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ナックイメージテクノロジーが、 ARRIのデジタルシネマカメラD-21を披露

ナックイメージテクノロジーは、7月24日、今年のNAB ShowでARRIが発表したデジタルシネマカメラARRIFLEX D-21のレンタルおよび販売開始を発表した。販売価格はRAWデータ撮影可能モデルが¥4500万(税別)、HDモデルが¥3700万(税別)。すでにレンタルは開始されており、同社では現在5台の稼働モデルを用意している。

ナックイメージテクノロジーは発表に合わせて、7月24日にイメージスタジオ・イチマルキュウで「D-21ビデオアウト・ワークフロー」セミナー、25日には東京現像所で「D-21フィルムアウト・ワークフロー」セミナーを開催し、実機の披露と、ビデオおよびフィルム制作でのD-21のアドバンテージを紹介した。

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ARRIのデジタルシネマカメラARRIFLEX D-21。RAWデータ記録が可能になった 「D-21ビデオアウト・セミナー」で解説するARRIのAdrian Widera氏
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セミナーではD-21の実機に触れる時間が設けられ、来場者は説明員の話を聞きながら操作していた D-21の被写体となっていたのは照明下に座ったモデル。テーブルの上には黄色や赤の花が並んでいた

ARRIFLEX D-21は、ARRIが2003年に発表したD-20の後継機にあたるデジタルシネマカメラである。開発コンセプトに「デジタルカメラでフィルムカメラに匹敵するカメラの製作」を掲げており、主な特徴としては35mm単板COMSの採用、フィルムカメラを踏襲したデザインと操作性、フィルムカメラ用のアクセサリーが使用可能 というものが挙げられる。フレームレートもバリアブルに変更でき、HD記録の場合では1~60PsFまで対応する。なお、レコーダー部は装備していない。

D-20からの主な変更点は、以下のとおり。

  • 2880×2160(12ビット)のRAWデータ出力が可能(ARRIRAW)
  • 新ソフトウェアによりSN比の改善
  • 4:3アナモフィックレンズの使用が可能
  • ソニーHDCAM-SRレコーダーへの出力機能の強化
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HDモードとRAWデータモード(ARRIRAW)の比較

この中でも1番の改良点といえるのがRAWデータ出力が可能になった点だろう。もともとD-20でも2880×2160の解像度をもつCMOSが使用されていたのだが、映像出力までのプロセスで2880×2160の処理ができなかったため、CMOSのもつ能力を充分に発揮することができなかった。つまりD-21ではCMOSが捉えた情報すべてを記録できるようになったということになる。

またD-20ではHD(16:9)のアスペクト比に限られてしまっていたため、4:3アナモフィックレンズを使用することができなかったのだが、D-21では使用することが可能だ。なお、フレームレート25fpsまでは2880×2160(4:3)での出力が可能であるが、30fpsではHD-SDIのもつ帯域の都合上、記録される解像度は2880×1620(16:9)となる。

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D-21のコネクター部。HD出力用基板が2枚装備されており、RAWデータ出力をしながらHDモニタリングが行える

D-21にはHD映像出力用基盤が2枚装備されている。1枚はHD-SDI×2(Dual Link対応)で、もう一枚はRAWモード出力対応HD-SDI×2(T-Linkと呼ばれる)だ。この2枚の基盤からは同時に映像出力できるので、RAWモードで記録しながら、HD画質でモニタリングをすることも可能である。

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計測技術研究所UDR-D100。今回展示されたのはデザインがプロトタイプのモデル S.twoのDFR2K-AR

2880×2160/1620のRAWモードの場合、現在のテープフォーマットでは記録することができないため、記録媒体はHDDやSSDといったノンリニアメディアとなる。現在、RAWモードでの記録に対応していることを謳っているのは、計測技術研究所のポータブルハードディスクレコーダーUDR-D100とS.twoのDFR2K-ARの2つだ。

これらのメディアに記録されるデータはARRIRAW【.ari】という独自のフォーマットとなるため、汎用ファイルフォーマットに変換する必要がある。現段階でこの変換を行えるのはARRIFLEXのARRI Image Boosterと独IRIDASのSpeedGradeだ。これらは両方ともDPXファイルフォーマットに変換するため、あとは通常のポスプロ作業を行うことができる。

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RAWデータ記録された素材は、ポスプロ作業の自由度が高いといえる。写真はRAWデータ記録された素材にlog Cガンマなどを適用させたもの

また、HDモードとRAWモードではポストプロダクション作業の行程も変わってくる。HDモードではアスペクト比や色解像度、色温度、ガンマなどは内部処理で決定し、それをレコーディングする形になる。しかしRAWモードではこれらの設定をポストプロダクションが担うことになるので、ポスプロ作業にかかる負担が多くなる。しかし、これは同時にポスプロ作業の自由度が上がるともいえるだろう。

