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DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第21回 実機を試用〜SymphonyのシーケンスをDSに持ち込む・その2/ VTRプリント

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本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

長らく更新が中断していました本連載ブログ...もちろん、S原氏が延々と悩んでいたわけではなく、今回(も)混乱気味の編集部が招いた事態です...申し訳ございません...実機試用の完結編、お待たせいたしました

(編集部:A部)

某月某日 実機DSを動かす...続き

さて、意気揚々と実機DSでの動作テストに臨んだわけでしたが、前回書いたとおり、早々とトラブルが起きてしまいました。
Symphonyで編集していたシーケンスをAFE変換してDSに読み込ませたのですが、シーケンスは読み込めたものの肝心のメディアがオフライン状態になっていました。

このメディアオフライン状態を引き起こす最も有力な原因は、Symphonyが使用する"Avid MediaFiles"フォルダがDSのストレージとして上手く設定できないことだと思いました。ですが、何回見直しても、何回やり直しても全然ダメ、まったく変化ありません。
おまけにストレージ設定を見直しているうちに、DSが「応答なし」になってしまい強制終了しか受け付けなくなってしまったのです。

なにか、DSの設定ファイルを壊してしまったのかもしれない...
マズいですね。

毎日稼働中のマシーンの具合を悪くしてしまった?

背中にいや~な汗が流れます。
胃のあたりに固いシコリのようなものがあるような、ないような...

DSに変化が起きたのはそのときです。万策尽きて何気なくタイムラインウィンドウのポジションインジケーターを左右にスクラブしたところ、突然シーケンス先頭のカラーバーがモニターに現れました。


いままでオフラインだったレコードモニターに突然カラーバーが現れた

あれ、どういうこと?
慌ててクリップのあるウィンドウを見ると、さっきまでクリップ全部のアイコンが真っ赤だったのが、ところどころ黒く変わっています。


真っ赤っかだったアイコンが、一部黒色に変化し始めた

それに伴い、カラーバー以外の映像もモニターに続々と表示されるようになりました!!


みるみる色々な映像がモニターに表示されるようになった

なるほど。
どうやら、Symhonyが使っていた"Avid MediaFiles"をストレージに追加設定してから、実際に設定が反映されるまで、しばらく時間がかかっていたようです。
そういえば、ストレージ設定を変更するとなにやら下図のようなワーニングが表示されますが、これはメディアオフライン発生について注意をうながしていたのですねぇ。

ふだんのトレーニング環境では、ディスク容量も小さくクリップ数も少なかったので、ストレージの追加設定は瞬時に反映されていたのですが、やはり実際の編集素材となるとトレーニングと同じにはなりませんね。肝が冷えましたが、勉強になりました。

とりあえず、かなりあたふたしましたが、ようやくシーケンスのインポート&エクスポートという最初の壁を越えることができました。
ところが、音が出るか確認するために再び1kHzトーン&カラーバーを再生すると、1kHzトーンは4つのオーディオトラックに編集してあるはずなのに、1つのスピーカーしか鳴りません。


4つのトラックすべてに1kHzトーンクリップを編集しているが、1つのスピーカーからしか音がでない

オーディオ出力メーターを表示してレベルを確認すると、すべてのトラックが1チャンネル出力にミックスされてしまっていました。


オーディオ出力レベルメーター上も、たしかに1チャンネルしか出力されていなかった

つまり、これは各オーディオトラックを1~4チャンネル出力に振り分けてやれば解決しそうです。
「こんなハナシ、聞いてないよな...」と思いつつ、オーディオの出力アサインを変更しようとしましたが、そこで、"はた"と手が止まってしまいました。
なんと、この連載で、私は、いままでオーディオツールをまったく触ってこなかったーっ!!

迂闊でした...

ともかくミクサーをデスクトップに表示するため、"Audio Mixer"だとか"Mixingなんとか"という名前のツールをあちこち探してみました。探してみましたが、ないんですね。これが...
"View"メニューの、"Single-Instance Views"の中にも、"Multi-Instance Views"の中にもそれらしい名前のツールが存在しないのです。


"Single-Instance Views"にも、"Multi-Instance Views"にもそれらしいツールが含まれていない...

