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第3回 快刀乱麻! プラチナDSマエストロ登場!!
本ブログは、リストラの危機を目前にしたMC系ノンリニア(しか使えない)中年オジエディターが、一念発起、四苦八苦・七転八倒しながらも、一発逆転を夢見ながらAvid DS使い(DSマスター?)への棘(いばら)の道を彷徨い続ける物語である...
Avid DS AssistStationでMCのシーケンスを再現しようと試みたところ、"パラメータが間違っています。"という無慈悲なエラーメッセージが現れて、意気消沈してしまったS原 氏。その後、どうなったのでしょうか...
(編集部:A部)
某月某日 僕の前には暗雲が立ち込めて
まったく、この2週間というもの、私は一体なにをしているのでしょう...。
DSが到着してからというもの、ずっと、自分がMC系ノンリニアで編集したシーケンスをDSに読み込ませようとしているのに、エラー続きでうまいこといってません。
コンフォームの最中、"パラメータが間違っています。"のエラーに悩まされ、またエラーなしでシーケンスを読み込むことができても、生成されたクリップアイコンが真っ赤っかで全然映像が見えないわ、MCとDSを代わる代わる起動していたら、マシーンが非常に不安定になり、あげくの果てに、とうとうハードウェアエラーによってマシーンが全然起動しなくなってしまうわと、いや~な汗が出まくっている2週間です。
時間だけが徒に流れていくなか、自分だけが取り残されているような...たとえると「階下の主人のところに駆けていきたいが、階段が怖くて踊り場で右往左往している犬」になってしまったような感じです。ん、でも主人って誰だろう...?。
いま、私が抱えているトラブルを整理してみます。
私がやりたいことは、
「Avid MCで編集した、メディアありシーケンスをDSで再現する」
ただ、ただ、単純な作業...のはずです。

変換させたいMCのサンプルシーケンス
サンプルシーケンスは、実際の番組の一部を切り取ったものです。尺は約10分ほどあります。クリップはDNxHD145でキャプチャー。V3とV4トラックにはインポートしたマットキーエフェクトとP in Pライクなビデオクリップが編集されています。これが変換させたいMCシーケンスです。メディアはPC本体に増設したHDD(SATA 250Gバイト)にあります。
実は、最初に遭遇した"パラメータが間違っています。"というトラブルの原因はわかりました。このトラブルは、MCのタイトルツールで作成したクリップに対するエラーでした。シーケンス先頭でクレジット表示に使用しています。このタイトルクリップをシーケンスから外してAAFファイルを作成すると、エラーが発生することなくシーケンスが読み込めるようになりました。

シーケンス先頭にあるタイトルエフェクトクリップ(番組クレジットに相当)がエラーの原因でした
「必要でないことは深く考えない」のが、この連載のテーマですから、「このタイトルエフェクトクリップをDSへ受け渡すにはどうしたらいいか」ということにはこだわりません(笑)。このトラブルがいまのシーケンでしか発生しないものなのか、反対に、世界中いつでもどこでも、だれのシーケンスにでも発生するものなのか、全然わかりませんが、シーケンスのAAF変換前に問題となるクリップを外して回避します。
知恵01:データ変換時に問題がでたクリップはとりあえず省く。変換で悩まないつぎに、このシーケンスをDSへ渡すため、私の「カン」に従ってAAF変換しなければなりません。MCもDSも同一ドライブ上のメディアが参照できるので、AAF変換のオプションは"既存メディアへのリンク"を使えばよいはずです...が、ここからがうまくいかなくなるのです。
手順を簡単に説明します。
DS起動後、新規プロジェクト&新規シーケンスを作成。新規シーケンスの設定オプションは下図のとおりです。

