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DSマスターへの険しい道のり~MCエディターS原の苦悩と歓喜

第7回 3Dマットキーエフェクトの変換

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本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...

P in Pの変換は楽々クリアーかと思われたS原 氏ですが、"3Dマットキーエフェクトでも変換できますか?"というプラチナDSマエストロN岡 氏の問いかけに、立ち往生。思わぬ宿題となってしまいました。さて、解決できたのでしょうか...

(編集部:A部)

某月某日 プラチナDSマエストロ N岡氏から直伝メール届く!!

「N岡です。連載4回目の内容について、少し指摘しておきたいことがあります」という書き出しで始まるメールが届いたのは、雪が降りそうな寒いある朝のことでした。
 「連載の中で、S原さんはJKL再生と編集点移動のコマンドのコンビネーションで発生する副作用にお悩みのようでしたが、これは回避できますね」

クールです。メールも気温も。

プラチナDSマエストロ(Pd.)N岡氏が指摘されたのは、つぎの箇所です。

Pd.N岡氏のメールによると、"User Preferences"の"Editing"タブにある"Selectable Objects(J-K-L Keys)"フィールドの"Edit Points and Clip Handles"のチェックがオンになっていると、JKL再生によって自動トリムが機能してしまうとか。

早速、このオプションをオフにすることにしました。
 そのほかのオプションをオンにすれば、クリップそのものの位置やクリップのアクティブネスの位置、エフェクトやロケーターなどもJKLキーで移動できるようになります。使い方は、それぞれのオブジェクトを選択してJKL操作します。
 ふぅむ、ロケーターまでJKLで動かせるとは...なんとマニアックな...(ホンネ:本当に必要なのかなぁ)。

やはり、DSは奥深いです。

直伝02:JKL再生による自動トリムを解除したければ、"User Preferences | Editing" タブのJKL設定をオフに

某月某日 DSのDVE 2

これまでのことをまとめておきます。

  • MC系NLEでインポートしたマットキーはDSへ問題なく変換できる。変換によって、MC系NLEのマットキーエフェクトはDSではマットキーコンテナとなる。
  • ところが、MC系NLEで3Dエフェクトへプロモート(変換)した3DマットキーエフェクトはDSではコンポジットコンテナに変換される。一見したところ、MC系NLEからDSへの変換性はNG?

前回の結果を見て、私は「あ、いずれDSにシーケンスを持ち込むなら、MC系NLEで使うマットキーを3DへプロモートするのはNGだな」と確信しました。
 ところが、Pd.N岡氏によれば、3Dマットキーエフェクトを変換したコンポジットコンテナの転写エラーは簡単に修正できてしまうようなのです...。
 そんなワケでPd.N岡氏から、「簡単だから、コンポジットコンテナを修正して、MC系NLEと同じエフェクトを再現して」という宿題をいただいたのですが...正直、この宿題を解決するのに2週間かかりました。

ま、語尾が「...た」となっているように、結局は解決することができたんですけどね。いやぁ、大変でした。まったくお手上げ状態のまま、どんどん原稿の締め切りが迫ってきて、ヒヤヒヤでした(実は、もうすでに一週間遅れているんですけどね ^_^;)。


苦難の末、ようやく修正することができたコンポジットコンテナによる、P in Pエフェクト。その前のブロックはマットコンテナによるP in Pエフェクト

それでは、宿題の解答+マットキーエフェクトを整理する目的で、

  • 3D化されていないマットキーエフェクトから生成するマットコンテナ
  • 3Dマットキーエフェクトから生成するコンポジットコンテナ&修正方法

以上2つの項目についてまとめてみます。

まずは「3D化されていないマットキーエフェクトから生成するマットコンテナ」からいきましょう。


マットコンテナによるPinPエフェクト。簡単にするためV4トラックはミュートした

3D化していないマットキーエフェクトをDSに変換すると、上図のようにマットキーエフェクトはマットコンテナに変換されます。マットコンテナには黄色いバーが付いていますが、これは"Clip Effect"としてDVEエフェクトが掛けられていることが意味されています。黄色のバーをダブルクリックすると、エフェクトエディターがオープンします。DVEのパラメータから、マットコンテナのスケールや位置をDVEエフェクトでコントロールしていることがわかります。

