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第8回 エフェクトとコンテナの基本
本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...
前回、やっとの思いで3Dマットキーエフェクトの変換を攻略したS原 氏、その勢いでエフェクトの基本を抑えてしまおうと画策したようです...
(編集部:A部)
某月某日 DSエフェクトのキホン(クリップエフェクトとトラックエフェクト)
さて、前回ようやく、MC系NLEで仕込んだマットキーをDSで修正するやり方がわかりました。これは例えるなら、まるでのどに刺さったサカナの骨のようで、本当に大変でした...。
余談ですが、数年前、本当にのどの奥に鯛の骨が刺さったことがあります。そのときは、常にのどに変な違和感、そしてつばを飲み込むたび「ヂクッ」という激痛に痛めつけられました。ご飯を丸呑み、水をごくごく一気飲みしても全然だめ。一晩寝たら骨が取れる(溶ける?)かと期待し、痛いのどをかばってまんじりともしない一晩を過ごしました。が、まったく変化なし。結局観念して耳鼻科へ出かけ、のどの骨を取ってもらったところ、のどの奥からわずか長さ1cmくらいの、細い透き通った骨がとれました。
いやいや、小骨恐るべしです。
本当にくだらない余談でした。すいません。
まあともかく、ようやく頭の中にあったモヤモヤもなくなったので、今回はDSでDVEなどのエフェクトのかけ方のキホンをまとめてみるつもりです。
いままで、特にこだわってきませんでしたが、DSではクリップにかけたエフェクトのことをクリップエフェクトと呼びます。クリップエフェクトは、タイムライン上、クリップの上部につけられた細いバーによって判別します。
さて、DSでクリップエフェクトをかけるには、クリップの上でマウス右クリックにより表示されるコンテクストメニューから、"Add ClipEffect"を実行します。
すると、エフェクトのプリセットウィンドウがオープンします。この中から目的のエフェクトを選択します。
"OK"ボタンをクリックすればエフェクトがクリップ適用され、クリップ上部にバーが表示されます。エフェクト表示バーは、エフェクトのタイプによって黄、赤、青...など、色分けされています。
いろいろと試して見たところ、クリップエフェクトは、同一クリップへエフェクトの多重がけ、バー両端部のドラッグによるエフェクトのトリミングや、バー中央部のドラッグによるエフェクトのムーブなど、クリップ感覚でタイムライン編集が行えることがわかりました。

エフェクト表示バーは、クリップと同じようにトリム、ムーブが行える
また、DSにはクリップエフェクトのほか、さらにトラックエフェクトと呼ばれるものがあります。前述のクリップエフェクトがエフェクトの適用範囲が1つのクリップ内に限定されているのに対し、トラックエフェクトは適用範囲が、同じトラック内の複数クリップへまたがっています。
トラックエフェクトのかけ方は、大すじクリップエフェクトと同じです。トラック中クリップが貼られていない部分で右クリック、表示されたコンテクストメニューから"Add Track Effect..."を実行します。"Add Track Effect..."を実行すると、クリップエフェクトと同じエフェクトプリセットウィンドウがオープンします。
トラックエフェクトは、エフェクトの適用範囲が複数クリップにまたがっていることを除いて、クリップエフェクトと同じです。
また、トラックの一部をハイライト(マウスをドラッグして設定)してからトラックエフェクトを適用すると、ハイライトエリアだけにトラックエフェクトがかかります。
実は、DSにはさらに"Timeline Effect"と呼ばれるエフェクトがあります。このエフェクトは、タイムライン上部の"FX"トラックでコンテクストメニューを表示して適用するのですが...、このエフェクトについては、いずれ実際に使わざるを得なくなったときに詳しく考えることにします。
ところでMC系NLEのP in P系エフェクトがDSに読み込まれるとき、どういうふうにエフェクトが変換されるか調べてみました。
下のシーケンスは、それぞれのクリップに、MC系NLEの"リサイズ"、 "2D-PinP"、 "3DWarp"という異なるエフェクトをかけてDSへ読み込ませてみましたが、いずれのエフェクトもDSのDVEエフェクト(DVEのパラメーター設定は異なる)に変換されました。
下にDSヘルプマニュアル [AFE(Avid File Exchange):Supported Effects]から、P in P系エフェクトの変換レベルを抜き出してみました。
変換レベルは、リサイズ以外のエフェクトは"B"(エフェクトのパラメーター/キーフレームがおおむね再現。再現レベルについては各エフェクトの注釈を参照)となっています。2D-PinPではボーダー、3DWarp/SymphonyWarpについてはShapeエフェクトが未サポートとのことですから、"実用性は充分あるな"という感じでしょうか。
某月某日 DSコンテナのキホン
さて、今日はコンテナをちょっといじってみます。
コンテナは、MC系NLEの"サブマスター"エフェクトをつけたクリップみたいなモノのようです。取っ付きは悪くありませんね。
コンテナをつくってみましょう。
クリップの上でオープンするコンテクストメニューに、つぎのようなコマンドがあります。

