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DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第15回 キーイング合成で実践デビュー?!

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本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

カラコレの習得も一段落したS原氏から電話がかかってきました。「最大の試練がやってきた」と...どうやら面白くなりそうです。

(編集部:A部)

某月某日 最大の試練...

ちょっと困った事態が持ち上がってしまいました...
実は、今度、クロマキー合成をしなくてはならなくなってしまったのです...

数日前、出先の編集室でのこと...
M(マネージャー)氏:「S原さん、今度合成モノの編集お願いできますか?」
私:「ハイハイ! 喜んでっ!!」
M氏:「良かったー!! 実は、ドラマ中のイメージ合成なんで、ちょっと仕上げが込み入ってるんですよ」
私:「えっ」
M氏:「じゃ、うちのSymphony、裏がDSなんで、作業はDSでやってもらえますか?」
私:「んぐっ...」

いきなりDSの実践デビューが、合成モノですか!!
それはちょっと無謀なんじゃ...すぐに私はH田君に電話しました。

H田:「ドラマ系の合成ですか。僕やってもいいっすけど、その日ちょうどライブが入ってるんで、編集所に行けるのは"てっぺん(=夜中の12時)"過ぎになっちゃうかな~」
私:「それって、NGっていう...」
H田:「そういうことかも」

頼みの綱は、あっさりと断ち切られました...

某月某日 まだ悩んでます。

う~ん...

私は、まだDS修行中の身だということを、正直にM(マネージャー)氏にいったほうがいいんでしょうか...

う~ん、答えは分かっている気もしましたが、...いろいろ悩んで編集のA部さんに相談しました。

A部:「それはもちろん、S原さんしだいですね」
私:「ええっ?」
想像していなかった答えが返ってきました。

A部:「DSで頑張るもよし、Symhony Nitrisでお茶を濁すもよし」
A部:「S原さん、この連載を始めるとき『世のAvid MCエディターのため人柱になる』とカッコいいこといってましたよね、でも、そんなことはどうでもいいんです」
私:「?」

A部:「これを読んでいる読者は、S原さんが無謀にもDS本番に挑戦して赤っ恥を掻く様子なんか読みたくないと思うんですよ。実際」
A部:「でも、DSでどうやってキー合成するかは、知りたいんじゃないですかね」

うう、上手いですね。やはり編集のヒトは...
そういうふうにカラメ手でくると、やらないわけにはいかなそうな気がしてきます。

どうやら、DSでキーイングすることになりそうです...

某月某日 DSのキーイング

う~ん...

DSって、合成が得意なノンリニア編集ソフトですよね。確か。
合成の初歩の"キーイング"なんてモノは、「ちょちょいのちょい」って感じで、すごくキレイにできちゃうんですよね。多分。

でも、なんか変なんです。
パソコンの中にあった、サンプル画像を使ってキーイング合成をやってみました。結果がコレです。

なんだか、合成が汚いと思いませんか?
輪郭がガタガタで、全然背景に馴染んでません。

つぎのサンプルでは髪の毛が全然抜けてません。そのつぎのサンプルはベール部分がノイジーで、輪郭部がかなりひどい状態です。

これは、明らかに変です。
下のような手順で行ったのですが...なにが悪いんでしょうか...

今回はツリーエフェクトを使ってキーイングしました。

クリップを選択(タイムラインのクリップエッジが赤くハイライトする)したら、ウィンドウ左下のコンテナ作成ボタンを押して、選択クリップをコンポジットコンテナ化しました。

コンテナ化と同時にコンテナ内へステップインし、デスクトップはツリーエフェクト編集ビューに切り替わります。今回発見したのですが、モニター左側の縦に並んだビュー切り替えボタンをクリックすると、よく使うエフェクトがボタン化されたビューがありました。

キーイング合成に使うエフェクトは、"Keyers"にまとめられています。

背景がグリーンバックですので、"Keyers"のエフェクトから"Blue-Green Keyer"を選択し、ツリーに適用しました。

これが"Blue-Green Keyer"のエフェクト設定パレットです。キーカラーをピックアップするため、"Key"タブの"Pick Key Color"ボタンをクリックしました。

スポイトカーソルをモニターへ移動、背景上でクリックしてキーカラーをピックアップしました。微妙な色むらがあるので、なるべく人物に近いところの背景カラーを選びました。

背景カラーをピックアップすると瞬時に背景が灰色に変わりました。背景には灰色に変わり損ねたエリアもありませんでした。この時点では「へぇ、すごいな...」とDSのキーカラー抽出能力に感動していましたが...

背景との合成具合を見るために、ダミーの背景を置いてみると...あれ、なにか変です。輪郭部がガタガタで、全然抜けてません。これは一体どうしたことでしょう?


背景と合成するために組んだツリー

人物の輪郭は若干ソフトぎみでしたが、そのあたりのヌケは情けないくらいです...

これはクロマキーテストに用いられそうなくらい典型的な映像ですが、髪の毛がなんともヌケていない...
金髪の髪の毛は、無理にカチッと抜けないほうが雰囲気がでて良いように思います。ですが、いまの状態だと、髪の周りにぼけたノイズが発生してしまい、なんとも馴染みの悪い合成結果になっています。


こちらの映像も白いヴェールが全然馴染んでいません

Blue-Green Keyerには、様々なパラメーターを調整するタブが並んでいます。DSは高い合成NLEなんだから、簡単に抜けてくれよ。

う~ん...わからない...

プラチナDSマエストロN岡(Pd.N岡)氏にご登場願わないと『ダメ』みたいです...、やっぱり。

某月某日 マエストロの手紙

すいません、タイトル、嘘ついてますね。今時手紙はないですよね。メールでした。

先日の上手く抜けてない画像と素材をプラチナDSマエストロN岡(Pd.N岡)氏に送りました。そうしたら、即座にメールが返信されてきました。

N岡:「お悩みのようですが、クォリティレベルの高い合成を行う場合、Keyerは多重に使うのが普通で、Keyerひとつで済ますことはほとんどありません」
N岡:「しかし、いただいた素材でも、パラメーター設定によってはシングルKeyerでこの程度まではヌケました」
そしてスクリーンショットが添付されていました。これです。


N岡氏の合成


私の合成

なんだか滑らかに合成されてます。私の合成した結果と比べると、差は歴然としています。

N岡:「いま、新バージョンのリリース前で手が離せません。そちらが一段落ついてから、詳しいメールを送ります。それまでサンプルを見て一人で考えていてください」

おーい、それはちょっと残酷だぞ、マエストロ...
本編集の日は刻々と迫ってきています...

軽く突き放されちゃいましたね...S原 氏。さすが人柱! しかし、大丈夫なのでしょうか...

(編集部:A部)

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