> ニューストップへ戻る

DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第10回 ピクチャー イン ピクチャーのまとめ

>バックナンバー

本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

前回、ついにピクチャー イン ピクチャーを攻略したS原 氏、その勢いでつぎのステップに進むのかと思いましたが、なにやら考えがあるようです...

(編集部:A部)

某月某日 ピクチャー イン ピクチャーのまとめ

この連載は、私の"試行錯誤する姿そのまま"を文章にして、MC系NLE使いがDSへ乗り移るときの"転ばぬ先のガイド"になろうという目的で始まりました。
前回までのピクチャー イン ピクチャー(P in P)にまつわる体験は、私にとってDSを理解する貴重な転機となりました。しかし一段落ついて、これまでの原稿を眺め返してみると、落とし穴や地雷にハマりすぎていて、他の人にとってなんともわかりにくいモノになってしまっています。
そこで、『一年前の自分は赤の他人』という教えもあることですから、将来の自分のために、P in Pについてしっかりまとめておこうと考えました。

DSではP in Pをかける方法がいくつかあります。基本的な方法から順番に整理していきましょう。

DSでつくる普通のP in P

方法その1:"トラックエフェクト"を使う

まずはオーソドックスなトラックエフェクトを使った方法からいきます。上図のようなサンプルシーケンスについて、V2トラック左部の連続したクリップ2つにP in Pをかけましょう。

・トラックエフェクト設定レンジの指定

トラックエフェクトは、同一トラック内でエフェクトの設定レンジを区切って指定することができます。
エフェクトレンジの設定は、

  1. V2トラックのクリップ先頭にポジションインジケーターを移動
  2. その位置から、後続するクリップのエンドまでマウスカーソルをドラッグ

です。

レンジ設定が正しく行われると、V2トラックのバックグラウンドがハイライトします。


PinPエフェクトを掛けたいクリップの端から端までドラッグするとクリップのデュレーションに等しいレンジを選択することができます。トラックの選択された部分は明るい灰色にハイライトします

・エフェクトの設定
  1. ハイライトレンジ上でマウスを右クリック、ポップアップメニューから"Add TrackEffect"を実行
  2. コマンドを実行して開いたエフェクトプリセットから"DVE.Preset"を選び、"OK"ボタンを押す

    エフェクトプリセットの中から"DVE"のプリセットを適用します

"DVE.Preset"は、"DSPresets/DVE"フォルダか、"DSPresets/Image Effects"フォルダの中にあります。

選択したレンジにトラックエフェクトが適用されました。

エフェクトレンジを設定しないまま"Add TrackEffect"を実行すると、トラックのクリップが存在するエリア全体にエフェクトが適用されます。

・メモ

a. よくあることですが、P in Pをクロップオプション付きで作成すると、P in P内の画像の位置やサイズがP in Pフレームにうまく収まらなくなってしまう場合があります。このようなときは、対象クリップにクリップエフェクトを適用し、拡大/縮小、位置調整を行う方法が簡単です。


クリップごと個別にDVEエフェクトをかけてやれば、P in Pのフレームサイズを変えることなく、P in P内の画像のリサイズ・位置調整が行えます

b. エフェクトリボンの両端にあるボックスをドラッグ&ドロップすると、エフェクトの対象レンジをトリムすることができます。タイムラインに追加編集したクリップに、設定済みのトラックエフェクトを追加編集する場合には、エフェクトリボン端のボックスをドラッグして追加クリップ上に伸ばしてやればOKです。


追加したクリップにも同じTrack Effectをかけるには、エフェクトリボン端のボックスをドラッグします

c. 実はコンテナ化したクリップの場合、"ビデオとオーディオの同期が保たれているか?"の確認が難しくなります。このサンプル程度のP in Pならば、トラックエフェクトによるP in Pのほうが同期の確認や修正が簡単かなと思いました。