新規シーケンスのオプションは、DNxHD145による1080/59.94i HD、オーディオは48kHz/16ビットを選択
以前に紹介した方法に従い、新規作成したDS ExplorerでAAF変換したファイルを開きます。そして中からシーケンスアイコンを探し出し、それをDSのプロジェクトフォルダにドラッグ&ドロップすると、今度は下図のエラーが発生してしまうのです。
エラーメッセージを直訳すると、
"Avid DSはコンフォームの途中でリソースを使い切ってしまいました。あなたは、作業を保存してAvid DSを終了しなくてはなりません。この問題は、巨大なAAFまたはAFEファイルが原因です。ファイルを細かく分割してやり直してみてください"といっているようです。
ですが、シーケンスを1分くらいに短くしても同じようにエラーが発生します。エラーメッセージはAAFファイルのサイズがデカいといってますが、この実験で使っているAAF ファイルのサイズはたった400kバイト、吹けば飛ぶようなファイルサイズです。
ところで、上の方法はエラーの発生によってシーケンス生成が中断してしまいますが、シーケンスのコンフォーミングには、DSのExplorerから直接タイムラインにドロップする方法もあります。こちらの方法をではエラーが発生する直前のシーケンスを見ることができます。
この方法でシーケンスを生成してみると、途中までは生成が進んでいるようですが、なぜか音がバッサリ抜け落ちてしまっています。

途中までは生成が進んでいるようですが、なぜか音がバッサリ抜け落ちてしまっています
今回実験で使っているシーケンスは、尺を短くしても、上位ビデオトラックを外しても、なにをしてもエラーを回避することができませんでした。一方、ファイルサイズが15Mバイト以上あるにも関わらず、まったく問題なく読み込めてしまうAAFファイルもあるのです。これは一体どういうことでしょうか。

生成されたクリップのアイコンは(なぜか)真っ赤っかです

メディアはちゃんとある筈ですが、赤クリップの内容は見ることができません...

なにをしてもエラーを回避することができません。お手上げ状態です...
まったく、お手上げ状態です...。
某月某日 快刀乱麻! プラチナDSマエストロ登場!!
実は、この連載のバックにはスペシャル強力な先生が控えています。
編集部も、このブログ連載を"野放し"で許しているわけではありません。私がサボっていたり、どこか違う世界に飛んでいって連載をスッぽかさないよう、しっかりDSの達人を確保してくれていたのでした。つまり、「個人授業」、「個人教授」、「個人レッスン」ですね。
私くらいの年齢の方だと、「個人授業」とか「個人教授」とか「個人レッスン」なんていう言葉を聞くたび、目の前にパァーっと暖色系の世界が広がり、カラダがムズムズしてしまうヒトが少なくないのでは?いいですね。たまりませんね。小学生時代、「個人○○」というタイトルがついた映画のポスターを見て、人知れずわくわくしたものです。ああ、「個人授業」という歌謡曲も大ヒットしましたね。沖縄出身の5人兄弟のボーカルグループが歌ってました。「リンガーファイブ」でしたっけ?
すいません、のっけから、下らないことを書いてしまいました。
(編集部注:リンガーファイブではなく、フィンガーファイブです...)
この連載は、私がDSを習得していく様をオンタイムで書き綴っています。ですが微妙に時間差があります。つまり、この前まで悩んでいたトラブルが解決できたタイミングと、この文章を書いているタイミングは、少しずれているのです。
わかりにくいですね。なにを私はいいたいかというと、そう、解決したんです。先週まで悩んでいた例の問題が。私は嬉しくて、嬉しくて。
N岡氏。アビットテクノロジー在中。私は秘かに"カミソリN岡"と呼んでいます。私が初めてDSを見たとき、カミソリのように鮮烈にDSをデモしていた人です。編集部が用意してくれた先生は、あろうことか、なんと、N岡氏でした。私は、さっそくN岡氏の非凡さ、DSに対する見識の深さをかいま見ることになったのでした。
私が、「かくかくしかじか...」とトラブルを説明すると、N岡はすかさず、
「当該のMCシーケンスには、OMFファイルが混在している可能性がありますね。調べていただけませんか。特にDSは、AIFCベースのOMFファイルは読み込めないので、注意が必要です」
調べて見ると、確かにメディアディスクには"OMFI MediaFiles"のフォルダが存在していました。その"OMFI MediaFiles"を非アクティブ化すると、トラブルを起こしていたシーケンスのほとんどのオーディオクリップがメディアオフラインになってしまったではありませんか!!

