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技研公開2009開催

NHK放送技術研究所は、5月21〜24の4日間、NHKの最新技術研究の成果を紹介する展示会「技研公開2009」を開催した。
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5月21〜24の4日間、東京都世田谷区のNHK放送技術研究所にて開催

今年で63回目を迎える今回の同展示会では「テレビの進化は止まらない」をテーマに、最新の研究成果を展示。昨年と同様、NHK放送技術研究所の1Fと地下1階の2フロアを使用し、「放送をもっと身近に、未来の技術」、「クローズアップ地デジ」、「放送の未来」、「豊かなサービス」、「制作の高度化」など、テーマごとに分類し、37項目の研究成果が紹介された。

現在NHKが研究開発に注力するスーパーハイビジョン関連技術を初め、現行のデジタル放送をより快適にする仕組みなども多く展示され、訪れた人たちの注目を集めた。  会場は、一般から関係者、老若男女さまざまな来場者で賑わいを見せ、来場者が説明員の解説を求める姿も多く見受けられた。また、スーパーハイビジョンシアターやインテグラル立体テレビのブースには、最新技術を一目見ようと長蛇の列がつくられ、放送の最新技術に対しての感心の高さを改めて認識させられる展示会であった。

それでは以下から、今回の展示会で紹介された37項目の研究成果展示の中から、スーパーハイビジョン関連を初め、ディスプレーやビデオカメラなど、主に映像技術関連の展示をご紹介する。

スーパーハイビジョン関連技術

スーパーハイビジョン関連の展示としては、例年どおり、450インチの大型シアターで、スーパーハイビジョン映像の上映が行われた。今回は、7680×4320の画素をもつRGB3枚の撮像素子を用いて、プロジェクターのフル解像度が実現され、会場では、解像度7680×4320、フレームレート60Hzの映像に、22.2chのサラウンドの高臨場感システムを加えた映像を体験することができた。

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50インチの大型シアターで、スーパーハイビジョンの映像を上映

また、世界初となるスーパーハイビジョン衛星中継およびスーパーハイビジョンの多チャンネル衛星伝送の実験も行われた。これは、札幌の「さっぽろテレビ塔」に設置されたスーパーハイビジョンカメラと、22.2chマイクで収録された映像を、鹿島の拠点と衛星「きずな(WINDS)」を介して多重化し、NHK放送技術研究所のアンテナで受信し、視聴を可能にするというもの。世界初のスーパーハイビジョン衛星生中継となる。

今回の実験のために、スーパーハイビジョン映像を約100Mbpsまでに圧縮するエンコーダー、新しい誤り訂正符号化技術、広帯域復調器を開発し、スーパーハイビジョンの多チャンネル伝送を可能にしたとしている。今後は、この実験の成果を本格的なスーパーハイビジョン放送の実現を目指した21GHz帯衛星放送システムの検討に反映していくとのことだ。

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スーパーハイビジョン衛星中継およびスーパーハイビジョンの多チャンネル衛星伝送の実験。さっぽろテレビ塔からの中継を画面に表示
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入り口付近に設置されたアンテナで衛星からの映像を受信

ビデオカメラについては、フル解像度でのスーパーハイビジョン撮影が可能な3300万画素3板式カラーカメラの試作機を展示。今回は、フル解像度スーパーハイビジョンの広帯域映像信号(72Gbps)を処理するため、新たにカメラヘッド部と、カメラコントロールユニット(CCU)を試作。輪郭補償処理などを加えて、画質改善が図られた。 また、光ケーブルを用いてカメラヘッド、CCU間の信号伝送を実現するための光波長多重伝送装置や、スーパーハイビジョン制作現場で容易に映像の確認ができるよう、フル解像度映像から走査線2000本級の映像に変換するダウンコンバーターなども開発されている。

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3300万画素3板式カラーカメラのプロトタイプ
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フル解像度SHVの広帯域映像信号を処理するため、新たにCCUを試作
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3300万画素3板式カラーカメラには2.5型のCMOSセンサーを搭載