以上のことから、つぎのようにまとめられます。

知恵06:MC系NLEのマットキーエフェクトクリップは、DSではマットコンテナ+DVEでクリップで変換生成される

さて、つぎにマットコンテナの中身を確認しましょう。
 コンテナの中身を展開するには、2つの方法があります。

  • シーケンス上のクリップをダブルクリック
  • クリップを選択し、タイムラインウィンドウ下部のステップインボタンを押す

マットキーコンテナの中には、トラックが2つあります。これらのトラックはそれぞれ"MATTE"、"FILL"と名前が付いています。"MATTE"トラックには赤色のバー、"FILL"トラックには各クリップごと4つの黄色のバーが付き、それぞれクリップエフェクトが付けられていることがわかります。

"MATTE"トラックのソロトラックをオンにすると、白地に黒でフレーム領域が区分けされた画像が表示されます。

ちなみに"MATTE"キートラックに編集した"inset.tif"画像は、フォアグラウンド画像が50%グレー画像、αチャンネル画像が黒地に白でフレーム領域分けされています。

クリップに付けられた赤色バーのダブルクリックによってエフェクトエディターがオープンします。ウィンドウの名前から"MATTE"トラックに掛けられているエフェクトが"Channel Switcher"というエフェクトであることがわかります。

"Channel Switcher"エフェクトに設定された各パラメータを解析すると、このエフェクトはαチャンネルの反転画像をフォアグラウンドに表示させていることがわかります。
 このことからマットコンテナは、それぞれのトラックに

  • "MATTE"トラックはαチャンネルをもたない白地に黒のマスク画像を配置
  • "FILL"トラックはフォアグラウンド画像

といった画像を編集することによって、背景画像と合成を行っていることがわかりました。
 なお、"FILL"トラックの各クリップに掛けられているエフェクトは、DVEエフェクトです。これはMC系NLEでP in P内の画像がフレームの適正位置にくるようにするために掛けたエフェクトです。

さて、いよいよ「3Dマットキーエフェクトから生成するコンポジットコンテナ&修正方法」です。まずは、コンポジットコンテナを解析から。


3Dマットキーエフェクトを変換したときにつくられたコンポジットコンテナ。こちらもV4トラック(フレーム)をミュートしている

何回も書いてきたように、MC系NLEでマットキーを、ちょこっと3Dへプロモートするだけで、DS側の結果は大きく変わってしまいます。

コンテナを展開して中のエフェクトを詳しく調べてみると、マスクトラックである"inset_tif"トラックには、赤色のバーで表される"Channel Switcher"エフェクトと、黄色のバーで表示されるDVEエフェクトが掛けられていることがわかります。
 また、フォアグラウンドトラックでは各クリップごとDVEエフェクトが掛けられています。これは前述のマットコンテナの"FILL"トラックと同じように、MC系NLEで画像位置を調整したDVEエフェクトです。
 さて、マスクトラックの"Channel Switcher"エフェクトは前述のマットコンテナでも、"MATTE"トラックのクリップに掛けられていました。

こちらの"Channel Switcher"エフェクトのパラメーターを見ると、前出のエフェクトと同様、αチャンネルを反転してRGBチャンネルへコピーしていました。
 また、DVEエフェクトは全くパラメータ設定が抜け、クリップに何も効果を及ぼしていませんでした。

以上、コンテナ内のクリップに掛かったエフェクトから判断すると、3Dマットキーエフェクトから生成されたコンポジットコンテナは、コンテナ内容はとてもマットコンテナに似ている(マットコンテナ状のクリップがコンポジットコンテナになってしまっただけ?)ことわかります。
 つまり、コンポジットコンテナでマットコンテナと同じ結果になる合成を行わなくてはならないことがわかりました。

さて、いよいよ修正作業です。この修正処理をLayer Viewで行うわけです。

Layer Viewへの切り替えは、モニター左側にある、四角形がいくつも連なった並んだボタンをクリックします。

本題に入る前に、コンポジットコンテナの特徴に軽く触れておきます。
 コンポジットコンテナの合成順序は、Layerコントロールに表示されるレイヤーの順番で決まります。

Layerコントロールの最上段の画像が最終合成画像です。上にあるレイヤーほど、モニターの前面に表示されます。レイヤーの順番を入れ替えるには、Layerコントロールで各レイヤーの画像を上下にドラッグします。

