> ニューストップへ戻る

ソニーが液晶マスターモニターBVM-L230を発売

ソニーは、昨年の12月17日、23型液晶マスターモニターBVM-L230の発売を開始した。同製品は、フラットディスプレー時代の新たな画質基準を目指すことを目的として開発されたもので、日本ではInterBEE2007で初めて一般に公開されている。
photo
23型液晶マスターモニターBVM-L230とモニターコントロールユニットBKM-16R

また同日は、BVM-L230を使用する上で必要となるモニターコントロールユニットのBKM-16Rも発売された。価格はBVM-L230が¥198万(税別)、BKM-16Rは¥10万(税別)となっている。

photo
BVM-L230フロントパネル
photo
BVM-L230リアパネル

新技術「TRIMASTER」

ソニーでは、業務用マスターモニターに求められる「正確な色」「正確な画像」「高い信頼性」を達成するための新技術の総評を「TRIMASTER」と名付けた。BVM-L230には、このTRIMASTERの技術が搭載されており、高色域ディバイスを使用したカラーマネージメントシステム、高解像度/高階調表示/動画改善技術、高精度の信号処理/キャリブレーション/フィードバックシステムにより、マスターモニターに求められる高画質と信頼性を実現している。

■BVM専用パネルを搭載

BVM-L230には、独自の仕様で開発したBVM専用液晶パネルが採用されている。解像度は1920×1200をもち、10ビットドライバーに対応させることで1024階調の表現を実現した。

これまで液晶モニター運用するにあたり、反応速度の遅さから残像が起こってしまうことがボトルネックとされてた。BVM-L230ではこの問題を解決するため、黒挿入表示という機能を搭載している。これは、液晶パネルを倍速で駆動させ、映像フレーム間に黒を挿入することにより、動画の残像感を低減させるというものだ。入力フレームレートに応じて96/100/120Hzに対応している。

液晶モニターに残像が起こるもう一つの要因として、プログレッシブ表示が挙げられるが、BVM-L230ではインターレース表示機能をもたせていることで、この問題を解決した。液晶モニターにインターレース信号を入力すると、内部でI/P変換処理を行い、プログレッシブ表示するのが常であったが、BVM-L230ではI/P変換処理を通さずインターレースをとして表示することができるため、より本来の信号方式に忠実、かつCRTのような質感でのモニタリングが可能になる。

また、パネルに正確な色を表示させるためにBVM-L230にはキャリブレーション機能が搭載されている。パネル個体のもつ色度/ガンマ/色温度/ユニフォミティの特性を個別に測定および管理し、個体差に合わせた調整を行うことで、画質に高い信頼性をもたせた。また、ホワイトバランスを自動で調整することもでき、色温度も高い精度で調整/管理を行うことができる。

■プレジョンバックライトシステム

バックライトには、高純度LEDによる高色域、優れた白の均一性、優れた安定性を誇るプレジョンバックライトシステムが採用された。

また、このプレジョンバックライトシステムと独自の3D LUTを使用したカラーマネージメントシステムにより、EBU、SMPTE-C、ITU-R BT.709の色域を完全に再現することに成功した。より高色域なデジタルシネマ用途の色域にも対応しており、幅広い運用が可能となっている。

バックライトにはRGBセンサーが内蔵されており、ブロック毎に輝度をコントロールするとともに、パネルの輝度ムラを階調毎に電気的に補正される。また、RGBセンサーと温度センサーのデータをフィードバックし、LED出力をコントロール可能なプレジョンフィードバックシステムを搭載している。この機能により、ディバイスの温度変化や経年変化によて生じる色調や輝度の変化を補正し、長期間の運用においても安定した色再現を可能にしている。

■業務用ディスプレーエンジン

BVM-L230は、12ビット出力精度をもつ高精細ディスプレーエンジンを搭載している。このディスプレーエンジンは、ジャギーや変換エラーを最小限に抑えた、高い精度のI/P変換を可能にした。これは、ブロック単位に細分化された画像の特徴を検出し、最適な処理を施すことで実現している。

また前述のカラーマネージメントシステムにも、このディスプレーエンジンの能力が発揮されており、入力信号に対して正確な色表現を可能にした。

■多彩な表示機能

BVM-L230には、マスターモニターとして求められる表示機能が多数盛り込まれている。

スキャンは、アンダースキャン/オーバースキャン/ノーマルを切り替え可能。アンダースキャンは−3%、オーバースキャンは、ノーマルスキャンに対して5%のオーバースキャン部をマスク表示される。また、入力信号のピクセルをパネルのピクセルに1:1でマッピングするネイティブ表示も可能となっている。

