコンテナ化します。背景画像はコンテナ内で編集します。ひねくれてますか?

V2トラックにあたるクリップをタイムラインに編集し、これをコンポジットコンテナ化します。

エフェクトツリーモードに入り、背景画像をビンからエフェクトツリーのデスクトップにドロップします。

つぎにメニューから"Add Effect"を実行してDVEエフェクトノードを出現させ、上位クリップをフォアグラウンド、下位クリップをバックグラウンドに接続します。パラメーターを調整すればDVEの完了です。


DVEエフェクトをツリーに追加して、P in Pを作成しました

さて、カラーコレクションをかけるには、コンテナ内でテクニック1とテクニック2を使う方法もありますが、ここはやはりツリーで実現してみましょう。
ツリーによって上位トラックのクリップにカラーコレクションを適用するには、カラーコレクションのノードをクリップとDVEのあいだに挿入すればOKです。


V2クリップノードとDVEノードのあいだに、"Color Collection"エフェクトノードを挿入します

P in P内のカットごとにカラーコレクションをかける場合は、各クリップごとクリップエフェクトを適用する方法が一番分かりやすいですね。


P in Pクリップ内の各クリップごと別々のカラーコレクションを行う場合、私はクリップエフェクトでクリップ個別にカラーコレクションをするのがわかりやすいと思いました

答案
  • テクニック4:カラーコレクションを行ったクリップをGenerate Clipし、でき上がったクリップを上位トラックに合成

ん? "Generate Clip"? これは一体なんでしょう。どうもクリップを"やりくり"するような気配が濃厚です。しかし自分はいままで使ったことがありませんでした。
オンラインヘルプでいろいろ調べてみると、ありました。"Generate"というツールボタンに関係しているようです。


テクニック4では、DSデスクトップ左側の"NLE Tools"内にある"Generate"を使うようです

このボタンをクリックすると、こんな感じのメニューが表示されます。

どうやら、このボタンはBGを作成したり、Photoshopデータを読み込んだり等々の作業ができるようですね。ふむ、勉強になります。
メニュー項目をじっくり見てみると、"Timeline to Clip"というモノがあります。どうやらこれが目的のコマンドのようです。

それではテクニック4を実演しましょう。
まず、上位トラックのクリップにカラーコレクションをかけます。


クリップにカラーコレクションエフェクトを適用し、"Timeline to Clip"を適用する範囲をイン/アウト点で設定します

クリップの両端にイン点とアウト点をマークしクリップ作成範囲を設定します。そして"Timeline to Clip"をクリックすると、クリップのレンダリング設定が開きます。

設定内容を確認して"OK"ボタンを押せばクリップの生成がスタートします。
レンダリング設定の"replace"オプションにチェックを入れておくと、クリップ生成後、タイムラインのクリップが生成クリップに置き換わります。


"Timeline to Clip"を実行する時のレンダリングオプション


生成クリップはオプションで設定したビンウィンドウ内に保存される

さらに、"Replace Selection"オプションをオンにしておくと、クリップ生成後、タイムラインのイン/アウト点範囲が自動的に生成クリップに置き換わる


"Timeline to Clip"コマンドによる生成クリップに置き換わった

後はこのクリップに対して、ツリーエフェクト、クリップ/トラックエフェクトによってDVEを掛ければテクニック4は完了です。


ツリーを使ってP in Pを完成させました

余談ですが、トラックの空白部分をドラッグ&ドロップで選択した後、"Generate"ボタンの"Source Generator Clip"を実行すると、選択部分にいろいろなソースクリップやエフェクトクリップを配置することができます。


"Source Generator Clip"コマンド実行によってオープンする、さまざまな生成クリップ

これはとっても便利ですね。本当にDSは知らないことが山のようにあります。

少しビビッてましたが、1問目は難なく解くことができました。うれしいですね。これは一応DSが頭に入ってきた、ということでしょうか。
 調子がいいなぁ~。

調子よくサクサクとクリアーしてますねぇ...私としても嬉しい限りです。しかし、このままスンナリいくとは思えませんが...

(編集部:A部)

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