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第4回 次の一手はキーボードカスタマイズ!
本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...
前回、プラチナDSマエストロ N岡 氏の助言によってコンフォーミングの問題が解決し、気をよくしたS原 氏。次なる野望を実行に移すようです。
(編集部:A部)
某月某日 キーボードカスタマイズ!!
先日、Avid MCからDSへの、メディア&シーケンスの移動問題が解決したことによって、私の目の前に立ち塞がっていた壁が崩れ落ちました。さて、この勢いに乗じてつぎのステップに進みましょうか。
つぎのステップはというと、私の場合やっぱり「キーボード(コマンド)のカスタマイズ」かな、と思います。
どうしてかといえば、それはつぎの理由からです。
私は自己紹介にもあったとおり、ふだんメインで使っているノンリニア編集機(NLE)がAvid MC系NLEです。ですが、まれにAppleのFinal Cut Pro(FCP)や、AdobeのPremiere Proなど、非MC系NLEを使って編集作業をしなくてはならないときもあります。
そんなとき、FCPやPremiere Proのキーボード設定を自分のMC系NLEに似せてやると、なんと! 思いのほか苦労なく編集できてしまうことが少なくありません。
もちろん、FCPやPremiere Proのキーボード設定をMC系NLEと完璧に同じ設定に仕上げることは不可能です。でも、どうやら中年オジには、キーボード設定を扱いなれた設定にカスタマイズすることが、DSマスターにかなり役立ちそうに感じられるのです。


私の標準的なMC系NLEのキーボード設定
上は、私がいつも使っているMC系NLEのキーボード設定です。私がAvid MCに触ってかれこれ15年くらいになります。その間ずっと、ほぼ同じキーボード設定で作業してきました。
自分では、私のMC系NLEのオペレーションは結構早いほうだと自負していますが、それはこのカスタマイズされたキーボードによるところがとても大きいと思っています。Avid標準キーボード設定のままだと、私は初心者並みのトロトロ編集になってしまいます。そしてこれが一番大事ですが、どうやら自分の場合キーボードセッティングが編集作品の『味』を微妙に左右するのです。
ちなみに下はAvid MC標準のキーボードコマンド設定です。


Avid MC標準キーボード設定(下はシフト+サイド)
キーボードに割り付けた各コマンドには、1つ1つ設定のワケや思い入れがあります。これを語り始めると相当長くなってしまうので省略しますが、ひとことだけ、私のキーボードコマンド設定のキモをいうと、それは「キーボード操作は左手中心で」ということに尽きます。
自分の編集スタイルでは、編集作業中にテンキーやマウスを操作することが少なくありません。Avid標準のキーボード設定だと、右手がキーボードとテンキー&マウスを激しく往復することになってしまいます。だから標準設定のままだと、編集が終わるころには右肩がかなり痛くなって疲れ果ててしまいます。そんなわけで、いろいろ試行錯誤を重ねた結果、『シーケンスの再生・停止』、『マークイン・マークアウト』、『編集点の移動』、『編集』という編集の基本コマンドを左手に集中させ、右手は比較的フリーに動かせる、いまのキーボード設定に落ち着きました。
このように私の編集スタイルでは左手の役割がとても大きいのですが、先日私は、ついうっかり、左手人差し指を自動車のドアに挟んでしまい、指先を骨折してしまいました。湿布と包帯が取れるまで2週間かかりましたが、その間、編集作業はとても難儀で、難儀で、大変な思いをしました。
まあそれはともかく、DSは合成系NLEですのでMC系NLEとは少し異なり、右手に持ったペンによる操作が編集の中心になると思います。ですが『編集基本コマンド』+αくらいは、キーボードで操作できるようにしよう...と、決意した次第です。
(浅)知恵04:慣れたキーボード設定は大切に(?)惚れた相手を、自分色に染める...って、ちょっとゾクゾクしませんか...。
某月某日 続・キーボードカスタマイズ!!
前日はほとんど無駄ばなしで終わってしまいました。すいません。
今回はDSのコマンド群の中から、普段私がAvid MC系NLEで使っているコマンドを選び出して、自分の、自分だけの、自分のためのキーボード設定をカスタマイズしてみます。
[File]メニューにある"Command Mapping"コマンドを実行すると、下のウィンドウが開きます。DSのコマンドカスタマイズは全てこのウインドウで行うようです。
このウィンドウ、ウィンドウ上側のリストが編集コマンドの一覧表示、そして下側が各コマンドを割り付けたキーの表示エリアであることは一目瞭然です。実にわかりやすいインターフェースです。
コマンド表示リストは二段構成になっていて、左側が"Group"表示、右側が"Command"表示リストとなっています。DSは編集で使われるコマンドをグループ化してまとめているわけですね。
コマンドの割り付け方法は、上のコマンドリストで選択したアイテムを下のキーボードへドラッグ&ドロップするだけ。なおドロップ時に"Shift""Control""Alt"キーを押しながら割り当てれば、キーコンビネーション割り当てが行えます。これもとても簡単な設定方法です。