コンテナは、"Create Background Container"、 "Create Composite Container"、 "Create Matte Container"の3つのコマンドで作成します。
コマンドから判断するとコンテナにはどうも3タイプあるようです。"Matte Container" と "Composite Container"はMC系(NLE)からシーケンス変換したときにお目にかかりました。
あとは見慣れない"Background Container"ですが、友人のH田君いわく、「Backgroundは、いまどき流行ってないので、覚えなくていい」だそうです。だから中年オジエディターは忘れます(笑)。
コンテナを作成すると、そのままコンテナ内部に入ってしまいます。
コンポジットコンテナは、最初は選択クリップが1つだけの1トラックシーケンスです。後からユーザーが必要に応じてビデオトラックを追加できます。なお、DSはMC系と同様コンテナ内にオーディオトラックをつくることができません。
これはちょっとガッカリです。
マットコンテナは、"Fill"トラックと"Matte"トラックがある2トラックシーケンスが作られます。選択したクリップは"Fill"トラックに置かれます。
実際の編集では、多くの場合、いくつかのクリップをまとめてコンテナ化することが普通です。MC系でもそうでした。複数クリップを一括でコンテナ化するには? という疑問が湧き起こってきます。
おおい、どうやるんだ?
...
来ました、来ました。
実は、H田君に、"複数クリップをまとめてコンテナ化するってどうやるの?"とメールを打ったら、すぐに、返事が返ってきました。
H田君は、この連載の1回目で、
「中年のような、直感的に理解できないっていうか、あれこれ理屈つけないと納得できないヒトだと、DSは苦しいかも」といい、
「S原さんくらいの年なら、もう編集は卒業じゃないですか? 世間一般的には」
とか、いいにくいことを、はっきりわかりやすくいってくれる友人です。
そのH田君のメールに添付されていたのがコレです。

なんだ? う~ん、これ以外なんの説明もありません。
と、この絵をじっくり見てたら閃きました。ああ、そうか。箱...箱=コンテナ、そしてその箱に向かって矢印...、つまり"箱に入れる"、"コンテナに入れる"っていうアイコンですか、これは。
このボタンは、DSデスクトップの左下スミにありました。
そしてそのボタンを押すとコンテナ作成メニューが表れました。

よく「新聞は逆三角形▼に重要なことが書いてある」といわれますが、その法則からするとこのボタンは違反です。法則をまるっきり無視してます。あ、DSは新聞じゃないって?
すいません。くだらないボケはともかく、つぎのようにして複数クリップをまとめてコンテナ化します。

コンテナ化するクリップをまとめて選択するには、"Shift"キーを押しながら、それらクリップを囲むように右上から左下へむけてカーソルをドラッグ

選択したクリップが赤くハイライトしたら、その状態のまま左下のコンテナ作成ボタンをクリック
この方法ならば、コンテナ作成時にクリップがタイムライン上をずれてしまわないので、実際的な方法だといえるでしょう。
また内部のクリップになにもエフェクトがかかっていないコンテナは、クリップ左端のコンテナマークがグレーとなっています。エフェクトがかかるとアイコンは赤色になります。