アスペクト比の切り替えは、4:3および16:9はもちろん、1.896:1や2.39:1にも対応しているので、一般的な放送用途だけでなく、いかなる撮影現場においてもフレキシブルな対応をみせてくれる。

そのほかの表示機能としては、ブルーオンリー/クロマアップ/タリーランプ/Hディレー/Vディレー/RGBカットオフなどの機能が盛り込まれている。

また、現在は未対応だが、今後バージョンアップによって対応予定の機能が4種類紹介されている。いずれも、2つのビデオ入力信号を1画面上に表示するものだ。

ワイプは、パネル上を1つの線で区切り、それぞれのエリアに2つの入力された映像を表示するものである。また、ワイプと同様に2つの表示エリアをつくるが、片方には入力信号に対して映像を反転させた状態で表示するバタフライ表示機能も搭載予定だ。

サイドバイサイド機能は、表示パネルの中に2つの表示エリアをつくり、2つの入力された映像をそれぞれのエリアで表示するものである。こちらは前述のワイプおよびバタフライ機能と違い、2つの入力された映像を完全な画角で表示できるので、撮影現場でのカメラポジション確認時に役立つだろう。

ブレンディング機能は、2つの入力された映像を重ねて表示するものである。撮影現場において簡易的に合成結果を確認することができる。

■オプションによる入出力

photo
オプションボードを装着した状態

BVM-L230の入出力端子は、本体にDVI-D(HDCP対応)端子を装備しているほかはオプションボードによって追加していく仕組みとなっている。用意されたボードは4種類。HD/SD-SDI入力端子を2系統もつBKM-243HS、SD-SDI入力を2系統もつBKM-220D、コンポジットおよびS-Video入出力端子をそれぞれ1系統ずつもつBKM-227W、HD/SDアナログコンポーネント(BNC×3)端子をもつBKM-229Xという構成だ。

BVM-L230はオプションボードを、最大4つまで装備することができるので、SDからHDまでの各フォーマットでのモニタリングが可能である。また、BKM-243HSを2枚使用し、デュアルリンク接続とすることで、YPbPr/RGB4:4:4-10/12ビットの入力にも対応する。

photo
HD-SDI/4:2:2SDI2入力アダプターBKM-243HS
photo
4:2:2SDI2入力アダプター
photo
NTSC/PAL入力アダプターBKM-227W
photo
アナログコンポーネント入力アダプターBKM-229X

■モニターコントロールユニットBKM-16R

photo
モニターコントロールユニットBKM-16R

BVM-L230のオペレーションには、コントロールユニットであるBKM-16Rを用いる。BKM-16Rは、同社従来製品であるBKM-15Rのデザインおよび操作性を継承したモニターコントロールユニットで、BKM-15Rよりも奥行きを9cm短くし、コンパクトになっている。BVM-L230との接続は、オプションであるモニターインターフェースケーブルSMF-700にて行う。

BVM-L230とBKM-16Rを一体化できるオプションのコントローラーアタッチメントスタンドBKM-37Hも用意されている。このBKM-37Hにはティルトユニットが装備されているので、正面からだけでなく、上下に傾けてのモニタリングが可能だ。また、BKM-16Rにはラックマウントキットが付属されており、19インチラックに装着することができる。

BKM-16Rは、BKM-15Rと同様にEthernet端子を装備しており、ネットワーク環境に接続して、モニターおよびコントロールユニットを最大32台まで操作することができる(コントロールユニットは最大4台まで)。これらネットワーク環境において接続されたモニターは、セットアップを統一したり、または数台のモニターをグループ化し、グループ化されたモニターのオペレーションを1台のコントロールユニットから行うことが可能になる。

photo
モニターインターフェースケーブルSMF-700
photo
コントローラーアタッチメントスタンドBKM-37H

■価格

  • 23型液晶マスターモニターBVM-L230:¥198万(税別)
  • モニターコントロールユニットBKM-16R:¥10万(税別)
  • HD-SDI/4:2:2SDI2入力アダプターBKM-243HS:¥14万8000(税別)
  • 4:2:2SDI2入力アダプターBKM-220D:¥4万5000(税別)
  • NTSC/PAL入力アダプターBKM-227W:¥4万2000(税別)
  • アナログコンポーネント入力アダプターBKM-229X:¥4万(税別)
  • コントローラーアタッチメントスタンドBKM-37H:¥8万(税別)
  • モニターインターフェースケーブルSMF-700:¥2万(税別)