コマンドを上のリストから下にドロップすると、割り付けるキーが緑色に着色する。ドロップ時に、"Shift""Control""Alt"キーを押すと、それらのキーも同時にハイライトする。これらのキーは、単独・複合的な組み合わせが可能(図の例は、"Shift""Control""Alt"を同時に押しながら、コマンドを"I"キーにドロップ)
しかし、わかりやすいのはここまで、でした...。
DSのコマンドマッピング機能は、なんと、同じキーに複数のコマンドの割り当てることができてしまいます。このスグレモノな機能のおかげで、DS初心者の私には、コマンドマッピングの全体的な仕組みがさっぱりわかりません...。
たとえば、"Group"リストで"3D DVE"を選択して、キーボードの"J"キーを押すと、このキーが「"Reset Current Camera"というコマンドに割り付けられている」と表示されます。
ところが、"Group"リストの"3D DVE"の選択をクリア(たとえば"3D DVE CONTEXT"を選択)して"J"キーを押すと、今度は、「グループが"Transport"の"Speed up Backward Playback"コマンドが割り当てられているよ」という表示に切り替わってしまいます。
つまり、"J"キーには「3D DVE」の"Reset Current Camera"と「Transport」の"Speed up Backward Playback"という2つのコマンドが割り付けられているということですが、これらのコマンドが一体、いつ、切り替わって働くのか、初心者にはさっぱりわからないのです。
おまけに、リストの下側にある"Context"や"View"のチェックをオンにすると、キーボードにはさらに焦げ茶色に着色されたキーが出現することになり、ますますわからなくなってしまいます。
DSのキーボード設定のポリシーというか「哲学」は、私の能力を遙かに超えてます。まるで豆腐(私の頭)にクギが打ち込まれているような感じです...。

"context"や"view"のチェックを付けるとさらに焦げ茶色に色付けされたキーが出現
悩むこと数日、その間に1つ決心しました。
それにしてもDSはコマンドが多すぎます! オリジナルのコマンド設定にビクビクしながらキーボードをカスタマイズしていくのは、なかなか苦しいことになりそうです。そんな訳で、一度キーボードに割り付けられていた全部のコマンドを消去して、『真っさら』な状態からカスタマイズを始めることにしました。
しかし、これは裏目に出そうです...
新しいキーボード設定を作成するには、"Template"のポップアップメニューから元の設定を選択し、"New"ボタンを押して別の設定ファイルを作成します。"KT-noKEYMAP"設定がすべてのキーボードコマンドを消去したものです。本当にDSはコマンドがありすぎて作業はとても大変でした。

それはともかく、このファイルから"KT-GoldenMap"を作成し、私のMC系NLEのキーボード設定をつくり込んで行きます。
さて、まずは再生・停止コマンド系を割り当てます。
"再生""停止"などのコマンドは、"Transport"グループにまとめられています。DSはコマンドマッピング情報をHTMLに変換してwebブラウザに一覧表示することができます。この機能を使って、"Transport"グループのコマンドを抜き出してhtml化してみました。
"再生"・"停止"に関連するのでは? と思われるコマンドに色を付けてみるとその数はかなりあります。やはり"再生"を実行するのもDSはかなりマニアックなようです。
私のMC系NLEの設定では、キーボードの"A"と"S"に逆方向再生/順方向再生を割り付けるのが一番のミソです。この逆/順再生は、MC系NLEの標準設定で"J"と"L"に割り当てられている、いわゆる"JKL"コマンドを使います。
この"JKL"コマンドの逆/順再生には、つぎのような特徴があります。
・同じ方向の再生キーを複数回押すと、押した回数によって倍速再生に切り替わる
・再生キーとポーズキーを同時に押すとスロー再生になる
ところでDSのテンプレートの中に、"Avid MediaComposer"という設定があります。どうやらこれは、MC系NLEのキーボードコマンド配置を摸した設定のようです。この設定を調べてみると、"J"・"K"・"L"にそれぞれ"Speed up Backward Playback"・"Stop/Slow modifier"・"Speed up Forward Playback"を割り付けています。