方法その2:"ツリーエフェクト"を使う

つぎはクリップをコンポジットコンテナ化し、ツリーエフェクトによってP in Pをつくります。

・複数クリップのコンポジットコンテナ化

複数のクリップを選択するにはつぎの方法があります。

  1. 選択したいクリップを"CTRL"キーを押しながらクリック
  2. 選択したいクリップをすべて囲うように右下からマウスをドラッグ

クリップを選択したら、デスクトップ左下の"Create Container"ボタンをクリックし、メニューから"Create Composite Container Clip"を実行すると選択したクリップがコンテナ化します。


コンテナ化するクリップを選択。"Create Composite Container Clip"を実行

・ツリーエフェクトによるP in P

エフェクトツリービューは、コンテナ内のエフェクトツリーボタンをクリックすれば表示されます。ここからP in Pエフェクトを設定する手順はつぎのとおりです。

  1. エフェクトツリービューのデスクトップでコンテクストメニューを表示、"Add Effect"を実行

    ビューのデスクトップでメニューを表示、"Add Effect"コマンドを実行
  2. ビューにDVEノードが表れたら、ソース(Inputノード)からのラインをDVEノードの"Foreground"ノードに、DVEノードの出力ノードをモニター(Outputノード)に繋ぐ

    表れた"DVE"ノードの"Foreground"チャンネルにソース、出力を"Output"ノードの入力に使う

これでエフェクト適用作業は完了です。簡単ですね。

・メモ

a. コンテナにクリップを追加するには、コンテナ中のビデオトラックにクリップを編集するだけでOKです。ただし、コンテナにクリップを追加しても親シーケンスでのコンテナクリップのデュレーションは変わりません。コンテナクリップの終端をトリムすれば追加クリップが表れます。


コンテナ内にクリップを追加したら、親シーケンスでコンテナのデュレーションを伸ばしてやらないと追加クリップの画像は表示されません

b. コンテナ内の各クリップのP in Pフレームに対するサイズや位置の微調整は、上と同じように各クリップにClipEffectとしてDVEをかけてあげるのが、自分としてはわかりやすいと感じます。

フレーム・マスク持ち込み型P in P

上に紹介したお手軽P in Pは、実をいえばかなり味気ないエフェクトです。そのため、実際オンエアーで使用するP in Pは、P in PのマスクやフレームをPhotoshopなどでつくり、それをNLEに読み込んで作成します。


フレーム・マスク持ち込み型P in Pのサンプル

上図のようなドロップシャドウ付きP in Pは、つぎの手順で作成しました。

・P in P作成の準備
  1. "方法その2"と同じ手順でコンポジットコンテナを作成
  2. エフェクトツリービューのデスクトップに、P in Pフレーム、P in P画像のマスクをドラッグ&ドロップ
  3. 合成確認用にダミーのバックグラウンドもビューにドロップ


合成に必要なパーツをエフェクトツリービューに配置 左側上の画像はP in Pフレームとそのマスク、真ん中はソース画像、下はP in Pインセット画像用マスク(アルファチャンネルを利用) 右側下の画像は合成確認用のダミーバックグラウンド画像

・P in Pマスクの適用
  1. "DSPresets/Image Effects"にある"Key Combiner Alpha.presets"をビューに表示
  2. ソース映像は"Key Combiner"ノードの"RGB"チャンネルへ、マスク映像は"Alpha"チャンネルに接続

"DSPresets/Tree Effects"にある"Composite"ノードをビューにドロップ、"Key Combiner"ノードと"Output"ノードの間に挿入すると、コンポジットコンテナ内で合成の具合が確認できます。ダミー用バックグラウンドを"L1"チャンネル、合成映像を"L2"チャンネルに接続します。


"Key Combiner"ノードの出力を"Output"ノード直前にある"Composite"ノードの"L2"チャンネルに、ダミーバックグラウンド画像を"Composite"ノードの"L1"チャンネルに接続すると、"Key Combiner"の合成状態が確認できる

・P in P画像とP in Pフレームの合体

P in P画像とフレームは同じDVEでコントロールすると調整作業が楽になります。そこで、DVEエフェクトを掛ける前に"Composite"ノードで合体しておきます。

  1. "DSPresets/Tree Effects"にある"Composite"ノードをビューにドロップ
  2. "Composite"ノードの"L2"にPinPフレーム、"L1"に"Key Combiner"ノードの出力を接続