また、パナソニックと共同で開発を行っている103型高精細プラズマディスプレー(PDP)の試作機も展示。PDPは、動きの速い画像表示や視野角特性などに優れており、スーパーハイビジョンの家庭用ディスプレーとして期待されている。今回展示されたPDPは、技研で開発したパネルシミュレーション技術によって高精細PDPの動作を解析して得られた指針などを基にして製作されたという。

今回の展示では、ハイビジョンの16倍の画素をもつスーパーハイビジョンテレビ開発の中間目標として、ハイビジョンの4倍にあたる3840×2160の画素数をもつPDPを開発、展示を行った。今後は、スーパーハイビジョンテレビという最終的な目標に向かい、さらに研究を進めていくとしている。

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パナソニックと共同開発のプラズマディスプレー

そのほか、NHK保有技術の応用展開として、日本ビクターと共同開発の4k単板式ビデオカメラも展示された。本機は、スーパーハイビジョンカメラ用に開発された、890万画素のCMOSセンサーを応用し開発されたもの。60フレーム/秒で4k映像のリアルタイム出力を実現する。カメラヘッド部と信号処理部を分離することによってカメラヘッドの小型化を実現し、日本ビクター独自のフォーマットを採用した高速データ通信により、信号処理部を最大で100mまで離れた場所に設置することが可能で、より幅広い用途での撮影に対応する。日本ビクターでは、今年度中の製品化へ向けて開発を進めているとのことである。

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日本ビクターと共同開発の4k単板式ビデオカメラ。会場では撮影のデモも
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パナソニックの単板ハイビジョンカメラも展示。単板式ながら放送用3CCDカメラと同等以上の撮像特性をもつ

フレキシブル有機EL、インテグラル立体テレビほか

有機TFTアレイを基盤とした「フレキシブル有機ELディスプレー」も出展。パネルサイズは5.8型、解像度は213×120、厚みは0.3mmで、折り曲げることも可能である。

今回の展示品では、フォトリソグラフィー(光を利用して微細なパターンを形成する方法)による電極や半導体層の作成方法の改良することで、昨年展示されたものよりもTFTアレイの性能や一様性が改善されているとのことだ。また、輝度の向上、画素欠けを減らすなどの改善も図られているという。今後は、パネルの大画面化や高精細化に向けて開発が進められる。

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特殊な眼鏡が不要で、水平、垂直方向に観察者が動くと、その一に応じた立体像を観ることができる「インテグラル立体テレビ」の研究も紹介された。インテグラル立体テレビは、微小レンズを多数配置したレンズ板「レンズアレー」を、撮影と、表示の双方に用いることによって、視聴者の位置に応じた立体像を観ることができる。

今年度は、撮影や表示に使用するレンズアレーの微小レンズをより細かくすることにより、立体像の解像度を従来約4倍である400×250画素相当に向上させた。今後は、画質の向上や、再生像の奥行き位置を任意に制御できる映像処理技術など、実用に向けた研究を進めていくとしている。

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インテグラル立体テレビ。背面からレンズアレイにスーパーハイビジョンプロジェクターで投射している
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後方からの雑音を抑圧する狭指向性指マイクロホン。後方の感度を最大で20dB抑圧可能。三研マイクロホンと連携して開発が進められている
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ホログラム記録技術の研究も紹介された。ホログラム記録では、媒体に光りを照射して記録、再生を行う。写真は記録媒体のサンプル
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120GHz無線伝送システム。120GHz帯の電波を使用して、HD-SDI信号を6チャンネルまとめて無線伝送することが可能。高信頼化のために高速で動作する誤り訂正装置を開発
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風の映像化システム「風カメラ」。映像はNHK放送技術研究所4Fで撮影。レーザー光を使用して風向、風速を測定する装置とCGバーチャルシステムを組み合わせ、ハイビジョンカメラ映像に風の情報を合成する
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シリコンマイク。シリコンを材料として半導体技術うぃ用いて製作される小型で高性能のマイクを開発。高い耐熱、耐湿、耐食性をもち、通常のマイクロホンが苦手とする過酷な環境でも安定して動作する

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