私の設定でも"A"に"Speed up Backward Playback"、"S"に"Speed up Forward Playback"、そしてスペースキーに"Stop/Slow modifier"を割り付けてみます。この割り付けによって、"S"キーで順方向再生、"A"キーで逆方向再生、そして、"S"&"スペース"キー同時押しで正方向スロー再生、"A"&"スペース"キーで逆方向スロー再生が働くはずです。
キーボードマッピングから戻って、シーケンスをテスト再生してみました。すると...動く動く、シーケンスが再生します。逆再生も動きます。スロー再生も問題ありません。まるでシーケンスを手のひらで転がしているかのように動きます。「手玉にとる」っていう感じです。
昨日までよそよそしかったDSがとうとう私に向かって微笑みかけた瞬間です...。ってちょっと大げさですが、かなり感動モノです。
こうして、これら3つのコマンド("Speed up Backward Playback"&"Speed up Forward Playback"、"Stop/Slow modifier")は、編集中最もよく使うコマンドである、"A"&"S"キーの"再生"、"スペース"キーの"停止"用コマンドとして気持ちよく機能しました。ところが、同時に、これらコマンドはある条件で深刻な副作用を発生してしまうことが判明したのです。
ノンリニア編集の場合、カットの境目(いわゆる編集点)をキー操作で次々にジャンプすることができるコマンドは、シーケンス内の素早い移動に大変便利です。MC系NLEだとこの機能を実現するコマンドとして、"Goto previous/next edit"(
,
)か、"Rewind/Fast Foward"(
,
)があります。両コマンドは、"Goto previous/next edit"が編集点へ移動後にトリムモードに移行するのに対し、"Rewind/Fast Foward"は編集点に移動してもモードは編集モードのままという違いがあります。
DSで類似コマンドを探すと、"Previous Edit/Next Edit"というコマンドを見つけました。このコマンドはMC系NLEの"Goto previous/next edit"と同様、編集点をトリム可能な状態でジャンプします。困ったことに、このジャンプコマンドの実行後に、上の可変速再生コマンドを実行すると、編集点を「勝手に」トリムしてしまうのです。
困りました...。
MC系NLEの"Rewind/Fast Foward"に相当するコマンドをいろいろ探しましたが、初心者にはよくわかりません。そこで悩んだあげく、"A"と"S"にそれぞれ"Play Backword"と"Play"を割り当て、"Speed up Backward Playback"と"Speed up Forward Playback"を"Sift+A"、"Shift+S"に移動することにしました。
この変更によって、スロー再生が"Shift+A+Space"/"Shift+S+Space"とややこしくなってしまいました。ですが最近私は、MC系NLEでもこのキーコンビネーションを使わなくなってしまったので、まあ良しとしましょう。
ところでDSには、"Transport"の中に"Vari-speed Backword/Forward Playback"というコマンドもそろっています。このコマンドを使えば、再生速度をスローから高倍速まで段階的に変更することができます。

MC系NLEには存在しないコマンドですが、試用してみるとなかなか心地よい操作感でしたので、"Alt+A"、"Alt+S"にコマンドを割り付けてみました。
あくまでも左手オペレーションにコダワリます...。
そんな、こんなで、キーボードカスタマイズに悩むことしばし、とりあえず現時点でのキーボード設定は、こんな感じです。MC系NLEのコマンドとの対応図をつくってみました。
ま、困ったことが起きた時は、その都度、修正していくことにしましょう...。
本当に、自分が使い慣れたキーボード設定に変えただけで、DSの壁はまたさらにフニャフニャになった感じです。
キーボードのカスタマイズもなんとか無事完了して、いよいよ準備万端整ったようです。でも、S原さん...なにか忘れていませんか? あまり読者のみなさんを置いてきぼりにしないでくださいね。
(編集部:A部)
▼バックナンバー
- 第1回 S原さん、人身御供どうですか?
- 第2回 コンフォーミングは希望の光?
- 第3回 快刀乱麻! プラチナDSマエストロ登場!!
- 第4回 次の一手はキーボードカスタマイズ!
- 第5回 いまさらですが...インターフェースの紹介
- 第6回 ピクチャーインピクチャーを攻略
- 第7回 3Dマットキーエフェクトの変換
- 第8回 エフェクトとコンテナの基本
- 第9回 エフェクトツリーに挑戦
- 第10回 ピクチャー イン ピクチャーのまとめ
- 第11回 DSのカラコレ=Symphonyのカラコレ?
- 第12回 DSカラコレの使い心地は?
- 第13回 アニメーションエディタでキーフレームの微調整
- 第14回 編集環境のカスタマイズ
- 第15回 キーイング合成で実践デビュー?!
- 第16回 DSのキーイング・その1~Blue-Green Keyer
- 第17回 DSのキーイング・その2~マルチキーイング合成
- 第18回 マスク合成
- 第19回 実機を試用~編集セッティングの持ち出し
- 第20回 実機を試用~SymphonyでのシーケンスをDSに持ち込む
- 第21回 実機を試用~SymphonyのシーケンスをDSに持ち込む・その2/ VTRプリント
- 第22回 卒業試験!! 問題1:ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う
- 第23回 卒業試験!! 問題2:DS内でテロップを作成、シーケンスに編集する









