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DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第11回 DSのカラコレ=Symphonyのカラコレ?

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本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

回り道や失敗を繰り返しながらも、なんとかDSのピクチャー イン ピクチャーを攻略したS原氏。つぎなる野望は...

(編集部:A部)

某月某日 コレカラ、カラコレ

みなさん、"カラコレ"してますか?
いきなりで申しわけありません。ふだん私が関わっている編集ブツでは、HDになってから"カラコレ"が欠かせなくなってきました。とくに最近、その傾向が一層増加していると感じます。みなさんのところではどうですか?

ふだん、MC系NLEのSymphony Nitrisを使っていると、ディレクターから「空を青くして」とか、「エビをおいしそうにして」とか、「タレントの顔色を直して」、「紅葉を強くして」、「背景の山並みをはっきり」、「車のボディカラーを変えて」、「昼間を夕焼けにして」...などなど、いろいろなリクエストがきます。

また、撮影日や天気、カメラマンなどが異なっている2つのカットを、あたかも同じ日に撮影したかのように色や質感を調整し、つないだときに違和感が生じないようにするという作業も少なくありません。
さらに最近では、HDCAMカメラとHDVカメラで2カメ収録した素材の色合わせも増えてきました...ホワイトバランスが違うHDCAMカメラとHDVカメラの映像を合わせなくてはならないときは、なかなか合わせられなくて「う~ん...」と唸ってしまうこともたびたびです。

そんなふうに、いまでは"カラコレ"作業が当たり前になりつつありますが、私は"カラコレ作業"が結構好きです。しかもHDになって結果がキレイに見えるぶん、『やりがい』も増えました。

そんなわけで、今回からDSのカラコレに突っ込んでいきます。

DSのカラーコレクションについて、H田君が言うには、
「DSのカラコレって、Symphonyのヤツと同じですよ。AvidはDSを買収したあと、SymphonyのカラコレをDSに移植したんです」
H田君は私のDS相談役です。

「MC系NLEとのカラコレデータの互換性もいいみたいですよ」
とのこと。

ふうん、なるほど。
じゃ、モノは試しです。まずはMC系NLEでカラコレしたシーケンスをDSに読み込ませてみましょう。

某月某日 MC系NLE the "Symphony"のカラコレデータ

これが、Symphonyのカラーコレクションツールです。

ええと、このツールがSymphonyに搭載されたのはいつでしたっけ?
もはやこのカラコレツールがなかったころのSymphonyを思い出すことすら難しくなってしまうくらい、いまではカラコレツールはSymphonyの必須編集ツールとなっています。ですが、初めてこのツールを見たときはツールの複雑さ、使い方のわかり難さにとても面食らいました。

Symphonyのカラーコレクションツールを簡単に説明しておきましょう。
Symphonyのカラーコレクションツールには、つぎのとおり5つのタブがあります。

  • "HSL":Hue、サチュレーション、ルミナンスレベルをハイ、ミッド、ローの3つのレンジごとに操作
  • "Channels":RGB入出力レベルを操作
  • "Levels":RGB&ルミナンス入出力レベル、ガンマを操作
  • "Curves":カラーカーブを操作
  • "Sec":セカンダリーカラーコレクション

Symphonyのカラコレも結構いろいろできるな、というのが私の印象です。


クリップごと、(ソース)セグメントカラーコレクションを掛けた。Symphonyでは、ソースに対して掛けたカラコレが緑、トラックに対して掛けたカラコレは青で表示される。Symphonyでは、そのほかエフェクトとしてカラコレを掛けることもできる

このように、シーケンス上の各クリップに対して、Symphonyのカラコレを掛けてみました。早速このシーケンスをDSに読み込んでみます。読み込み方は、以前やった"AFE"を使います。


カラコレが掛かっているクリップには、カラーコレクションエフェクト(緑のリボン)が適用されている

なるほど、確かにクリップに掛けたSymphonyのカラーコレクションが1つずつDSのカラーコレクションエフェクトに変換されています。エフェクトリボンをどれか適当にダブルクリックすると、画面がカラーコレクションモードに変わります。
あっ、このインターフェース。なんだか馴染みがありますね。

DSのカラコレツールの3つのモニターやカーブグラフなどは、Symhonyのカラーコレクションツールを彷彿とさせます。H田君のいうとおり、たしかにDSのカラーコレクションのインターフェースはSymphony譲りのようです。

じゃ、ちょっとインターフェースを詳しくみてみましょうか。


Symphonyのカラコレツール


DSのカラコレツール

Symphony、DSとも各カラコレツールはタブ切り替えになっています。両者は"HSL"、"Channels"、"Levels"、"Curves"のタブは共通して存在します。ですがこのバージョンのDSにはSymphonyにある"Sec"(セカンダリーカラコレ)がなく、代わりに"Masking"や"Options"タブが用意されています。これはなんでしょうかね。

"HSL"タブは、おそらくカラコレツールの中でもっともオーソドックスなツールです。SymphonyとDSのツールを比較してみると、タブ内のツールレイアウトは異なるものの、共通する名前のボタンやスライダがそろっています。

"RGB"タブを開いてみると、"R"、"G"、"B"別々にガンマカーブやゲイン、セットアップが調整できるようです。

"Alpha"タブでは、アルファチャンネルのモノクロ画像に対してカラー補正ができるようです。う~ん、さすがDSという感じですね。

ツール左の"Hue Offsets"をクリックしたら、さらに驚きました。Symphonyはカラーホイールが1つしかありませんでしたが、DSでは5種類のカラーホイールが使えるようになっています。カラフルですね。