各レイヤーの一番左の画像がフォアグラウンド(FILL)画像、その隣がレイヤー毎のアルファチャンネル画像です。このレイヤーアルファチャンネル画像は、レイヤー毎に修正することが可能です。

各レイヤーのアルファチャンネルを見てわかるとおり、上下にならんだ2つのレイヤーの上側レイヤーのアルファチャンネルを下側レイヤーに掛けることができれば、すべて問題は解決しそうです。DSのヘルプマニュアルに書いてあった、
- In Layers View, marry the fill and matte by dragging the matte to the fill layer.
という文章の"marry"という言葉は、「2つのレイヤーのアルファチャンネルを結合せよ」ということだったんですね。いやはや。

しかし、その方法がわからない。
 Layerコントロールの上側レイヤーから画像をドロップしようとしてもだめ、Explorerから画像を付け加えようとしてもだめ、なにをどうしたらいいのか、全然わかりません。

そんなときです。天啓が降りたのは。

実は、私の友人に"H田"というすごいDS使いがいるのですが...、そうそう、H田君は、この連載の第1回目で、「中年のような、直感的に理解できないっていうか、あれこれ理屈つけないと納得できないヒトだと、DSは苦しいかも」とか、「モノ忘れが進行していると、致命的っぽい」とか、いいにくいことを、はっきりわかりやすくいってくれる友人です。

そのH田君に、私が万策尽きて諦めかけたとき、ちょっとDSのスクリーンショットをメールしてみました。するとすかさず、つぎのような画像を返してきたのです。

ええっ!!
 ...なんだこれは...
 そんなオペレーションは、まったく想像もしていませんでした。
 半信半疑のまま、画像どおりのオペレーションをすると、いままで頑なだった扉が開いてしまったではありませんか!!
 "Inset_tif"トラックボタンをLayerコントロールのLayerアルファにドラッグ&ドロップすると、いままで見たこともないアイコンが表示されました。

"f01_tif"、"inset_tif'のアイコン間にあるボタンの上で右クリックすると、図のようなメニューが表示されました。これはマスクどうしの演算ルールを決めるメニューのようです。いまは共通部分が必要なので、"And"を選択しました。

さらに新たに加わった外部マスクの上で右クリックすると図のメニューが表示、このメニューでは、外部マスクとして使用するチャンネル、反転、外部マスクの並び順序を指定できるようです。"inset_tif"のアルファチャンネルが必要なので"Alpha"を選択しました。

最後に、不要になった"inset_tif"トラックを消去して、コンテナからステップアウトしてみると、とてもいい感じに合成されています。これなら、3Dマットキーエフェクト化してクリップを変換しても、悩むことなく修正できます。

知恵07:MC系NLEで3Dに変換した3Dマットキーエフェクトクリップは、DSのコンポジットコンテナに組み直されるが、MC系NLEのエフェクトを正しく反映しない。3Dマットキーエフェクトの場合、変換コンテナ内の要素を使って簡単な合成修正が必要


マットコンテナにかけられたDVEエフェクトをコピー&ペーストすれば、MC系NLE上のエフェクトが完全再現する

ところで3Dマットキー化してしまうと、コンテナを合成する最終的な位置やスケールなど、DVEパラメータが失われてしまいます。MC系NLEからDSへのパラメーター受け渡しの方法を考えておく必要がありそうです。

いやぁ、今回はとても勉強になりました。
 そして、H田君のおかげで、飛びそうだった原稿が、一発逆転、起死回生、フェニックスのように蘇りました。H田君には今度コーヒーでももっていこう...。

うーむ、トラックボタンからLayerコントロールにドラッグ&ドロップするっていうワザは思いつかなかったな...やっぱり、中年オジエディターですな。
 でも、宿題なんて、小学生以来、ほぼ半世紀ぶりの代物ですが、ちゃんと解けました。
どうです!! プ・ラ・チ・ナ・DSマエストロ N岡ちゃん!!

どうやら、3Dマットキーエフェクトの変換を攻略したS原 氏、苦しんだ期間が長かったせいか、かなりはしゃいでいます...大丈夫でしょうか...

(編集部:A部)

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