"Key Combiner"ノードの出力とフレームを"Composite"ノードで合成したところ、色が変わってしまった

合成結果の色具合が元と変わってしまう場合、黒色の処理を手動で設定します。


"Composite"ノードの合成オプションを操作し、正しい色に戻す

・DVEとドロップシャドウの適用
  1. "DSPresets/DVE"から"DVE"ノードをビューに表示
  2. "Composite"ノードの出力を"DVE"ノードの"Foreground"ノードに接続
  3. "DSPresets/Image Effects"から"Drop Shadow"ノードをビューに表示
  4. "DVE"ノードの出力を"Drop Shadow"ノードへ、"Drop Shadow"ノードの出力を確認用"Composite"ノードの"L2"に接続


"Composite"ノードの出力にDVE、"Drop Shadow"ノードを直列につなげてやれば合成が完了する

各エフェクトのパラメータ設定が完了したら、"Drop Shadow"ノードの出力を"Output"ノードに接続してコンテナをステップアウトします。

私が考える実用的なP in P

P in Pはエフェクトの基本だと思います。ですが実際の編集になると、私も含め多くのエディターの皆さんは、単純にDVEエフェクトを掛けたP in Pを使わないと思います。

P in Pエフェクトをつくるとき、私が考えるエフェクトに求められる必要な機能とは、つぎのようなものです。

条件1) 複数のクリップに、一括で、同一のエフェクトパラメータが適用できること、そしてそのパラメータを一括に変更できること

条件2) P in P内の個別のクリップについて、リサイズ、位置調整が簡単に行えること

そして、

条件3) P in Pインセット(画像そのもの)に自由な形状のマスクを適用できること

条件4) P in Pフレームも自由な持ち込みフレームを使えること

条件5) これらインセット、フレームのサイズや位置調整が簡単に行えること

これらの条件を満たすP in Pをどれだけわかりやすく簡単に組み立てられるかが、NLEの合成能力の高さを表しているともいえるかもしれません。

某月某日 フリーズフレーム

今日は、編集作業に欠かせないフリーズエフェクトのつくり方をまとめておきます。
MC系NLEだとフリーズはソース側で行いますが、DSではタイムライン上で作成します。
たとえば、下のタイムラインで、ポジションインジケーター位置でフリーズさせる場合、フリーズさせるクリップを選択して、"Time Effects"ツールバーから"Freeze"を選んで実行します。


フリーズ対象のクリップを選択(赤色にハイライト)


"Time Effects"から"Freeze"コマンドを実行


フリーズコマンドを実行した後ろのフレームがフリーズする(タイムスケールが赤くマークされた箇所)。フリーズ区間はレンダリングが必要だ。もちろんデュレーションは自由に伸ばせる

これでフリーズフレームの作成は完了です。このようにDSではフリーズが簡単に作成できてしまいますが、一点注意が必要です。

DSは、デフォルトの状態だとフレームタイプのフリーズを作成します。

したがって、たとえばこのフレームのように動きの早い映像でフレーズをかける場合、フレームフリーズでは、被写体が激しくずれてしまっている2つのフィールドが交互に繰り返され、正しくフリーズしていません。
これを解決するには、"Freeze"コマンドを実行したときに表れる"Timewarp"オプションで、"Hold On"条件をフレームからフィールドに変更します。


フィールドフリーズを選択することによって、正しくフリーズが作成できる

また、"Ease In"オプションを指定すると、設定したフレーム数で徐々にスピードが遅くなってフリーズする。MC系NLEのタイムワープと同じだ。


EaseInオプションを指定すると、フリーズコマンドを発行したポジションから前もレンダリングが必要になる

ふむふむ...たしかにまとめて読むとわかりやすい。S原氏の七転八倒ぶりが楽しくて、つい肝心の内容を忘れがちになっていましたが...。さて、これで本当に一段落、つぎの展開が楽しみです。

(編集部:A部)

▼バックナンバー

関連記事

powered by weblio


> ニューストップへ戻る