また、コンテナ化したクリップは、自由にトリムで伸び縮みできます。しかし、親シーケンスで行ったトリムはコンテナ内のクリップの尺にまったく影響しません。つまり、コンテナ作成時の尺を越えてクリップ長を伸ばしても、コンテナ内のクリップの尺は変わらないため、コンテナ画像は消えてしまいます。
コンテナ内でクリップの尺を伸ばしてやると、コンテナ画像は再び表れます。
下図の例では、マットトラックの尺を伸ばさなかったため、フィルトラックの画像がマスク無しで表示されました。
MC系では、サブマスターエフェクトを掛けたクリップをトリムすると、トリム箇所のクリップの尺も変わってしまい、思わぬ副作用が起こってしまったりすることがあります。MC系に比べると、このあたりは理路整然としていてわかりやすいみたいです。
某月某日 口は災いの門
どうやら、火をつけてしまったようです...
私は、つい、はしゃいでしまったようです...
気にも止めない、ささいな一言が、こんな事態を引き起こすことになってしまうとは、
当時の私にはまったく予測不能でした...
前回、プラチナDSマエストロN岡(Pd.N岡)氏が出した宿題が解けたことが嬉しくて、つい、「どうです!! プ・ラ・チ・ナ・DSマエストロN岡ちゃん!!」
なんてつい書いてしまったら、さっそくPdN岡氏からメールが届きました。
Pd.N岡: S原さん、ようやく答えを見つけられたようですね。確かにそれも答えの1つです。でも答えはそれだけではありません...。「正解の手順」が存在しないことが、DS一番の特徴でもあります。
たとえば、「正解の1つ」にこんなものもあります。
それではS原さん、このツリーの意味を解析していただけませんか?
な、なにーっ!!
これは、エフェクトツリーと呼ばれているシロモノです。
私もエフェクトツリーっていうのがDSに存在することは知ってました。そしてこのツールが、DSのエフェクト合成における最重要ツールであるであるということも、ウスウス知ってました。
しかし、なにやら複雑そうだったので、にわかDS中年オジエディターには「不要だ!!」としらばっくれていたのです...が、それはすっかり見抜かれてしまっていたワケです。
これを理解しろ、ということですか。
やれやれ、口は災いの門ですか...。
口は災いの門とはいいますが...マエストロの心に火を付けてしまったS原 氏、またもや宿題に苦しむことになってしまいました。しかし、もしやと思っていたのですが...エフェクトツリーを見て見ぬふりでしたか...
(編集部:A部)
▼バックナンバー
- 第1回 S原さん、人身御供どうですか?
- 第2回 コンフォーミングは希望の光?
- 第3回 快刀乱麻! プラチナDSマエストロ登場!!
- 第4回 次の一手はキーボードカスタマイズ!
- 第5回 いまさらですが...インターフェースの紹介
- 第6回 ピクチャーインピクチャーを攻略
- 第7回 3Dマットキーエフェクトの変換
- 第8回 エフェクトとコンテナの基本
- 第9回 エフェクトツリーに挑戦
- 第10回 ピクチャー イン ピクチャーのまとめ
- 第11回 DSのカラコレ=Symphonyのカラコレ?
- 第12回 DSカラコレの使い心地は?
- 第13回 アニメーションエディタでキーフレームの微調整
- 第14回 編集環境のカスタマイズ
- 第15回 キーイング合成で実践デビュー?!
- 第16回 DSのキーイング・その1~Blue-Green Keyer
- 第17回 DSのキーイング・その2~マルチキーイング合成
- 第18回 マスク合成
- 第19回 実機を試用~編集セッティングの持ち出し
- 第20回 実機を試用~SymphonyでのシーケンスをDSに持ち込む
- 第21回 実機を試用~SymphonyのシーケンスをDSに持ち込む・その2/ VTRプリント
- 第22回 卒業試験!! 問題1:ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う
- 第23回 卒業試験!! 問題2:DS内でテロップを作成、シーケンスに編集する