"OMFI MediaFiles"を非アクティブ化した直後、シーケンスのほとんどのオーディオクリップがメディアオフライン状態(赤色のクリップ)となった
さっそく、オーディオクリップをMXFへトランスコードし、AAF変換してDSに読み込ませると...! できました!!

AAFファイルから生成したシーケンス。MC上と同じシーケンスが再現した
う~ん。OMFが原因だとは気がつかなかった。でも現物を見ずに話だけで正解をいい当てるN岡氏って何者?
唖然とする私にN岡氏は言葉を続けた。
「S原さんはAAF変換を使われているようですが、AAF変換は他社アプリケーション間データ交換用オープンフォーマットであるため、Avidアプリケーション間の互換性は低く抑えられています。Avidアプリケーション間のデータ交換には、より互換性のレベルが高い"AFE変換"を使うといいですよ」
う~ん、そうなんですか。
テレビドラマなら、定年間近な老刑事の「刑事のカン」は、たいがい真実を言い当てますが、「中年オジエディタのカン」は、全然当てにならないことが証明されてしまいました。
最後にN岡氏にMCのメディアフォルダを共有する方法を教えてもらいました。すると、見事MCでキャプチャーした映像もDSに再現されたのでした。

MCでキャプチャーした映像もDSに再現された
どうです。これなら、ここからなら、MCしか知らない中年オジにもDSが使えそうじゃありませんか。ようやくDSも、私の前の重たい扉を開けてくれたようです。
直伝01:MCのメディアフォルダ"Avid MediaFiles"をDSで共有する方法

"Data Management|Configure Storages"を実行する

ダイアログがオープンしたら、"Change"ボタンをクリック

さらにオープンしたダイアログでも"Change"をクリック

ダイアログに現在DSにマウントされているストレージリストが表示されるので、"Add"をクリック

追加するストレージのタイプは"Avid Media Storage"を選択して"OK"ボタンをクリック
追加するストレージに、"Avid MediaFiles"を選択。メディアタイプは"None(this is a read-only storage)"、Disk controller typeとDisk storage typeは接続しているディスクに合った項目を選択

"Avid MediaFiles"フォルダがストレージとして追加された
マエストロN岡 氏の登場で、ようやく開かれたDSマスターへの道のりに期待いっぱいのS原 氏。しかし、まだその第1歩を踏み出しただけです。
これから先、いったいどんなトラブルやトラップが待ち受けているのでしょうか...
(編集部:A部)
▼バックナンバー
- 第1回 S原さん、人身御供どうですか?
- 第2回 コンフォーミングは希望の光?
- 第3回 快刀乱麻! プラチナDSマエストロ登場!!
- 第4回 次の一手はキーボードカスタマイズ!
- 第5回 いまさらですが...インターフェースの紹介
- 第6回 ピクチャーインピクチャーを攻略
- 第7回 3Dマットキーエフェクトの変換
- 第8回 エフェクトとコンテナの基本
- 第9回 エフェクトツリーに挑戦
- 第10回 ピクチャー イン ピクチャーのまとめ
- 第11回 DSのカラコレ=Symphonyのカラコレ?
- 第12回 DSカラコレの使い心地は?
- 第13回 アニメーションエディタでキーフレームの微調整
- 第14回 編集環境のカスタマイズ
- 第15回 キーイング合成で実践デビュー?!
- 第16回 DSのキーイング・その1~Blue-Green Keyer
- 第17回 DSのキーイング・その2~マルチキーイング合成
- 第18回 マスク合成
- 第19回 実機を試用~編集セッティングの持ち出し
- 第20回 実機を試用~SymphonyでのシーケンスをDSに持ち込む
- 第21回 実機を試用~SymphonyのシーケンスをDSに持ち込む・その2/ VTRプリント
- 第22回 卒業試験!! 問題1:ピクチャー・イン・ピクチャーの中絵に対してカラーコレクションを行う
- 第23回 卒業試験!! 問題2:DS内でテロップを作成、シーケンスに編集する