■問い合わせ先:

  • ソニー業務用商品お客様ご相談センターTEL0570(00)2288(ナビダイヤル)、0466(31)2588(携帯電話/PHS/一部のIP電話など)
  • URL:http://www.sony.jp/pro

「BVM-L230の主な仕様」

  • ■一般
    • LCDパネル:a-Si TFTアクティブマトリックス方式
    • 画像サイズ:22.5型
    • 表示エリア(H×V):483.84×302.4mm
    • 解像度(H×V):1920×1200ドット
    • バックライト:高純度LED
    • パネルドライバー:RGB各色10ビット
    • パネル表示フレームレート:96/100/120Hz
    • 視野角(上、下、左、右):85度、85度、85度、85度(コントラスト10:1)
    • 有効画素数:99.99%
    • 電源:AC100〜240V、50/60Hz、2.0〜0.9A
    • 消費電力:約180W(最大負荷時、LED経年変化に伴う輝度補正を含む)、約100W(BKM-243HS×1枚装着時、工場出荷状態)
    • 外形寸法:幅565.5×高さ436.4×奥行243.1mm(突起部除く)
    • 質量:約22kg
  • ■入出力
    • オプションスロット:4スロット
    • PC入力:DVI-D(HDCP対応)×1
    • コントロール:OPTION A;ミニDIN8ピン(凹)×1、OPTION B;USB(Type A)×1、LAN(10BASE-T/100BASE-TX);RJ-45×1、PARALLEL REMOTE;D-sub9ピン(凹)×1、DC 5V OUT;丸型4ピン(凹)×1
  • ■画像系
    • ノーマルスキャン:0%スキャン
    • アンダースキャン:3%アンダースキャン
    • オーバースキャン:0%スキャンに対して5%オーバースキャン部をマスクして表示
    • ネイティブスキャン:信号とパネルのドットを1:1でマッピングして表示
    • 色温度:D56、D61、D65、D93、D-Cine※、User1〜5
      ※D-Cine;x=0.314、y=0.351
    • カラースペース:ITU-R BT-709、EBU、SMPTE-C、D-Cine※
      ※DCDMの色度点は完全にはカバーしていない
  • ■動作条件
    • 温度:0〜35℃
    • 推奨使用温度:20〜30℃
    • 湿度:0〜90%(結露のないこと)
    • 気圧:700〜1060hPa
  • ■保存・輸送条件
    • 温度:−20〜+60℃
    • 湿度:0〜90%
    • 気圧:700〜1060hPa
  • ■付属品
    • AC電源コード×1、3極→2極変換プラグ×1、ACプラグホルダー×1、ケーブルホルダー×1、転倒防止ブランケット×1、色温度調整用接続ケーブル×1、オペレーションマニュアル(和、英)×各1、保証書×1

「BKM-16Rの主な仕様」

  • ■一般
    • 電源:DC IN;5V1.1A(BKM-230Lから供給)、DC IN;12V0.5A(付属のACアダプターから供給)
    • ACアダプター:AC IN;100V50/60Hz、DC OUT;12V3A
    • 定格電流:DC5V1.1A、DC 12V0.5A
    • 消費電力:約6W
    • 最大外形寸法:幅424×高さ58.8×奥行174.9mm
    • 質量:約2.1kg
  • ■入出力
    • LAN:10BASE-T/100BASE-TX;RJ-45×1
    • DC5V/12V IN:丸型4ピン(凸)×1
  • ■動作条件
    • 温度:0〜35℃
    • 推奨使用温度:20〜30℃
    • 湿度:0〜90%(結露のないこと)
    • 気圧:700〜1060hPa
  • ■保存・輸送条件
    • 温度:−10〜+40℃
    • 湿度:0〜90%
    • 気圧:700〜1060hPa
  • ■付属品
    • ACアダプター×1、AC電源コード×1、ラックマウントブランケット×2、ラックマウントブランケット取り付けネジ×4、オペレーションマニュアル×1、ファンクションラベル×2、保証書×1

関連記事

powered by weblio


> ニューストップへ戻る