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ファイバーインターフェースユニットSFU-1 SFU-1とHDCAM-SR VTRを接続することで、HDCAM-SRでのハイスピード撮影が可能になった

ソニーHDCAM-SRレコーダーへの出力機能の強化では、HDCAM-SR VTRにハイスピード映像を出力できるようになった。しかしその場合、単純にHD-SDIで接続することができず、ファイバーインターフェースユニットSFU-1が必要になる。

販売価格

  • RAWモード記録対応モデル:¥4500万(税別)
  • HDモードモデル:¥3700万(税別)

レンタル価格(1日)

  • D-21:¥20万
  • レコーダー(ソニーSRW-1/SRPC-1):¥8万
  • ファイバーインターフェースユニットSFU-1:¥6万

問い合わせ先

  • ナックイメージテクノロジー映像制作営業部:TEL03-5211-7932
  • ナックイメージテクノロジーレンタル部:TEL03-5211-7933

URL:http://www.nacinc.jp

ARRIFLEX D-21の主な仕様

  • カメラタイプ:35フォーマット 光学ビューファインダー式デジタルフィルムスタイルカメラ
  • フレームレート
    • 1~60fps(16:9HDモード)
    • 20~30fps(16:9Dataモード)
    • 20~25fps(4:3Dataモード)
      ※すべてのスピードはクリスタル制御により0.001fps単位で設定可能
      ※リバース機能はなし
  • アパーチュアー
    • 23.760×13.365mm(HDモード)
    • 23.7600×17.820mm(Dataモード)
  • レンズマウント:54mm PLマウント(スーパ35規格、LDS機能付き)、フランジフォーカルデプス;52mmノーマル
  • 設定(本体付属液晶画面による設定)
    • PHASE(エレクトロニックインチング、ミラーローテーション)
    • NORM-PS/CCU
    • プログラム撮影速度
    • ビープ音量
    • スタート/ストップ時のビープ音の有無
    • ミラーシャッター回転設定
    • シャッター開角度
    • フレームカウンター
  • 設定(コンポジットビデオ出力画面による設定)
    • HDモード/Dataモード
    • スタンダードフレームレート
    • ホワイトバランス
    • カラーマトリクス
    • アウトプットレンジ信号
    • キャラクターコントラスト
    • 感度
  • シャッター(カメラメニューの操作により開角度の設定が可能):11.2°/22.5°/30°/45°/60°/75°/90°/105°/120°/135°/144°/150°/172.8°/180°
  • ビューファインダー(光学式)
    • グランドグラスが交換可能(ノーマル専用またはアナモフィック対応ビューファインダーから選択)
    • アーム部は2軸アームを採用し回転可能(イメージの回転はオート/マニュアル設定可能)
    • 左目用横スライド機能搭載
    • アリグローシステムにより明るさ調整可能なフレームラインの発光可能
    • オプションでミディアムまたはロングエクステンダー(拡大ルーペ内蔵)、ヒーテッドアイカップ使用可能
  • ビデオ
    • SD(NTSC/PAL)モニタリング(フルサイズのイメージエリアをダウンスケール表示)
    • Sビデオ(Y/C)出力に対応
  • シングルアウトプット
    • HDモード:HD-SDI(SMPTE 292M);1920×1080 4:2:2 YCbCr 10ビット@23.976, 24, 25, 29.97, 30PsF
    • HDモード:Dual Link HD-SDI(SMPTE 372M);1920×1080 4:2:2 YCbCr 10ビット@48, 50, 59.94, 60PsF、1920×1080 4:4:4 RGB/YCbCr 10ビット@23.976, 24, 25, 29.97, 30PsF
    • Dataモード:ARRIRAW T-Link;2880×2160 RAW12ビットベイヤーデータ@23.976p, 24p, 25p、2880×1620 RAW 12ビットベイヤーデータ@29.97p, 30p
  • レコーディング
    • HDモード時:HD-SDI(SMPTE 292M)、Dual Link HD-SDI(SMPTE 372M)
    • Dataモード時:ARRIRAW T-Link対応のレコーディングディバイス
  • 入出力端子
    • HD-SDI:2系統
    • コンポジットビデオアウト:2系統
    • Sビデオアウト(Y/C):1系統
    • パワー入力(BAT):1系統
    • 12Vアクセサリーパワーアウト(フィッシャー11ピン):1系統
    • 24Vアクセサリーパワーアウト(RS3ピン):1系統
    • レンズデータディスプレー(LDD):1系統
    • レンズコントロールシステムバス(LCS):1系統
    • アクセサリーインターフェース(ACC):1系統
    • カメラコントロールユニット(CCU):1系統
    • フォーカス/アイリス/ズームモーター用コントロールアウト:各1系統
  • 電源:DC24V(20.5~36V)
  • 外形寸法:幅270×高さ300×奥行390mm(ハンドル装着時)
  • 質量:8.6kg(ボディのみ)、10.9kg(ビューファインダー装着時)

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