「ひょっとして、ツールバーから呼び出すのかも」と、ツールバーを探しても、ツールバーの中にもありません。

オーディオミクサーを探すこと1時間。さんざん探し回って、ようやく見つけることができました。
なんと、"Mixer"はレイアウト編集モード時の"Single-Instance Views"の中にありました...。かなり疲労困憊です。


"Edit Layout"モードに切り替え、エリアにViewを割り当てるメニュー中に"Mixer"の文字を発見

通常モードでは、どこを探しても見つからないはずです。


オープンしたミクサーツール

ミクサーを表示してオーディオを再生してみると、たしかに1チャンネルにすべての音がミックスされてしまっていました。

出力チャンネルのアサインを変更するには、ミクサーの右側にある出力アサイン設定ボタンをクリック、各オーディオトラックパネルに出力アサインボタンを表示して、それぞれのトラックを任意の出力チャンネルに割り振ります。


ハイライトしているボタンが出力アサインボタン


左側がミキシングモード、右側が出力アサインモード、各トラックパネル上部の出力チャンネルアサインボタンをクリックして出力チャンネルを切り替える


インポート直後にはすべてのオーディオトラックが1チャンネルに割り振られていた


各トラックを1~4チャンネルに割り当て直す


1~4チャンネルすべてから1kHzトーンが再生されるようになった

「うっかり」が多い私の場合、このオーディオ出力設定作業は、シーケンスをインポートしたら真っ先にオーディオアサインを確認するよう、ルーティン化する必要がありそうです。


マスターモニターにもHD映像が出力できた(当然か)。気のせいと思うが、マスターモニターに映し出された映像は、Symphonyによるものよりノイズが押さえられ透明感があるような印象をもった

いよいよ、今回の最終テスト「VTRテープへのプリント」を試します。
VTRに出力するには、シーケンスのコンテクストメニューから"Output..."を選択します。


DSはタイムラインからデジタルカットを実行("Output..."コマンド)する

DSでは、VTRへプリントするのもファイルへ出力するのも、このツールを使います。VTRへ出力する場合は、"To Tape"ボタンをクリックします。
出力範囲、出力TCの設定は、"Output Tool"のソースエリアで設定します。
シーケンス全体を出力する場合は"Entire Sequence"、シーケンスのマークイン/アウト区間を出力する場合は"Sequence In/Out"をチェックします。タイムラインシーケンスのTCに連動させる場合は"Use Timeline Timecodes for Edits"をチェックします。
このように"Output Tool"の設定とSymphonyのデジタルカットツールの設定は基本的に同じです。迷わずに使えそうです。


DSのアウトプットツール このツール1つで、VTRへのデジタルカット、ファイルへの出力が行える。インターフェースは異なるが、VTRのコントロール関連オプションはMC系と共通している(当然か)。したがってじっくり操作すれば、VTRへのデジタルカットは初めてでも難しくない

必要なパラメーターを設定して"Insert"ボタンを押すと、VTRが動き出してデジタルカットがスタートしました。DSはデジタルカットの途中でコマ落ちが発生すると、いったんデジタルカットをストップし、コマ落ちの発生地点からデジタルカットを再開します。


上の細い赤のラインに気づかないままデジタルカットしてしまった。こういう場合DSは赤いライン付近を自動的に何度もデジタルカットチャレンジするようだ

実は、テストシーケンスのデジタルカット区間には、緑とイエローエリアに挟まって、わずかに赤色エリアが含まれていました。しかしその赤色エリアに気づかないままデジタルカットを行ってしまったところ、赤色エリアの部分で何度もデジタルカットがストップ、そして再デジタルカットを繰り返す現象が発生しました。
すわ、DSのデジタルカットの不調か? と疑ってしまいましたが、なんのことはない、デジタルカット区間のレンダリングを行ったところ、とてもスムーズにデジタルカットが完了しました。
デジタルカット前のレンダリングは鉄則ですね。

なお、"Output Tool"で出力先を"To File"にすると、シーケンスをさまざまなビデオフォーマットで保存することができます。
選択可能なフォーマットの中に"MXF"がありますが、こちらを使ってSymhonyへメディアを戻すには、エラーが発生してうまく行かないようです。

今回テストに使わせていただいたDSには、Sapphireプラグインがインストールされていました。やはりDSで合成をするとき、こういった光モノ系プラグインは欠かせませんね。


Sapphire Glint

エフェクト編集ツールのインターフェースは、Symphony版Sapphireのモノとかなり異なります。最初は少し面食らいましたが、それでも少しずつ使えるようになりました。
SapphireのようにSymphonyで慣れ親しんだエフェクトが、DSでも使えるのはかなり心強いです。


DS上のSapphireエディットツール

今回の実機テストは夜9時からスタートし、すべてテストが終わったのは朝7時近く! 終わったときには、かなりフラフラになってしまいました。
メディアがオフラインになっていたり、ツールが見つからなかったりと、かなりあたふたしましたが、とても自信のつく経験をしました。

快く編集室を貸し出して下さった制作会社の方々に感謝して、編集室を後にしました。

さて、いよいよ自信を深めたS原氏...連載も1年以上が経過して、そろそろ腕試しがしたいのではないでしょうか...連絡を取ってみますか...

(編集部:A部)

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