Symphonyの"Hue Offsets"タブ


DSの"Hue Offsets"タブ

"Luma Ranges"のタブは比較的類似しています。


Symphonyの"Luma Ranges"タブ


DSの"Luma Ranges"タブ

その他のタブもつぎのような感じです。


Symphonyの"Channels"タブ


DSの"Channels"タブ


Symphonyの"Levels"タブ


DSの"Levels"タブ


Symphonyの"Curves"タブ


DSの"Curves"タブ

"Curves"は、私がSymphonyで最もよく好んで使うカラコレツールです。色の合わないHDCAMカメラとHDVカメラを合わせるときなどは、"Curves"ツールのナチュラルマッチが重宝しています。DSにもナチュラルマッチが付いているようです。使い心地が気になります。


"Sec"。Symphonyのセカンダリーツール。DSはv10から搭載されている

某月某日 Symphonyカラコレツールからのデータ変換 2

SymphonyからDSへと、いろいろなカラコレデータを変換して遊んでいたら、ちょっと不思議な現象が見つかりました。今日はそれをメモしておきます。

本題に入る前にSymphonyのカラコレについて説明します。
Symphonyのカラーコレクションは、1.クリップ(セグメント)ごと、2.トラック全体、そして 3.カラーエフェクトと、同時に3タイプのカラーコレクションを同時に掛けることができます。下の図のように、それぞれのエフェクトは、セグメントのカラーコレクションが緑色のライン、トラックのカラーコレクションがブルーのライン、そしてエフェクトアイコンがカラーコレクションエフェクトで表示されます。

まあ、実際の編集ではカラコレを多重がけをすることは滅多にありませんね。重がけることは滅多にありませんが、これをAFE経由でDSのシーケンスに変換したところ、つぎのようになりました。

あれれ、なにか変です。Symhonyのシーケンス真ん中あたりにある船のクリップには、ソース(セグメント)カラコレ、トラックカラコレ、そしてカラコレエフェクトの3つが掛かっています。このクリップがDSへ変換されると、カラーコレクションエフェクトはクリップに3重に掛かっていそうです。
また、SymphonyのトラックカラコレはDSのシーケンスではトラックエフェクトになっていそうですが、それもありません。
結果を見るとクリップの上のエフェクトリボンは2つ、つまりエフェクトが2重がけにしかなっていません。不思議です。

途中の試行錯誤は省略しますが、どうやらソース(セグメント)カラコレと、トラックカラコレのエフェクトが同時に掛かっていると、2つのエフェクトはミックスされてしまうみたいです。
Symphonyシーケンスの先頭クリップにも、ソースカラコレとトラックカラコレががかっています。この2つのカラコレは、ソースカラコレの方が"HSL"と"Curves"、トラックカラコレが"Curves"だけが掛かっていました。そして2つのカラコレの"Curves"パラメーターは下のとおりです。

DSに読み込んだクリップのカラコレを見てみると、"HSL"、"Curves"ともソースカラコレのパラメータが反映され、トラックカラコレのパラメーターは失われています。


先頭クリップの"Curve"パラメーター

ところで、Symphony側でトラックカラーコレクションだけを掛けたクリップについて調べてみると、DS側では正しくカラーコレクションエフェクトが掛かっており、そのパラメータはトラックカラーコレクションのパラメータが正しく変換されています。


Symphony側でトラックエフェクトしかかかっていないクリップの"Curve"パラメーター

上の結果をまとめると、現在のところSymphony-DS間のカラコレデータの変換には、つぎのような関係がありそうです。

知恵08:

  • ソースカラーコレクションとトラックカラーコレクションが同時に存在する場合、ソースカラーコレクションのパラメータが優先的に変換される
  • カラーコレクションエフェクトはセグメント・トラックカラーコレクションとは別に変換される

また、現在連載用に使っているDS v8.4には、セカンダリーカラーコレクションが搭載されていないため、セカンダリーカラーコレクションは省略されてしまいます。

某月某日 DSのカラーコレクションエフェクトのかけ方

さて、MC系NLE Symphonyでカラコレしたシーケンスの変換の"クセ"もだいたいわかったので、今日はDS内でカラコレエフェクトを掛ける方法をメモしておきましょう。
カラーコレクションエフェクトも他のエフェクトと方法は一緒です。

step1:クリップを選択しコンテクストメニューから"Add (Clip) Effect"を実行

step2:"DS Presets\Image Effects"フォルダ内にある、"Color Correction.preset"を選択し"OK"ボタンをクリック

step3:カラーコレクションのエフェクトリボンが追加され、自動的にカラコレモードに入る


カラコレモードは、DSデスクトップ左サイドにあるカラーパレット状のボタンをクリックしても入ることができる

カラコレのパラメーターを再設定するには、エフェクトリボンをダブルクリックすればOKです。


緑のエフェクトリボンをダブルクリックすると、カラコレモードに移行する

ところで、DSのカラコレツールには気になるボタンがあります。これです。

これはDSのさまざまなツールで見かけるボタンです。実を言えばこのボタンはキーフレームを設定するボタン...つまり、DSのカラーコレクションはパラメーターをアニメーションさせることができるわけです。これはSymphonyにはない機能です。

次回は、カラコレパラメーターをアニメーションする方法に突っ込んでみます。

なにやら順調な滑り出しのカラコレ編。S原氏の語り口にも自信が感じられます。この調子でいきたいですね。

(編集部:A部)

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